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だし巻き卵と、ジャパニーズオムレツ

和食の基本は「だし」だと思う。
出張先の京都の、たまたま立ち寄った居酒屋で「九条ねぎ入りだし巻き卵」を食べながら、しみじみとそう思った。
白い皿に黄色の卵焼き、真ん中から鮮やかな緑色の九条ねぎがのぞいている。
「ん~、いい香り~」
焼きたての卵焼きから、かつおだしのいい香りがする。箸を入れると、ふわりと切れた。パクリと口へ。
シャクっとした九条ねぎの歯ざわりと甘さ、だしのきいた卵焼きがぴたりと合って、実においしい。

店に到着したのは、午後6時少し前。早い時間だったおかげで、いわゆる「ちょい飲みセット」に間に合った。ちょい飲みセットというのは、生ビール1杯に、その日のおすすめおつまみと小鉢などがついて1,000円というものだ。
そして、その日のおすすめおつまみが「九条ねぎ入りだし巻き卵」であった。

「そういえば…」
「だし」は英語でなんていうのだろう?スープ?いや、それではそのまま飲むことになる。
「みそ汁ならミソスープ(Miso soup)でいいんだろうけど、だしはそのベースだから…」

早速、ググってみると「ブロス(broth)」という単語を見つけた。
「かつおだし」なら「ボニートブロス(bonito broth)」ということになるらしい。
「っていうことは、だし巻き卵は??」再び、ググる。


だし巻き卵…ジャパニーズ オムレットフレイバード ウィズ ブロス(Japanese omlet flavered with broth)
「ま、これはかつおだしだから、フレイバード ウィズ ボニート ブロス、かな」
直訳すると、だし香る日本のオムレツ、という感じだろうか。オムレツといわれれば、たしかにオムレツである。


だがしかし、だし巻き卵は少しずつ卵液を流し込み、巻きながら焼くから、オムレツとはなんとなく違う気もする。でも、そもそもこんな作り方をする卵料理は海外にはないのだから、仕方がない。
和食の料理を英語で説明しようと、調べれば調べるほど、日本人の細やかさ、食に対する意識の高さを再認識させられる。

「だしの味が効いてるおつまみなら、ビールもいいけど、やっぱり日本酒だなぁ…」
その日の取材はとっくに終わっていたので、後は新幹線に乗って東京に帰るだけだ。
私は一気にビールを飲み干すと、店員さんを呼んで、日本酒を注文した。

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