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世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事

津川 友介 / 著

UCLA助教授・医師が教える、一流のビジネスパーソンが知っておくべき「体に良い食べ物」

ビジネスの第一線を走る人に共通することは、自己管理能力の高さ。特に食事による健康管理は、仕事のパフォーマンス向上のために必要不可欠です。

今日から食生活に気をつけることで、将来起こりうる病気による仕事のブランクを避けられるかもしれません。

この記事では、津川友介・著『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』から、科学的に証明された「体に良い食べ物」や食事において重視すべきポイントについてお伝えします。

科学的に証明された「体に良い食べ物」とは

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ネットには、健康的な食事についての情報があふれています。果たして情報のエビデンスレベルはいかほどでしょうか。せっかく健康意識が高くても、誤った情報を信じて健康を損ねては本末転倒です。

それでは、健康な体づくりの観点からエビデンスが確かな「体に良い食べ物」について見ていきましょう。

オリーブオイル・ナッツ類
オリーブオイルやナッツ類は、脳卒中や心筋梗塞、がんのリスクを下げることが明らかになっています。

マーガリンやバターは体に悪いため、代わりにオリーブオイルを積極的に摂取しましょう。間食には、ミックスナッツがおすすめです。


魚を食べると、心筋梗塞など動脈硬化のために起こる病気のリスクを下げることができます。がんの予防に関しては、乳がんや大腸がん、肺がんのリスクを下げると報告されています。魚は、少量でも毎週コツコツ食べることをおすすめします。

魚には水銀やPCB(ポリ塩化ビフェニル)などの有害物質が含まれていると心配な人もいるでしょう。

水銀は、大量摂取すると子どもや胎児の脳の発達に影響が出ると言われています。しかし、魚に含まれている程度の少量の水銀摂取に対しては過度な心配はいりません。PCBについては、肉や牛乳、卵などにも含まれているため、あえて魚を避ける必要はないとされています。

野菜・果物
野菜・果物は健康へのメリットが大きく、心筋梗塞や脳卒中のリスクを減らします。重要なのは、ジュースやピューレなどの加工品は含まないことです。加工されていない野菜と果物を食べるようにしましょう。野菜は生野菜である必要はなく、ゆで野菜でも構いません。

また、果物を食べると糖尿病のリスクを下げることができます。特に、ブルーベリーやブドウを食べている人ほど糖尿病のリスクが低いことがわかっています。

ただし、果物を食べる代わりにフルーツジュースを飲むのは避けましょう。フルーツジュースを多く飲んでいる人ほど糖尿病のリスクが高いことがわかっています。

毎日何気なく食べている○○も実は「体に悪い食べ物」だった

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いくら体に良い食べ物を取り入れても、体に悪い食べ物を多く食べていると健康を害してしまう可能性があります。体に悪い食べ物についても知っておきましょう。

白米
白米は、糖尿病のリスクを上げます。白米だけではなく、うどん、パスタ、白いパンなど、精製された炭水化物は体に良くありません。血糖値を上げ、脳卒中や心筋梗塞などの動脈硬化による病気のリスクを高めます。

もちろん全ての炭水化物が悪者というわけではありません。玄米、そば、全粒粉を使った茶色いパンなど、「茶色い炭水化物」は死亡率を下げ、動脈硬化をはじめとする数々の病気を予防します。食物繊維や栄養を多く含むため、肥満のリスクも下げることがわかっています。

特に家族に糖尿病の患者さんがいる人は、白米の代わりに玄米を選ぶ、サラダを主食にするなどして、日頃から白米の摂取量を減らすことが重要です。

ランチで玄米やそばを選ぶと、血糖値の上昇が緩やかになるため午後の眠気対策にもつながります。多忙なビジネスパーソンほど、炭水化物選びには気を配りましょう。

牛肉・豚肉・加工肉
WHO(世界保健機関)の外部組織でがんの研究を行う国際がん研究機関は、「加工肉は発がん性があり、赤い肉はおそらく発がん性がある」と発表しています。ハムやソーセージ、ベーコンなどが代表的な加工肉です。赤い肉とは、牛肉や豚肉などの見た目が赤い肉を指します。

