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サッカー馬鹿の僕がBリーグを観に行って感じたJリーグとの違い。

 「好きなスポーツは何ですか?」と聴かれた際、僕は即座に「サッカーだ」と答える自信がある。かれこれ10数年近くサッカーと関わって来たため、サッカーに対する愛着はとても強いのだ。
 では、「他にスポーツに興味は無いのか?」と聞かれればなんて答えるか。僕自身の中では、サッカー以外のスポーツはどれも同じくらいの感覚でしか無かった。野球もバレーボールも体操も水泳もアイスホッケーも僕の中ではトントンのレベルである。そんな僕が、日本のプロバスケットボールリーグ、「Bリーグ」を観に行く機会があった。そこで目にしたのは、サッカーとは全く違うスタイリッシュで体育館ならではの演出と熱気が待っていたのだ。

観に行った試合の詳細

2018ー19シーズン B1リーグ第35節 4月12日(金)
対戦カード:横浜ビー・コルセアーズVS富山グラウジーズ
会場:横浜文化体育館

スコア
第1クォーター 横浜19ー34富山
第2クォーター 横浜24ー24富山
第3クォーター 横浜37ー19富山
第4クォーター 横浜17ー22富山

トータルスコア 97ー99

試合内容
 B1リーグ残留のために負けられない横浜ビーコルセアーズは、富山グラウジーズをホームに迎えての一戦となった。だが、第1クォーターで19ー34と大差を付けられてしまう。第2クォーターで巻き返しを図ろうとするが、終了間際に富山の大塚に見事なスリーポイントシュートを浴びてトータル44ー58で折り返す。
 だが、第3クォーターでは4つのバスケットカウントで得点を積み重ね、迎えた第3クォーターの残り1分42秒で川村のレイアップシュートが決まり、ついに逆転に成功。80ー77と横浜がリードして突入した第4クォーター。このままの勢いで勝利なるかと思われたが、ここから富山が猛反撃に遭う。残り3分59秒にはバスケットカウントでフリースローを決められ再び勝ち越される苦しい展開に。その後1点差まで詰め寄るも、横浜のキャプテン湊谷がフリースローを失敗。その後フリースローでリードを許して試合終了。97ー99という壮絶な打ち合いは、富山が制した。

△ゲームハイライト

ブースターとチームモチーフ

 サッカーの場合、熱烈にチームを愛するファンのことを「サポーター(supporter)」と呼ぶ。だが、バスケの場合は「ブースター(booster)」と呼ばれるのだ。意味としては「後押しする人」や「後援者」などがある。このブースター達がチームを鼓舞する応援をするのだが、それについては後ほど説明しよう。
 また、バスケにはクラブのモチーフがある。それが、クラブのカラーだと言っても過言ではないだろう。例えば、東地区を優勝した千葉ジェッツのモチーフは飛行機。チーム名の由来も

成田国際空港があり、日本の国際窓口である千葉県。
その象徴とも言えるジェット機に、子供たちの夢、千葉県民の希望をのせて日本のみならず、世界に飛び立てるクラブを目指すという想いを込めて命名しました。

(Bリーグ公式HPから引用)

 とされている。そのため、ジェッツのブースターたちは「搭乗員」としてチームを後押しすることとなる。

 そして、今回僕が観に行った横浜ビー・コルセアーズのモチーフは「海賊」だ。

一般公募により寄せられたチーム名、総計455案を基に制作。皆さんがチーム名に込めてくださった熱い思いを結集し、「B-CORSAIRS」と名付けられました。
B:Blue, Black Ships, Blues, Bay, Big, Basketball
C:Claps, Cradle, Chronos
O:Ocean, Oleada
R:Red Shoes, Rainbow, Royal,Roses, Rex
S:Sea, Sun, Sky, Star, Shark
A:Anchor, Aqua, Azurs
I :International, Illusion, Imagine
CORSAIRSは海賊達、海賊船団という意味です。

(横浜ビー・コルセアーズHPから引用)

