会社の仕事を作り直す方法(Chapter2-2)

2 “本質”からズレて行く

モノには“本質”がある。だけれども、たいていの場合、“本質”なんて気にしてモノを使っているわけではありません。そんなことをいちいち考えていたら、使うのが面倒になるし、知らなくても使えればそれでいいでしょう。
 
ネクタイのように、時間が経ち、人が伝え、使われる状況が変われば“本質”は忘れ去られて行きます。もし、“本質”と違う使われ方をしていたとしても、今が当たり前だと思っているのですから疑問には思いません。むしろ、“本質”を知らなくても使えてしまうので、知っている必要さえもない。

みんながやっているから。周りの人たちがそうしているから。そして、世間一般や、マスコミが情報を与えるから、与えられるままに使っているのではないでしょうか。
 
実は、モノは、放っておくと“本質”からズレていってしまいます。ズレるというのは、もともと持っていたそのモノの「存在理由(どうして、そのモノがあるのか)」や「活用目的(何のために、そのモノを使うのか)」からは違ってきてしまうということです。
 
先に登場した洋式トイレのふた。今では、水を流したときに菌やウイルスの飛沫を防ぐとか、便座を温めるときに節電になるとか、いろいろと使い方が言われていますが、洋式トイレにふたが無くてもちゃんと機能を果たしてくれるので、後付けの目的でしかありません。

そもそも、無くても誰も困らない洋式トイレのふたに、“本質”はありません。あえて言うなら、欧米人が、バスルームにあった便座に座るためなのでしょうが、最近の洋式トイレのふたは座ったら壊れてしまいそうですし、少々“本質”からズレていってしまったようです。
 
つづく
 

このブログは、弊社発行の小冊子『社員力を100%活かすための 会社の仕事を作り直す方法』を再構成しています。

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