Seiji Bito

東京で働く総合医。ハロペリドールズのボーカル。ニューオーダーとクレーと筒井康隆とフェリーニが好き。ブドウはジンファンデルとメンシアが好き。そのほかのキーワード:相対性理論、青葉市子、メトロノミー、ラム酒、ベイズ統計、行動経済学、Nonviolent Communication

1人の人が起こした1つの事件をあるクラスタの特性が原因とみなすことについて

今日たまたま昼のワイドショー的なテレビ番組をご飯を食べながらつけていたのですが、そこでコメンテーターの皆さんが語っている「前提」に対して「ちょ、どうしてその前提???」とびっくりしてしまいました。先日起きた川崎登戸での殺傷事件についての話題だったのですが、テレビでいろんなことを話している人たちのだれもが前提として「犯人は引きこもりだった。引きこもりがこの事件の原因だった。だから、引きこもりを生む社

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「悪いこと」と「悪い奴」の判断基準

<断末魔エンタメとしての“つるし上げ → 謝罪”>

 最近のテレビは「あいつが悪いことをした。だから悪い奴である。悪い奴ををみんなでこらしめよう。そして謝らせて辞任させよう」という「エンターテイメント」で食っている気がします。次から次へと「悪いことをした人」を見つけてきてはとっちめているのですが、もはや一部の人たち(正義依存症の人たち)を除いてこの「悪い奴たたき」も食傷気味になってきました。それ

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「New Order (based on) Harmony」の時代としての「令和」、そしてその象徴としてのピエール瀧にまつわる騒動について

新元号「令和」は、その響きが音楽的で心地よいです。そして、自分がずっと考えていたこれからの世界の在り方を明確に表現している言葉であると気が付きびっくりしています。

 もっともその解釈にバリエーションがあるのは「令」という文字なのだと思います。「令和」に批判的な意見を持っている人たちは「令」を「コンプライアンス」と解釈していることが多いようです。そこから「国民全体が一つの命令や号令に従うことをイメ

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[ボヘミアン・ラプソディ]感想 「変態」とは、自己を見出し開放すること

皆さんの評判を聞いて「ボヘミアン・ラプソディ」見てきました。
最初にすいません。本投稿内容は「この映画の芯はフレディが”変態”していく=自分を見つけ開放していくをプロセスである」という内容でして、それがLGBT差別だと認識される方が多少いるかもしれませんがその意図はないつもりです。

フレディ・マーキュリーとクイーンのことが大好きな人が丁寧に作った映画。そして、クイーンの歴史を知っているコアなファ

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ルールとは、基本的に理不尽であるべきである

先日熊田曜子さんが児童館の入館を断られたことについてブログで紹介し、それがいろいろな物議をかもしていました。いくつかの切り口はあったかと思いましたが、印象的だったのは、熊田さん当人は「ちゃんと下調べしておくんだった。自己反省」というニュアンスで書いたブログが、なんだか思わぬ方向に議論が飛び火し、あたかも熊田さんが「入れてもらえなんて。プンプン!」てなってる的な解釈にされちゃってるところはちょっとび

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プロフェッショナルであることと、アマチュアであること ――平成の最後に投下された爆弾「カメラを止めるな」の地味なレビュー――

異例の大ヒットとなっている「カメラを止めるな」。オレ自身も腰を抜かしました。こんなに面白い娯楽映像作品はこの10年さかのぼってもなかったし、平成の最後に投下されたどでかい爆弾でした。

ただ、おそらくこの映画の持つ映画ならではの構造の工夫や映画愛については多くのレビューアーが熱く語ると思います。この投稿ではこの映画の持っている構造としてのすごさには触れず、この映画に流れるテーマである「プロフェッシ

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