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創刊

 スポーツナビから依頼を受けた『スティーブン・フルトンvs.井上尚弥特集』の井上パート原稿を書き上げて送ったのが7月15日。翌日、脱力していたところへ、ライターの加茂佳子さんからの連絡があった。
 1年前から温めていて(沸騰しすぎて爆発寸前までいきながら、何度も鎮火…)様々に形を変えながら、でも細々と続いていたWEBマガジン構想についてだ。

『ボクシング・マガジン』が休刊となり、社内有志の「WEBリニューアル計画」を受けて、現行WEBを続けた。WEBに関しては「編集業務の一環」とのことで、それまでも無報酬だったが、そこは継続。つまり、“持ち出し”状態、働けば働いた分、出費していくだけという状態。それを数名のライターやカメラマンにも強いるという日々が続いた。でも、「近いうちに実現するだろうリニューアル」を信じて。心苦しかったものの皆を諭して。だが……。
 これ以上はドロドロの話になってしまうので書かない。

 計画が頓挫したことで、WEB編集部として声をかけていた7人のチームはみんなの生活もあるからいったん解体。その後は加茂さんとふたりでいろいろな方のお知恵やコネクションを頼り、たくさんの方のご尽力をいただき、かなり計画が進行していたものの、最終的には、「身の丈に合ったものに」というわれわれのわがままで、振り出しに戻ったという次第。でも、1からというより0からの再出発は、何からどう手をつけたらよいのかさっぱりわからず、個人的な事情もあって、洞穴に潜りこんでしまった。

 加茂さんがロサンゼルス在住のライター、宮田有理子さんと自前のWEB作り構想を進めてくれていたと知ったのは、加茂さんと久しぶりに連絡を取ったその日のこと。そこからあれよあれよと話が進み、翌17日におよそ1週間後に迫るフルトンvs.井上尚弥事前特集で開幕!という話に決まった。

 2日で尚弥原稿を書き、1日で別立て原稿を書き、佐藤洋太くん、小國以載くん、矢吹正道くんに偶然1日内で電話取材でき、その次の日にコメントをまとめた。坂本英生くんの話は、九州のライター西村華江さん(彼女にも、だいぶいろいろと奔走していただいた)にお願いして、これもすぐに原稿が来た。
 そんなこんなして、加茂さん、宮田さんの作業も含め、1週間でゼロから立ち上がった。ページ編集は現行、宮田さんしかできない状態なので、彼女は本当に不眠不休だったはず。

 ボクシング・マガジンWEBや私のこのnoteにも、ノーギャラで写真提供をしてくれていた山口裕朗くんをメインカメラマンに、小さな所帯でのスタート。いろいろなものが整ったら、気骨ある書き手のみなさんにお願いすることもあるだろうと思う。

 まだまだ生活は苦しい。まともにできていない。もう、一発逆転を狙うのみ。冗談抜きに、ゾウ・シミンに挑んだ木村翔くんと同じ状態だと自分で思う。

 でも、必ずやってみせる。

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