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"メルチャリ"を試してみた

近頃、大陸の模倣であらゆるシェアサイクルサービスが日本各地で勃興していますが、遂にわが街国立にもその波がやって参りました。

その名は、”メルチャリ”。

あのフリマアプリの「メルカリ」が運営するシェアサイクルサービスです。
1分4円というお手軽な利用料金が魅力的です。

「メルチャリ」がサービスを開始したのは、福岡市に次いで二例目。
国立が選ばれた理由は以下の通りだそうです。

全国で4番目にコンパクトな自治体である東京都国立市は、緑の中に自転車道が整備され、多摩川沿いには川崎まで続くサイクリングロードを有する、自転車の似合う街です。地形もほぼフラットなことから、2014年に施行された国立市地域交通計画では、「自転車の街くにたち」を目指し、コミュニティサイクルの民間活力導入が計画されていました。実証実験をスタートしたばかりのメルチャリは、「トライ&エラーを繰り返し、ブラッシュアップする」「仮説と検証を積み重ね、知見を蓄積する」ということが最も重要なフェーズにあり、その点において、東西2.3㎞南北3.7㎞という「見渡せるコンパクトさ」は何よりも有益な条件です。加えて75000人という人口は、行政と市民の距離が近く、弊社が目指す参加型シェアサイクル「みんなのメルチャリ」の実現に適していることから、今回の協定に至りました。

8月22日よりサービスは開始していたのですが、台風の影響による荒天のため、ようやく25日に利用することができました。
以下、実際に利用してみた体験談になります。

メルチャリに乗る

まず、アプリをインストールします。

ただし、残念なことに8月25日現在iOS版のみの提供となっています。
Android向けは現在開発中とのことで、公式HPには無造作にもGoogleフォームへのリンクが置かれており、メールアドレスを入力するとリリースされ次第通知が届くようです。哀しき哉。

さて幸運にもインストールできたiPhoneユーザーのみなさんはアプリを開いてみましょう。ログイン画面が表示されますがメルカリのアカウントでそのままログインできます。
位置情報の利用を許可すると、「ポート」と各ポートの利用可能台数が表示されます。

初回ですが、数十台ものメルチャリがプールされている駅前のポートから利用しても味気ないので、少し離れたポートを利用してみることにします。

ありました!!

まるで放置自転車のようですが、確かにメルチャリです。
3段変速付きのミニベロで、ライトはオートライト、シェアサイクルではよくみるタイプです。
アプリを開き、「鍵をあける」をタップ、サドル下の鍵にあるQRコードを読み取ると解錠され、無事利用可能になります。

尚、解錠された途端からカウントが始まりますので、サドルの調整は解錠前に済ませてしまったほうがよいでしょう。

ライド中のアプリ画面は以下のようになります。
○✕△は、各ポートの駐輪可能状況を示しています。

ライド時間は、解錠から施錠までで換算されます。
施錠は、「ライド時間」をタップすることでアプリ上から行うため、レンタサイクルのように鍵を抜き差しする必要がありません。ただ、アプリの操作から実際の施錠まで5秒ほどのタイムラグを感じました。

駐輪場所は、どこでも大丈夫です!
ただし、ポート以外の場所に駐輪すると、そのメルチャリの位置がマップ上に表示されます。放置されたメルチャリを利用してポートへ返却すると15分間無料となる特典があり、過度な放置を防ぐインセンティブとして機能するよう工夫されています。
しかし、直前に自分が利用したメルチャリの場合は対象外のようで、以下の画面が表示されたときに当該車両を利用しても最終的な利用料金の表示に割引はなされていませんでした。また、駐輪中に他人に持っていかれる可能性も心配であります。

ライドを終え施錠すると利用時間、走行距離、消費カロリーと走行経路が表示され、サイクリングを振り返ることができます。

ライドの評価はしておきましょう。
「クラブメルチャリ」とプログラムが提供されており、利用回数やライドの評価を重ねることでマイルが加算され、加算額に応じて特典が提供されるようです。

最後に、支払い方法ですが、利用毎ではなく、1ヶ月分まとめて支払うシステムになっています。
詳細はアプリのヘルプ欄を読めば早いのですが、ざっくり言えば、利用翌月2日に前月分の利用料金が表示され、クレジットカードもしくはコンビニで支払う方式となっています。いまのところメルカリの売上金等での支払いはできないようです。

もう一つのシェアサイクル

ちなみにですが、国立には2年ほど前から別のシェアサイクルサービスがありました。
その名はSuicle。
名前の通り、JR東日本のグループ会社によるサービスです。

利用料金は以下のとおりで、交通系ICカードとクレジットカードで支払い可能です。
・一時利用:1時間100円(1日上限500円)
・ビジター利用:1日500円(会員登録不要、クレカ払い不可)
・定期利用:月額2500円

単純計算ですが、25分以上の利用だとSuicleの方が金額上お得ということになります。
ただし、会員登録が少々面倒であったり、ポートが国立駅北側のみであったりとアクセシビリティでは劣るというのが個人的には感じられます。また、施錠は前輪に鍵をかけて行うため、駐輪中は鍵を持ち運ばなければなりません。

メルチャリの可能性

メルチャリの最大の特徴、それはPhoneがあれば鍵いらずで近くのポートから手軽に自転車に乗れることでしょう。特にアプリの使用感は非常に快適で、ストレスを一切感じさせません。料金面ではSuicleに劣る点があるのは否めませんが、国立市内であればどこでも乗り降りできるというは市民の足として十分に機能する可能性を秘めています。

まだサービスを開始したばかりで知名度もあまりありませんが、一橋大の夏休み明けには学生による利用が確実に拡大するでしょう。キャンパス内に放置されるであろうメルチャリが、先述した「15分間無料」のインセンティブによってどのように動くのか見どころです。
まだ実証実験ということではありますが、「メルチャリ」というプラットフォームが全国に拡大して旅先や外出先でもっともっと手軽にサイクリングできる日が来ることを願っております。

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