見出し画像

『続・女癖の悪いクルーウェル様』のクル監の続き❶

※マンガ「続・女癖が悪いクルーウェル様」のクル監話の続きです。
※文才ゼロです。漫画用のプロットしか書けないので酷い文章です。ご容赦ください。
※前段はこちらです。

※意味不明過ぎて、質問が来てしまったので補足したツイートw

※以下より話を進めます。


翌日の朝の教室。
❤️「おい、監督生!監督生ってば。クル先、来るぞ!」
🌸は机に突っ伏したまま顔をあげようとしない。
❤️「授業始まるって!知らないぞ、もう~。」
❤️達一年生は🌸を起こそうとするが彼女は一向にそのまま。

⚗️「さぁ、仔犬共、躾の時間だ!」
⚗は教卓に向かう途中、🌸の姿勢の悪さに気づく。
生徒達の顔が凍る。
⚗は🌸の頭のすぐ横の机上をノックした。

⚗️「どうした仔犬、具合でも悪いのか?」
❤️♠️「あれ・・・意外と優しい!?」
と、顔を見合わせる。
🌸「・が・・たくありません。」
⚗️「なんと?」
🌸「先生の顔が見たくありません。」
❤️♠️「!!ぶっころされっぞ!!!」

生徒達の顔が青ざめる。
一瞬、⚗️の顔が怒りで紅くなるが、なにかをためらったのか、深呼吸をして目をぐるりと回すと、ずいぶんと落ち着いた低い声で叱った。

⚗️「では、この教室から今すぐ出ていきなさい。他の生徒の迷惑だ。」

監督生はうつむきながら立ち上がると教室を後にした。すると後方でふんぞり返って、状況を眺めていた🦈が、🌸の後を追うように席を立つ。
⚗️「フロイド・リーチ、お前は席につけ!」
怒鳴り声と一緒に教鞭が大きく振られ、教室の空気が歪む。
🦈「え~?俺もイシダイの顔が見たくないんだけどぉ?小エビちゃんだけオッケーって贔屓じゃね?」
⚗️「この時間この空間は俺がルールだ。勝手な真似をするなら相応の処罰を課す。」
🦈は教鞭から出た引力で無理やり席に連れ戻された。
⚗️は荒々しく教卓につくと、♠️に八つ当たりでもするかのように苛々とした口調で、前回の授業内容を復唱させた。


苛々は午後も続く。
⚗️「顔が見たくないだと?そんな事初めて言われた!」
⚗️は研究室でブツクサつぶやきながら、溜まっていた郵便物に目を通していた。そのほとんどが薬剤の安売り広告でさして重要性がない。
⚗️「昨晩の言動は度が過ぎたか?いや、笑えない契約書まで準備して、脅迫してきた向こうが悪い。一体何を考えているんだ、あの女は。違う、女ではない、仔犬だ。」

ふと、郵便物の中に一通の豪華なインビテーションカードを見つける。
⚗️「あ・・・しまった!」
と、口を押さえながら、叫んだ。


運動場近くの野原で🌸は、ひどくむくれた瞼に氷をつけて冷やしていた。
🌸(こんなひどい顔、見せたくないし。)
⚗の恋愛観のいい加減さが、彼女の理想から外れていた事にショックを受けて、昨晩は泣きはらして一睡もできなかった。
🌸(先輩達の言う通りだな。私なんて全く相手にされてないし。早く諦めなきゃ。)
でも恋というのは厄介なもので、どんなに自分と釣り合わないとわかっていても今すぐに会いたいのは、⚗以外の何者でもない。

だだっ広い野原に風がたなびいて、心地よかった。
🌸「このまま昼寝しちゃえ。」
そう思った矢先、右手首が見慣れた赤いグローブで掴まれた。
⚗️「起きろ!ついてこい、仔犬!」

⚗️は目を合わせずに🌸の手を引いて、足早に歩き出す。
⚗️「そんなに嫌なら、俺の顔は一生見なくてかまわない。」
🌸「あ。それは大丈夫です、もう目の腫れもひいたんで…」
⚗️「なんだ?怪我でもしたのか?」
🌸は何も答えなかった。
途中から魔法を使い出したのか二人は少し浮遊している。手首を持たれている感触だけで、心臓がうるさくて悔しかった。

