宇宙での食を支えるコオロギで。

先日、あるレストランで見かけた食用コオロギ。虫嫌いの子どもがとても嫌がってましたが、このコオロギが大変なことになっていました!

内閣府の「地球規模の食料問題の解決と人類の宇宙進出に向けた昆虫が支える循環型食料生産システムの開発」という大それた目標にコオロギが代表選手になっていました!

誰も飢えさせない
世界人口は2050年には、98億人へと増加し、食料危機が目前と迫っている今、「食料・飼料としての昆虫」が注目されています。
2013年には、その価値について、国際連合食糧農業機関(Food and Agriculture Orgnization of the United Nations)から報告書が提出されたことをきっかけに、加速度的に「食料・飼料としての昆虫」に世界中が注目するようになってきました。

内閣府ムーンショット

農作物や食品の廃棄物を食べて、有用な動物性タンパク質になるというのがコオロギやミズアブの幼虫だそうです。しかも安全で優良形質をもつ昆虫としてあげられています。
この昆虫を用いて、資源循環型の省エネルギーな昆虫生産システムを開発し、さらに、極限環境や宇宙空間でも完全循環閉鎖型の食料生産プラットフォームを構築することをもくろんでいるようです。

https://if3-moonshot.org/rd/subproject/

このプロジェクトでは6つのサブプロジェクトを設定し、互いに相補的・相乗的な研究開発を実施することで、目的の確実な達成を実現します。

サブプロジェクト1:昆虫ゲノム育種
大きく、早く育ち、近親交配・共食い・病気による減産が少なく、安全かつ栄養に優れたコオロギ・ミズアブの作出を目指します。
サブプロジェクト2:環境保全型昆虫生産システム開発
“One Health”の概念に基づき動物・植物・環境の健康を保ちながら、安全かつ安心な食の供給を可能にする、植物・コオロギハイブリッド型食料生産システムの構築を目指します。
サブプロジェクト3:昆虫由来水産・畜産飼料開発
高品質のコオロギ・ミズアブを安全かつ安価な魚粉代替飼料として活用することを目指します。
サブプロジェクト4:コオロギ由来食料開発
安全・高機能食材としてコオロギを活用することを目指します。
サブプロジェクト5:宇宙進出要素技術開発
人類の宇宙進出を支える食料生産システムに必要な要素技術の開発を目指します。
サブプロジェクト6:社会実装
昆虫を利用した食産業を社会に定着させるためのソーシャルイノベーションを創出することを目指します。

以上6つのサブプロジェクトは同時並行で実施され、近未来に迫る地球規模の食料問題の解決に向けた「昆虫利用型食料生産」の普及や発展に貢献します。

ちなみにアメリカミズアブの幼虫を粉末にしたものは養殖魚の餌として魚粉を100%代替できることが実証されています。また採卵鶏へエサとして与えても、鶏卵の食味を損なうことなく殻の強度が増すメリットがあったようです。いろんな研究がなされているものですね。

2018年農業技術10大ニュース 農林水産技術会議事務局より引用



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?