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BTC暴落。再浮上の可能性はあるか?

・25日未明(日本時間)、BTCが10%以上暴落。2桁の下落は7月のリブラの規制に揺れた7月初旬以来。約1時間で下げは止まったものの、その後も上昇の勢いはない。
・下落のトリガーは米Bakktが開始したBTC現物先物取引の低調。先週のVanEck社のETF申請を取り下げ等でもともと相場の地合いが悪かったところに追い打ちをかけた。
・一方、金(ゴールド)は引き続き堅調。9月初頭につけた過去7年間の最高値近傍で推移しており、株式との逆相関も高まっている。
・地政学リスクによる株価の不透明感は強く、そのヘッジニーズは高い。足元の悪材料が消化されれば、金を補完するヘッジ手段として、BTCは復活する可能性も。

BTC暴落。先週来地合いも悪かったところに、Bakktが追い打ち

日本時間の25日未明、ビットコイン(BTC)が10%以上暴落した。2桁の下落は7月のリブラの規制に揺れた7月初旬以来の下げ幅となった。約1時間で下げは止まったものの、その後も横ばい圏で推移しており、上昇の勢いはみられない(図表1)。

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暴落のトリガーは、米国のBakktのBTCの現物先物取引の開始に対する失望と言われている。23日から開始したが、初日の取引が予想より相当低いことが判明した頃に下落し始めた。その後は売りが売りを呼ぶ展開となったが、下落は1時間程度で一服し、その後は横ばい圏で推移している。

ただ、実は市場の地合いは先週から悪かった。リブラに対する先進諸国の見方が厳しい中で、市場は他に、暗号資産の利用拡大を促すような材料を探している。ところが、足元では、逆のニュースが多い。例えば、先週17日に発表されたVanEck社のビットコインETF申請取り下げなども市場を冷やした。先週は、ビットコインが前日比1%以上上昇した日はなく、1週間を通じほぼ連日下落し続けた。

今後の見通し:株式投資家のヘッジニーズは高い

しかし、これでBTCがそのまま動きのない暗黒の時代に戻るとも考えにくい。

年初来、暗号資産市場を押し上げた世界的な金融緩和の流れや、株式市場への不透明感は続いている。これを受け、金(ゴールド)は堅調な動きが続いており、株式市場のヘッジニーズの強さが表れている。一時期は、金と並んでBTCも株式市場のヘッジ手段となっていたが、金は、BTCが弱含み始めた8月中旬以降も堅調で(図表2-1)、9月初頭以来、過去7年の最高値近傍で推移している。ダウ平均との逆相関も高まっており、株式市場のヘッジ手段として金が選ばれていることがわかる(図表2-2)。

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今後も、米中問題、中東情勢、ブレクジット、北朝鮮等、地政学リスクによる株価の不透明感は続とみられ、市場参加者のヘッジニーズは一層高まるだろう。普通なら株式と逆に動くはずの債券はあまり有効ではない。次に株式市場が大きく暴落する時は、国や企業の信用力も落ちており、価格が株と同様に下落してしまう可能性が高いためだ。

このため、地政学リスクの高まりとともに、消去法的に金へのニーズが高まることが予想される。その場合、暗号資産にも資金が流入する可能性が高いだろう。特にBTCについては、足元のショックが消化されれば、補完的なヘッジ手段として再び復活する可能性は十分ある。

再浮上のきっかけとしては、リブラへの欧米当局からのゴーサインや、潜在的な利用者数が大きい新しい暗号資産の開発(例えば、中国の政府暗号資産も候補)、米国の暗号資産ETFの承認等が考えられるだろう。

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