背中の毛皮がふわふわと揺れ動くのを見つめながら、🌸は風のような速さでポムフィオーレ寮まで連れて行かれた。
👑は、自室で美容魔術師を二人抱えながら、メンテナンス中だった。

⚗️「ヴィル!ヴィル・シェーンハイト!頼みがある。6時までにこの駄犬をレディに仕立て上げろ。俺の隣を歩けるレベルだ!!」
🌸は目を丸くして、今日初めて⚗️の顔を見た。
👑「は?なんのために?ご自分でおやりなさいよ。」
⚗️「貴様ら駄犬の世話に追われて、すっかり忘れていたんだが、この後、魔法薬学会の受賞パーティーに呼ばれている。至急パートナーが必要だ。俺はスピーチの準備と自分のドレスアップに忙しいからできない。ドレスと靴だけは準備した。美容魔法を使うなら今晩0時までで十分。では頼んだぞ!」
👑「急に無茶苦茶な…!せめて監督生じゃなくて外の女にしてよ!」
⚗️「それができない理由は仔犬に聞いてくれ。もっとも答えられないだろうが。」
⚗️はニヤリと微笑って、🌸を一瞥すると颯爽と消えた。

👑「アンタ…いつからクルーウェルの女になったの?」
🌸「そ、そんなんじゃないです!どうしよう、こんな服、私に似合うわけないし。」
👑「いや、そうでもなさそうよ?ほら、これ、きちんとアンタでもフィットするデザインになってる。こうゆう所は外さない男よね…。仕方ない。クルーウェルの晴れ舞台なら学園のためにも華を持たせないと。やるだけやるわよ!」
👑は、美容魔術師に声をかけ、自分の代わりにベッドで🌸を施術させた。

天国にも登る気持ち良さかと思えば涙が出るほど痛い施術もあり、🌸は頑張って耐えた。
🌸「あの…これって必要なんですか?」
顔をグリグリと揉まれながら、涙目の🌸。
👑「もちろん。時間がない時ほど特に効果があるわ。ほら、アンタの泣きっツラもスッキリよ。」
鏡に浮腫みがすっかりとれた顔がうつる。

👑「アンタさ、まだ12歳くらいに見えるんだけど本当に16歳?このわんぱくキッズみたいな髪は一体どうしてこうなったのよ?」
ファッションに疎い🌸はぐうの音も出ない。
👑「うーん、せめて二年分は髪を伸ばしたいわね。邪道だからやりたくないけど身体を成長させるわよ。24時には元に戻るから安心して頂戴。」
🌸「それって私、24時まで2歳年取るってことですか?シンデレラみたい。」
👑「ははっ!まさにその通りね、オンボロ寮に帰る灰かぶり。舞踏会で運命の王子に出会えるかしら?」
🌸(王子様なんていらない、私は、先生がいい。)
という言葉は呑み込んだ。
👑は🌸に成長促進魔法をかけて、最後の仕上げにメイクをした。


⚗️「おい、時間だ、出るぞ!」
ドアが雑にノックされ、勢いよく開けられた。自分の見立てたドレスを着た、理想通りの女が視界に飛び込み、一瞬固まる。

🌸(わ!先生、正装だ!)
いつもの派手な白黒赤ではなく、オールバックにシックな礼装の⚗️の姿は🌸を盛大に赤面させた。
👑(なにこの茶番劇…見てらんないんだけど?)
「ほら、もっと褒めて頂戴よ、完璧でしょう?」


⚗️「エクセレントだ、ヴィル。恩に着る」
⚗️は慣れた手つきで、🌸の腰をグイッと抱き寄せると、自分の所有物かのように扱いながら、廊下を去って行った。


魔法薬学会の受賞パーティーは、派手というより重厚感がある。
いかにも地頭が良さそうな、品格漂う面々が、それぞれのパートナーを引き連れながら歓談をしている。
同伴可能と招待状に記載があれば、よほどの若僧でないかぎり、伴侶か恋人を連れて行くのが通説だ。
⚗️に至っては、毎度、異なる美しいパートナーを連れてくるので、まるでレッドカーペットのセレブリティかのようにちょっとした名物になっていた。

