中村のババァ

我が家で学会の座談会(と言ってもただのおしゃべり会)が度々開催されたのは、私が小学生の頃だ。


その席で、私が『中村のババァ』と呼んでいたババァが、私の身体を弄ってきやがるのだ。毎回。


「若い人はいいねぇ」と、ふともものあたりから裏を回って、付け根のあたりに向かって撫で回してくる。



母親から朝、「今日、座談会だから」と言われると、げぇっと思ったのを覚えている。


また触られんのかぁ。授業が進むに連れて、下校するのが憂鬱になるのを感じた。


帰宅すると、「みなさんにあいさつしなさい」と母親に言われる。

座談会の席にあいさつをしにいく。


クソババァに撫で回される…。


数年後、中村のババァが亡くなったと聞いた。

おぉ、くたばりやがったんだ、と思った。

知っている人が死んで、死にやがったかあのババァと感じたのは、今のところ、この時だけだ。


心的外傷がどうのこうのの話ではない。被害を受けたという体験に昇華できるほどの神経を持ち合わせていないことが残念だ。


それに、逆の場合(私が女の子だったら)は話題になるかもしれないが、男の子がババァに触られたとして、だから何なんだで終わってしまう程度のこと。


私にとっては気色悪ぃババァ(学会にとっては大切な人だったかは不明)が死んで、ふぅんと思ったというお話。


もしこのババァが何らかの権力的立場にある方だったら、私も心的外傷まで昇華させて、お金をもらうことを考えたかもしれないが。もしくは、他の誰かに便乗できたら手っ取り早いのだけれど。いやとっくに時効だ。

それにまぁ、そんな大したババァではない。


※ふだん、私は『ババァ』などと言う言葉はたまにしか使いません。ただ、この方に関しては、私だけは『ババァ』と呼称する権利をもっていると解釈しています。これで、『おあいこ』ということで。


※ある芸能事務所で話題になった問題をきっかけに思い出したエピソードではあります。が、そんなものとは比べるのもおこがましいことであり、それについての是非を言っているわけでもありません。

私にテレビ番組選択権はない(子どもたちの番組選択争いに割って入れない)ため、ニュースはほとんど観ませんし、そもそも興味もさほど湧かなかったため、詳細はよくわかりません。ただ苦しんでおられる方がいるなら、心の傷が和らぐことをお祈ります。

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