「すごいメモ。」

コピーライターの著者が自らの経験に基づいて書いた、仕事のパフォーマンス向上に繋がるメモ術をまとめ。
自分の仕事経験の中でも、自然とわかりやすいメモを作るノウハウはできていて、この本では新たな発見というより答え合わせができた感じ。

情報を整理するための「まとメモ」、アイデアを生み出す「つくメモ」、シンプルに人に伝えるための「つたメモ」にメモを分類して、それぞれのメモに役立つ方法論を展開。

【まとメモ】
記号と吹き出しでメモの内容にメリハリをつけて、視覚的に情報が捉えやすくする工夫。使う記号こそ違うものの、この辺りは元々メモ魔の自分にとってはすでに実践済みのことが多数。

アイデアを生み出すヒントになりそうな情報に○印をつける、ごくシンプルな作業からスタート。
・「重要そう」でも、どこかに書いてあることに記号を付けない
・忘れてしまいそうなことに記号でメリハリ(思いついたアイデア、後で調べたいこと 等)
・「なぜ?」という最初のシンプルな疑問は、本質的な課題の可能性があり○印でマーク

次に、因果関係や前後関係など、関連する情報同士を「→」で繋いで、順序性・論理展開・依存関係のカラクリを視覚化する。

あとは、複数の記号で情報の種類を整理。
・「VS」 これとこれは競合するもの
・「?」 ここはわからない、答えを探そう
・「○・×」 これは正しい、間違い
・「☆」 特に重要!
・「⇔」 対比して考えるべし

まとメモの仕上げは、未来の自分への指示となる情報を「吹き出し」で書き加えること。
書いたときは記憶もフレッシュだけど、時間とともにメモの鮮度も落ちて腐っていくので、メモをおいしく料理するための下ごしらえがこの吹き出し。そして、メモを書いたときに次のアクションを明確にしておくことで、振り返って何度も「何するんだっけ?」を考える非効率も解消に。
吹き出しは、「起点ポイント(ここから考える)」、「確認ポイント(ここを解明)」、「重点ポイント(ここを伸ばす!)」という観点で。

【つくメモ】
まず重要なポイントは、考えるゴールとなる「ハードル」を設定すること。
例えば、「それは本当に30代女性に売れるのか?」とか。確かに、ただ「収益を上げろ」と言われても漠然としていて考えにくいが、明確なターゲットを決めることで、アイデアも具体的で実現性のあるものが考えやすくなる。
この「超えるべき目標」があることで、検討の方向性がわかり、アイデアの良し悪しを判断する基準もできる。

この本の一番の発見は、アイデアを生み出す「三角発想法」。
モノ・情報の送り手(企業・商品)から、実現できること・提供できる価値を発想する。
モノ・情報の受け手(消費者・社会)から、求めること・好きなこと・不満に思うことを発想する。
その2つの発想で重なり合う部分が、送り手と受け手が共感するポイントで、そこを突き詰めて価値提供をしていくという発想法。

これは、解決してほしい課題・不満から発想することもできるし、世の中のトレンドから何が受け入れられるか・求められているかという観点からも発想できる。
「プロダクトアウト」の時代から、「マーケットイン」や「カスタマーイン」の時代にと言われて久しく、視点としてはその潮流と同じことをと言っているけど、あらためて思考法の棚卸ができた感じ。

あとは、「あまのじゃくメモ」の視点も好き。
これは正攻法でラチがあかないときは、逆から発想してみるというもの。
「自社がやるべきこと」じゃなく「競合が最も嫌がること」とか、あえてタブーとされていた領域に踏み込んでアイデアを考えてみるとか。
この発想で成功しているのが、「くまモン」。キャラクタービジネスは利用料で稼ぐところを、あえて版権フリーで広く利用させることで、結果的には多くの商品に利用されて、熊本県のPRにも繋がった成功例。

【つたメモ】
わかりやすい見出しを付けて関心を引く、物事の構造をビジュアルで表現する図を活用して、直感的に理解させるという基本テクに加え、スピーチメモに工夫あり。

よく新書のタイトルには人の関心を引く工夫が織り込まれていて、スピーチで人を振り向かせ、話に引き込むために活用できるという。
 「君は○○を知っているか?」
 「なぜ、○○は売れるのか?」
 「○○の好感度は9割」
 「○○が実践する10の習慣」
 「東大生だけが知っている○○の活用法」
 「○○は本当に未来を豊かにするか?」
こんな1行タイトルを用意してスピーチに臨めば、聞き手と同じスタンスで疑問を解決しながら話に引き込んでいけると。

全体を通じて、アイデア発想の部分に一番面白味があり、著者のようなクリエイターに限らず、自社やクライアントの問題解決に取り組む様々なビジネスパーソンがちょっとしたヒントがありそう。
ゆるーく書かれているので、活用の仕方もゆるーく自分なりのアレンジをすることが大切。

「すごいメモ。」 小西 利行 ★★☆☆☆

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ユウ

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