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M-1グランプリ一回戦に落ちたので、僕の「言い訳」をまとめてみた

今週の日曜日にM-1グランプリ一回戦があり、敗退しました。昨年は通過したので、「今年もいけるな」と思っていたら、まさかの敗退で普通に凹みました。

そんな中、会社の同僚から渡された、ナイツ塙さんの著書『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』を読み、あまりにも面白かったので自戒の意を込めて、一回戦敗退の言い訳をまとめてみました。

今年、もう別のコンビで出るので、そこで勝てるようにちゃんと内省しておきます。

自己紹介

僕を知らない方もいると思うので、簡単に自己紹介を

- 滋賀県出身。大学時代にもM-1に出たことあり

- 普段は五反田のIT企業で働いている

- 趣味として、シモ方漫才協会という団体で不定期に草漫才をやっている

- M-1出場は2017年から(アマチュアとして)

- 過去の戦績は

2017年:一回戦敗退(だるま親分)

2018年:二回戦敗退(初恋)

です。

なぜ書こうと思ったか

2017年の敗退を踏まえ、分析に分析を重ねて2018年の一回戦通過をしました。個人的には、この時点で、M-1一回戦を通過するためのポイントをメソッド化でき、調子に乗っていました。

そこを9月1日の一回戦でボッコボコにされ、自分の「漫才」という競技への認識がアップデートされたので、それを言語化しておこう。という試みです。

あと、さっきナイツ塙さんの著書『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』を読んで、感化されたのが大きいです。

なぜ2018年は一回戦を通過できたか?

2017年の敗退を踏まえ、分析に分析を重ねて2018年の一回戦通過をしました。個人的には、この時点で、M-1一回戦を通過するためのポイントをメソッド化でき、調子に乗っていました。

先ほど、偉そうにこんなことを書いてますが、なぜ去年は一回戦を通過できたのかを振り返ります。

まず、前提として、M-1はアマチュア(素人)が多く出場します。

土日の出場枠を見ると、8~9割がアマチュアです。で、そのアマチュアの8~9割が一回戦で敗退して消えていきます。

二回戦に行くとアマチュアはほとんど消えており、8割近くがプロの芸人さんになります。

では、受かるアマチュアと落ちるアマチュアには、どこに違いがあるか?

一回戦を見に行くと、違いは顕著です。一回戦は2分間というめちゃくちゃ短いネタ時間なのですが、開始の10秒くらいで「あ、これ受かるな」というのが一目でわかります。

基本、一回戦の合格ラインはプロの芸人さんに合わせているので、単純に「ネタの完成度が低い」コンビは落ちて行くんだと思います。

2017年の敗退の時にはこのことに気づいておらず、その後M-1の一回戦を分析し、下記の要素が完成度の構成要素と仮説を置いて2018年にM-1に挑みました。

- ネタをとちらない

- 脚本以外の要素(衣装、発声の仕方、身振り手振り)でコンセプトをつたえている

- やりとりに無駄がなく、2分間の掛け合い全てが「ボケ」か「フリ」になっている

なので、ネタを作る際には大枠の「おかしさのコンセプト」を設定し、そこを限られた時間で伝えきるかにこだわり、無事通過しました。

二回戦はネタをトチって評価の土台にすら乗れていませんでしたが・・・

なぜ今年は一回戦で敗退をしたのか?

で、完全に調子に乗って昨年と大きくネタを変えずに挑みました。

というか、この一年はいろんなところでネタを披露する機会に恵まれたので、いいとこどりをして、「自分的には」去年よりもいいネタを提げて挑みました。

実際にネタが終わった直後も昨年と同じくらいのウケだったと認識してます。

にも関わらず、なぜ敗退したのか?考えれば考えるほど、自分自身の仕事上の課題にも繋がるような気がして、辛い反省ですが、あえて赤裸々に記載します。

敗退要因1.直前のコンビがプロのコンビのため、「真の実力」が露呈した

昨年の通過した一回戦はその日の5番目という、会場が全然あったまっていないタイミングでのネタでした。

それに比べ、今年はその日の中盤。しかも、直前のプロのコンビ、自分たちの二つあとのコンビから3組連続で通過しています。

前回はアマチュアが続く中で、アマチュアの割に完成度が高いネタが出てきたので、相対的に高く評価をされたのではないかな?と思います。実際に、その日のコンビでは1組目の合格者です。

一方、今回は直前に実力で笑いを取ったコンビがいたので、露骨に実力を問われる、力勝負で負けてしまったのではないかな。と思っています。

敗退要因2.力勝負で勝ち切るパワーを持っていなかった

力勝負になった際に、本当に実力があれば、パワーで押し切れたと思うのですが、それはパワーがなかったんだと思います。

パワーというと非常に抽象的ですが、言い換えると「自分たちのネタが抜群に面白い」という確信と「俺らが考えてきたネタ最高に面白いから、前のコンビ忘れて笑おうぜ!」という圧ではないかな。と思ってます。

振り返ると、過去に自分がセールスをしていた時もそこに疑念が混ざると、渾身のクロージングができないことが多々ありました・・・。(自分の中で確信が持てると売れるということはセールスとしては問題があると思い、その後カスタマーサクセスに転身しました)

敗退要因3.漫才の本質である、「笑ってほしい/ウケたい」を忘れて、ネタをやることに没頭していた

そして少し矛盾するようですが、ネタを仕上げすぎたことで逆に面白くなくなったのではないかな。と思ってもいます。(この辺りは言い訳でも書かれていますが)

ツッコミは、観客の気持ちの代弁的な機能もあるので、仕上がりすぎているネタは観客の気持ちを代弁し切れない可能性があるのではないかな。と思っています。

自慢ではないですが、日常の会話ではかなり面白いと言われることが多いです。一方で、ネタではその面白さが出ていない。と言われることも多々あります。

いままで、この要因を言語化できていなかったのですが、この辺りの「自然な振り回され感」と「即興感」が出ていないことが要因かもしれません。

終わりに

ということで、内省も済んだので、あとは二組目での一回戦を待つだけです。今度は上記の敗退要因を踏まえて、仮説検証に挑みたいと思います。

その前哨戦として、下記のライブに出ますので、暇な方はお越しください!
僕よりも断然面白い、社会人漫才師がたくさん出ます!


大した文才もないくせにプライドだけはいっちょまえなので、たまにしか書きませんが読んでくださいませ。