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富士山の見えるところに温泉はない

箱根・伊豆地方では「富士山の見えるところに温泉はない」という諺があるそうです。河川の浸食により、温泉を貯えている地層が露出しているところに、温泉が湧き出しているのは、谷合いであり、つまり富士山は見えないのだといいます。

温泉資源の保護のために ~神奈川県の事例より~
中央環境審議会「温泉小委員会」 平成18年11 月21 日 ( 火 )より

確かに「箱根七湯」(湯本・塔之沢・堂ヶ嶋・宮之下・底倉・木賀・芦之湯)は、箱根山の早川沿いに開かれた温泉場で、須雲川沿いにも温泉があります。

奥湯本・天山のパンフレットより

湯本から塔之沢、宮之下と早川を上流に上がっていった先に大涌谷があります。

大涌谷は時折、活動的になり、2015年には小規模な噴火、2019年に入山規制がされたのは記憶に新しいです。

最近も活発な活動を続ける大涌谷


さらにそのラインを伸ばすと富士山があります。そのラインは富士山の南東から北西へ伸びているのですが、ライン上に300年前に噴火した宝永山の第1、第2、第3火口が並んでいます。宝永山の火口では、今も落石が日常的に起きていますので、火口の底ではちょっと怖いです。

宝永山の火口の底から見た火口の上部

そのラインをさらに伸ばし富士山頂上の噴火口を超えると青木ヶ原があります。その昔、噴火があったところです。河口浅間神社の鳥居は、富士山の方を向いているのではなく、青木ヶ原の方を向いています。おそらく青木ヶ原付近での大噴火を鎮めるためつくられたのでしょう。

このように、一直線のライン上に温泉が出たり噴火が起きたりしているのです。もし富士山が噴火するとしたら、やはりこのライン上に起きるのではないかと思います。


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