 すなわち、ビー・コルセアーズのブースターたちは「海賊達」となるのである。そのため、マッチデープログラムにも「海賊」という文字が入っている。

 こういう「モチーフ」や「チームコンセプト」と言ったモノは、なかなかサッカーチームには無い。このようなクラブの考え方は面白いと感じた。

Jには出せないBリーグならではの応援

 Jリーグは主に野外にあるスタジアムで行なわれる。コンサドーレ札幌や大分トリニータなど、ドーム式のスタジアムを本拠地とするクラブもあるが、これは極めて稀である。
 一方のバスケは、体育館といった室内で行なわれる。上空は屋根に覆われているため、音が大きく反響するのが特徴的だ。この、「音の反響」を利用した応援ががバスケならではだと感じた。
 入場をすると、応援用の「ハリセン」が無料で配布される。

 これを山折り、谷折りの順で折っていくとハリセンが出来上がるのだ。このハリセンで人の頭を叩く…のでは無く、手で叩くことによって大きな音が出る。ブースターたちは、これで選手を後押ししていく。
 また、バスケは展開が速く、攻守が目まぐるしく変わるスポーツだ。そのため、サッカーで言う「チャント」のような長いフレーズの歌は無い。基本は「コール」とハリセンを用いた「拍子」で応援が成り立つのも特徴だ。
 長年サッカーの試合を観てきた僕からしてみれば、「これで応援が成り立つのか?」という部分で少々疑問を抱いた。しかし、ボルテージが高まれば高まるほど、応援の凄さを肌で感じることができた。会場が一体となってハリセンを叩き、ブースター達が好きなチームの愛称を叫ぶ。体育館の屋根に反響し、大きな音と共に会場一体に響き渡る。体育館という会場を最大限に活かした応援方法に正直驚いた。拡声器に太鼓やラッパやスネアドラムを使わずとも、これだけの音が出せる。これは、Jリーグではなかなか出来ない体験だったに違いない。

 Jには出せないBリーグならではの演出

 近年、Jリーグでも新しい演出に力を入れているクラブがある。横浜FMのその1つであり、ナイトゲームの際には選手紹介時に暗転して手持ちのリングを光らせる演出がある。
 しかし、Bリーグでは体育館という室内のため、暗転がいつでも可能だ。それに加え、プロジェクションマッピングを用いることができる。選手入場シーンやダンスによる前座などもこれが使われる。さらに、アーティストが歌を歌えば音楽ライブさながらの演出も楽しめるのである。

 ビー・コルセアーズのテーマソングを歌うEyes’さんと、公式チアリーディングチームのBーROSEによるライブが試合前とハーフタイム(第2クォーターと第3クォーターの間)に行なわれた。
 この演出によって、バスケの試合会場がライブ会場へと様変わり。Jリーグも「フライデーナイトJリーグ」で、アーティストをスタジアムに招いて歌を披露してもらうが、ここまで光を駆使したライブのような雰囲気は出せない。これも体育館で行なうバスケならではの醍醐味なのかもしれない。

△ライブ映像はコチラ。実際もこのような雰囲気でした。

 また、選手入場もJリーグとは違い光を存分に使用していた。下の画像を見て貰えば分かる通り、このような演出は野外で行なうスポーツではなかなかマネが出来ない。こういう演出を見るだけでも、Bリーグに足を運ぶ価値はあると思う。

まとめ

 今回Bリーグを観に行ったのも、大学の友人から誘われたからである。ライターを目指す中で、色々なスポーツに触れておくのも悪くないと思ったため、「連れてって欲しい」と頼んだのだ。
 そして、実際に現地で観戦すると、Bリーグが人気を博している理由が伝わってきた。これまでにはない演出と一体感ある応援。創設2年目でここまで出来上がった環境はなかなか無いと感じた。

 試合も白熱した展開であり、バスケならではのスピーディーな展開に終始興奮を覚えた。隣で友人が解説をしてくれるため、バスケのルールを理解しながら試合観戦に集中することが出来たのだ。素人だと「今何が起こったの?」と疑問が生まれるため、バスケに詳しい人と一緒に行くと楽しさが倍増するので、是非とも勧めたい。

 これまで僕の中で、トントンだった他のスポーツだが、もし今「サッカー以外で好きなスポーツは?」と聴かれたとき「バスケットボール」と真っ先に答えるだろう。そのぐらい、Bリーグは人々の心を揺れ動かす新たな日本のスポーツ文化になるかもしれない。

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