🌸は、慣れないヒールで一生懸命⚗️について歩いている。異様に視線が集まってくるので、一挙一動に緊張が走る。

⚗️「いいか、仔犬。お前は俺のラボの研究員で東方からの留学生だと言え。研究テーマは『染色術の効率化』。染色の知識はお前に叩き込んでいるから、大体話が合わせられるだろう。それ以上余計なことは話すなよ。」

🌸は初めて飲むシャンパンを片手に、⚗️が誰かと歓談を始めるたびに簡単な挨拶と握手、それ以外は終始アルカイックスマイルを貫いた。煌びやかなオードブルやスイーツに手を伸ばす暇などはない。

にこやかに饒舌に会話を愉しむ⚗️の社交性には驚いた。授業の仏頂面とは偉い差だ。
🌸(先生って多重人格なのかな。昨晩も別人みたいだった。)
実際はそんな事はなく、単にTPOを過剰に意識しているだけだ。⚗️は社会人であるから多面性を持っていても仕方ない。しかし、まだ繕うことをしらない🌸は、事情がわからなくて恐怖を覚えてしまうんだろう。

🦹‍♀️「あーっ!みっつけたぁ!デイヴィース、久しぶり!」
スキニーで目が大きい、ショートカットの若い魔女が二人に近づいてきた。
🌸(なんてきれいな人なだろう!)
⚗️「来てたのか。誰かのつきそいか?」
🦹‍♀️ 「ブブーッ、違いまーす!ちゃんと学生枠で賞もらってまーす!」
⚗️「すごいじゃないか!今度、改めて祝わせてくれ。」
🦹‍♀️ 「そちらは?」
⚗️「新しい研究員だ、留学生としてきている。」
🌸「ユウといいます、はじめまして。」
🦹‍♀️「うーわぁ、デイヴィス、趣味変わりすぎじゃない?ハイ、ユゥー!私はデイヴィスのX-Girlfriendのヴィヴィでぇす。よろしくね!」
🌸「はじめましてヴィヴィさん。あの…エックスガールってなんですか?」
⚗️「おい、デタラメを吹き込むな!」
⚗️が咳払いをしたところで、前方で司会者がなにか招集をかけている。
⚗️「仔犬、しばらく舞台の方へ行くから、お前は好きなスイーツでも食べていろ。」
⚗️と🦹‍♀️はお互い罵り合いながらも、傍から見たらイチャついているようにしか見えない雰囲気で、去っていってしまった。

🌸は、ポツンと取り残された。
ドロドロと不安がこみ上げてくる。
初めて⚗️の女を見たのだ、嫉妬はどうにも制御し難い。
🌸(大丈夫。私と先生には契約がある。)
改めて、🐙の入れ知恵は素晴らしいと🌸は思った。あの契約がなければ🌸は今ここにいない。

気晴らしにケーキを取りに行こうと思った時、授賞式がはじまった。
そのまま気にせず取ればよかったのに、前を向かないといけない気がして、ぬるいシャンパンだけをチビチビと飲んでいた。

司会者はコミカルなトークで会場を盛り上げ、若い受賞者から簡単なスピーチがはじまった。学術的にウィットに富んだ内容で、時折、観客の笑い声が会場中に響くが、🌸には何が面白いのかさっぱりわからなかった。

🤓「インダストリアル・アルケミー部門の最優秀賞は、デイヴィス・クルーウェル博士による『メモリアル装置としての香水の蒸留法』です。おめでとうございます!」
急に想い人の名前がマイク越しに盛大に呼ばれて、こちらまで緊張が走る。拍手に紛れて、場に相応しくない女性陣の歓声が聞こえてきた。ファンクラブでもあるんだろうか?場違いな黄色い声に全観客が苦笑し、会場は更に湧いた。デイヴィス・クルーウェルの登壇は、出鼻からしてエンタテイメントになっていた。

🌸は、その状況をシャンパングラスと一緒に棒立ちで、後方から眺めていた。
🌸「やっぱり先生って、凄く遠い人なんだな。」
と少し落ち込みながらも、酒のせいか、高揚感のような期待感のようなものが込み上げて、全身が熱くなっていった。

つづく
※8月27日開催のユアマイまで更新していく予定です。
※描きたくなったタイミングで、また漫画に戻ると思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?