赤い肉や加工肉の摂取量が多いと、がんの中でも「結腸がん」のリスクが高くなります。特に加工肉は体に悪く、摂取量が増えるほど以下の死亡率が上がることが明らかになっています。

全死亡率(死因別ではない全体の死亡率)
動脈硬化による死亡率(脳卒中や心筋梗塞など)
がんによる死亡率

仕事が波に乗っているときにがん宣告を受けたら、生活が一変することは自明です。加工肉は極力減らし、代わりに魚や鶏肉を食べるようにしましょう。

ちまたで体に良いと言われるその食事法、本当に健康?

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健康的な食事をしていると自信を持っていても、誤った健康法を実践している可能性があります。

グルテンフリー
グルテンフリーとは、小麦や大麦に含まれるたんぱく質の一種であるグルテンを抜いた食事のことです。健康やダイエットへの効果に関して、エビデンスはありません。

グルテンフリーは、もともと「セリアック病」というグルテンによって下痢を起こす人用に開発された食事法です。セリアック病ではない人は、グルテンフリーにする必要はありません。

日本食
日本食の問題点は、白い炭水化物と塩分の量が多いことです。体に悪い油をあまり使っていない点では、健康的かもしれません。しかし、白い炭水化物と塩分の量は、欧米の食事より日本食のほうが多いのです。

白い炭水化物のリスクについては前述した通りです。玄米や蕎麦など、茶色い炭水化物を摂るようにしましょう。

塩分の過剰摂取の問題点は、血圧が高くなるため心筋梗塞や脳卒中のリスクが上昇する点です。塩分は控えめにして、余分な塩分を排出する作用のあるカリウムが豊富な野菜や果物を意識的に摂りましょう。例えば、ほうれん草やパセリ、里芋、アボカド、バナナ、キウイなどです。

ただし、腎臓が悪い人の場合は、カリウムを摂りすぎると不整脈につながるため、かかりつけの医師に相談してください。

オーガニック食材
オーガニック食材とは、いわゆる有機栽培によって生産された食材のことです。一般の食材と比べて、栄養価や病原性大腸菌に汚染されている確率などに差はありません。

オーガニック食材のメリットとして、残留農薬が若干少ない点が挙げられます。しかし、一般の食材でも残留農薬の量は許容摂取量よりも低く、健康被害を起こすレベルではありません。全ての食品をオーガニックにする必要はないでしょう。

イチゴやほうれん草など、残留農薬が多い食材だけオーガニックにするなど、使い分けをすると賢明です。

また、オーガニック食材において、冬場の肉はカンピロバクターによる食中毒を起こすリスクが高いため注意しましょう。

どれほど多忙でも選ぶ食品を重視せよ

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ポイントは「成分」に惑わされないこと

「食品」を選ぶ際は、「成分」に惑わされないようにしましょう。例えば、緑黄色野菜は病気のリスクを下げます。しかし、緑黄色野菜に含まれる「βカロテン」をサプリメントなどで摂取すると肺がんのリスクが上昇することがわかっています。アルコールを飲む人にとっては、脳出血のリスクが高くなる可能性も指摘されています。

「成分は、多くの消費者の興味を惹きつけるためマーケティングに使われている」ということを忘れてはいけません。食事の際は、成分ではなく食品を重視しましょう。

食事は仕事のパフォーマンスに直結。今日から食事の見直しを

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体が重い、眠い、貧血気味で仕事にならない。あなたのパフォーマンスが上がらないのは、食事が原因かもしれません。

ビジネスにおいて、自分の健康管理は基本中の基本です。「体に良い食べ物」を意識的に摂取して、ベストコンディションを保ちましょう。

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<監修>

津川友介(つがわゆうすけ)
UCLA医学部・医療政策学部 助教授(医療政策学者、医師)、日本医療政策機構理事。ハーバード大学PhD。 著書: 10万部突破の『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』、 2017年の「ベスト経済書」第1位『原因と結果の経済学』。

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