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農業のDX

食料・農業・農村基本計画(令和2年3月31日閣議決定)において、データ駆動型の農業経営により消費者ニーズに的確に対応した価値を創造・提供する農業(FaaS(Farming as a Service))への変革を進めるため、デジタル技術を活用した様々なプロジェクトを「農業DX構想」として取りまとめることとされました。

農業DX構想検討会 農林水産省
 

日本の農業は、世界的にも高い品質を保っており、外国へ輸出できるレベルのものも多いとされていますが、他の一次産業と同じように後継者不足という問題があります。
農林水産省では、少ない経験でも、勘に頼らず、データで再現でき、高い品質の農業を絶やさないようスマート農業推進委員会を立ち上げてデジタル化を進めています。
そして「消費者ニーズ を起点にしながら、デジタル技術を活用し、様々な矛盾を克服して価値を届けられる農業」を目指しています。
そのために2025年までに農業の担い手のほぼすべてがデータを活用した農業を実践を目指します。

農業のデジタルトランスフォーメーション(DX)について


農林水産省では、多くの皆様に農業分野でのDXの具体的なイメージを持っていただけるよう、MAFFアプリを活用して、農業や食関連業界におけるDXの実践事例を紹介しています。このアプリでは、農林水産省から作目や地域のタグにあわせて有益な情報を送ってくれるとのこと。

MAFFアプリのiPhone用画面

アプリを通じ、①あらかじめ取得したユーザー属性に応じたプッシュ型の情報発信や、②政策への意見や現場の要望のリアルタ イムな吸い上げ(情報の受信)等、農業者との間で直接・即時の情報受発信を実現。将来的には、共通申請サービスとの接続や 追加機能の付与により、農林水産省と農業者の総合的なコミュニケーション・プラットフォームに発展させるとしています。



農業分野においても、既にデジタル技術を導入して、新たな価値を生み出している取組も始まっています。

Kalm 角山

Kalm 角山(北海道)では、多数の搾乳ロボットの導入により、大規模酪農 経営での省力化と、効率的な飼養管理等を実現しています。また牛のうんちをエネルギーに、電気は100%を販売、発電で生まれる熱は、バイオガスプラントの暖房に再利用するなど循環と環境に配慮した先進的な取り組みをしているところです。

カーム角山の循環環境


(有)横田農場

(有)横田農場(茨城県)では、IT技術を活用したほ場管理や、機械1台体系で の作業管理を行い、超低コスト生産を展開しています。田植えや稲刈りのロボットによる自動化、気候データと育成データの分析による作業割り出しなど、これまでの米づくりのやりかたを大きく転換するかもしれないイノベーションに挑戦しています。


(株)ビビッドガーデン

(株)ビビッドガーデンでは、生産者が、個人の消費者・飲食店に直接商品を販売するためのプラットフォーム「食べチョク」を提供しています。「食べチョク」は、こだわり食材やお花の生産者のオンライン直売所です。

生産者のこだわりが正当に評価される世界へ


㈱ オプティム

東証1部上場企業の㈱ オプティムでは、平成27年から農業分野に参入し、農作物の品質・生産性向上、コスト削減の実現に 向け、Robot・AI・IoTを活用した様々なソリューショ ンを提供しています。AGRI EARTHというプラットフォームでは、さまざまなデバイスとアプリケーションを水平統合し、各レイヤーとのデータ連携を容易に実現しています。また取り扱われるビッグデータについては、AGRI BLOCKCHAIN技術を用いてデータの信頼性を提供しています。

オプティムのスマート農業を支えている基盤 AGRI EARTH


テラスマイル ㈱

テラスマイル ㈱では、パソコンやスマホ・タブレット上で農業経営が分か り、データの見える化・予測・試算が可能な経営分 析サービスを提供しています。

農業経営を加速させる経営管理クラウドサービス


AgVenture Lab

AgVenture Labでは、JAグループを挙げてオープンイノベーションを促進 させ、総合事業の強みを生かした各種商品開発・ サービスを創発すること等を目的にJAの全国8連が 合同で運営。


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