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BIRTHERs' INTERVIEW Vol.2 株式会社オンギガンツ 代表取締役 / 一橋大学大学院(一橋ビジネススクール)講師 松田 雄馬さん

こんにちは!BIRTH事務局の比嘉です。
「BIRTHERs」の活動内容・想いを紹介する「BIRTHERs' INTERVIEW」、今回は松田さんにお話をうかがいました!

松田さんよろしくお願いします。

3つの顔をもつ「松田雄馬」とは

比嘉
松田さんは、AI・脳科学の研究者、オンギガンツの代表取締役、大学院の講師など、そのご活動は多岐にわたっているかと思います。普段はどのような活動をされているのですか?

松田
そうですよね、いろいろとやっていますが、主には研究者としてAIや脳科学の研究を行い、論文や本を執筆しています。
私が研究を行う上で大事にしていることが、社会を支える研究をするということ。世の中に役立つ研究は、自然とそれが事業となり、お金が回ることになります。また、研究を研究者の間だけにとどめておくのではなく、多くの人に知ってもらって可能性を広げたいと想い、教育の活動も行っています。
そのため、研究者、事業家、教育者の3つの顔をもつようになりました。

現在は、株式会社オンギガンツの代表として企業に対してDXの診断仕組みづくりのコンサルティングや、一橋大学大学院(一橋ビジネススクール)にてプログラミングの技術とフィロソフィーを併せた授業を行っています。

ビジョンを掲げ、人を巻き込んでいく

比嘉
多くの場合、研究、事業化、教育は別の方の手によって行われることが多いかと思いますが、松田さんがその3つを併せて行うことを実現しているのはなぜですか。

松田
それは私がこれまでのキャリアの中で、いろんな人を巻き込んでいくことの必要性を感じたことにありますね。
学生時代、地球工学、数理科学を学び、そこから社会全体をより理解するためには人間のことを理解しようと思い、人間の脳の研究を始めました。
新卒のNECでは、ネットワークのデザインを行いました。この時期に、現場の作業員の方とともに仕事をしたことによって、自分の研究がどう世の中に生かされるのかを肌で感じました。
また、会社から派遣され産学連携プロジェクトに参加した時に、名だたる経歴や知見を持っている人がいるにも関わらず、規模が大きすぎてなかなか物事が発展しないもどかしさを感じていました。それらの経験を通して、社内で自分主導で研究を進めて行く中で、やりたい研究を実現するためには社内外問わず多くの人を巻き込む必要があると考えるようになりました。

未来を思い描ける人材を増やしていきたい

比嘉
松田さんが活動を行う上で軸となっているものは何ですか?

松田
それは過去と今の技術を学んで、未来を自分自身で創造できるような人を増やしていくということです。
オンギガンツの社名にもその想いが込められています。
オンギガンツの由来は「Standing on the shoulders of Giants (巨人の肩の上に立つ)」というニュートンの言葉で、偉大な先人たちの研究成果を巨人に喩え、その上に現在の学術研究による知見を積み重ねることで、新しい発見に繋げていくという考え方が基盤にあります。
先人たちの知見を学ぶことによって未来を見通し、創造できる人を育てていきたいと考えています。


目指すのは、全体が自ずとよりよくなる社会

比嘉
未来創造というキーワードが登場しましたが、松田さんの思い描く未来とはどのようなものでしょうか?

松田
私が目指すのは「自然(じねん)社会」です。
自然社会という概念は、オムロンのSINIC理論内でも登場しますが、悪いところを取り除く西洋医学の考え方とは対象的に、さまざまな要素を整えていくことにより根本的によりよい方向へ向かっていくという東洋医学の考え方が基盤となっています。
目の前の課題解決だけでなく、全体で目的を共有し、その中で発生する様々な問題を共有して解決していくことで、全体が自ずとよくなっていくような社会を目指しています
ただ、自然社会を謳うだけでは精神論になってしまうので、思考のOSは東洋で、それを実現する道具は、データサイエンスをはじめ、最先端科学の考え方に基づいたもの、といったように両方のバランスが大事だと考えています。

比嘉 
その考え方は、松田さんの活動の中にどのように取り入れられていますか?

松田
この考え方を、具体的にどう会社や組織の中に取り入れていくかといったプロセスをパッケージ化して提供することを、現在オンギガンツでは取り組んでいます。
私たちが”DX教習所”と呼んでいるこのサービスは、新しい技術を身に着けていきたい、DXを推進していきたいという企業や個人に対して、現在の状態を診断→分析→改善ロードマップの作成→実行のサポートを行っています。車の教習所のように、座学も実践も込みでサポートを行うことで、その後受講者自身でそのサイクルを回していき、未来を創造していけるようになることを目指しています。

DXという言葉はよく耳にするものの、その適切な診断や評価、改善の仕組みを作ることができている企業は少ないので、価値のある事業だと感じています。
まだまだスタートしたばかりのサービスなので、一緒にブラッシュアップしていける方に参画していただけると嬉しいです。ぜひ、お声かけください!

松田さん、ありがとうございました。

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松田 雄馬 (まつだ・ゆうま)
株式会社オンギガンツ 代表取締役 / 一橋大学大学院(一橋ビジネススクール)講師
京都大学大学院卒業後、NEC中央研究所にてオープンイノベーションを推進。MITメディアラボ、ハチソンテレコム香港、東京大学との共同研究を経て、東北大学との脳型コンピュータプロジェクトを立ち上げ、博士号を取得した後、独立。合同会社アイキュベータ(現株式会社オンギガンツ)を共同設立し、大手企業のAI/IoTを中心とした新規技術開発・事業開発を支援。AIへの誤解を解き、豊かな未来を創造するための情報発信としてテレビ・ラジオにも出演し、多数の著作を執筆。

株式会社オンギガンツの取り組み紹介
KARADA DX
オンギガンツ学生DX塾
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