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【日記】51/2023年1月8日(日)

※写真=こんな小さなUSBひとつに、何でもかんでも収まってしまう。便利だけど、何だかとっても虚しく感じるのはワタシだけ?

 アラームをかけなかったものの6時前に起床。いよいよ「待ったなし」の1日を思い武者震い。この追い詰められた感覚が苦しいとともに懐かしい。

 考える。そしてキーボードを叩く。1文字打っちゃ止まり、一文書いてはまた止まって、頭から読み返す。ダダダダっと何行も一気に書けることもあるが、基本的にはじりじりと、少しずつ進んでいく牛歩のようなかたち。1文字1文字を、牛のお乳を搾りだすように。なぜだか完全に牛に憑りつかれた状態だなオレ。牛肉を想いすぎなのだろうか。

 ワシントンDCのPBC興行がある。見たい、観たい、視たい……。しかし、前々日のように、テレビの前に釘づけになることだけは、今日は絶対に許されない。中継はWOWOWオンデマンドだけかと思ったら、PBCと契約しているU-NEXTでもちゃんと配信してくれるらしい。何といってもライブが最高だが、今回ばかりはひと段落してからの後追い観戦を決意。
 U-NEXTの解説はこれまで小國以載(元IBF世界スーパーバンタム級チャンピオン)が務めてきたが、ページには伊藤雅雪(元WBO世界スーパーフェザー級チャンピオン)の表示。小國くんの解説、好きなんだけどなぁ。でも、伊藤くんも話が達者なのでそれはそれで楽しみだけど。TBプロモーション代表として、彼自身も海外の試合をたくさん見ておくのは大切だろう。

 昼過ぎ、ようやく第1稿を書き終えて先様に送信。すると「本間さんの“思い入れ”を+10行で追記してほしい」という要望の返信が来た。それはこっちとしても願ったり叶ったりなので喜んで。
 先方は本当に1分1秒も惜しい状態(長年の経験者なのでわかる)にもかかわらず、今日のPBC興行やら先日の3150FIGHTなどについての雑談に付き合わせてしまった。

 15時過ぎだったかな。もう、とうに終わっていると思っていたワシントン興行がまだ続いていると聞いたので、WOWOWオンデマンドを覗いてみる。ジャーボンテ・デービス(アメリカ)対エクトル・ルイス・ガルシア(ドミニカ共和国)の3ラウンドが始まるところだった。
 デービスの“ワン”を着実に外してからのガルシアのリターン攻撃がハマっている。デービスとの距離キープが巧い。両者の前足(サウスポー同士だから右足)の使い方がおもしろい。
 これはデービス危うしか、というタイミング連発だったが、それも4ラウンド中盤まで。長谷川穂積も指摘していた(さすが!)が、ほんのわずか(おそらく数センチ)デービスが距離を縮めていたのだ。それまではその分スッと下がって等間隔をキープできていたガルシアが、対応できなくなり始めている……って、書き始めたら、いつもの「批評」になってしまうので、ライブじゃないけど後日、ちゃんとまとめることにする。
 4ラウンド中盤からのデービスの転換、変化、天才性噴出。敗れたけどガルシアの素晴らしさ。それだけは書いておこう。

 単純に「10行追加」というわけにはいかない。たったそれだけでも、たったそれだけじゃないのだ。そこは先様ももちろんわかっているので「今日中で」というリクエスト。書く、削る、書き直す、削る。原稿全体をいじくりこねくり回して、指定の行数に収めて再送信。何とかOKを貰うことができた。

 しかしこの一連の作業、このやり取りを、昔は原稿用紙でやっていたんだよな。かろうじて、FAXでのやり取りからは味わっているのだが、それだって今から考えればかなりの手間がかかっていた。それを実際に、書き手の作業場に行ったり来たりやっていたんだからね。
 あらためて、先人の方々の凄さを実感。そして、時代の進化のありがたみを痛感。でも、どうしてもそこに甘えてしまうのが、人間の悲しくも愚かな性……。

 さあ、次はいっそう気合を入れてやらなければいけない大物原稿だ。この段階から構想を練るというのも堕落しているが、その準備に取りかかる。

 で、その合間を縫って食材を買いに行ったり、うっかり見逃してしまいそうになっていたNHK『サンデースポーツ』を観たり、NHK BSプレミアム『The Covers』を慌てて録画セット(HDの容量が一杯で危うく録り逃がしかけた)したり。久しぶりの落合博満の新コーナー、そして世良公則。
 相変わらずの落合節、そして齢を重ねるごとに迫力も深みも増している世良さん、短い時間だったけど疲れた体と頭を癒してもらえた。ヨッチャン(野村義男)とのコンビはこっちまで楽しくなってくるよなぁ。リリーさん(フランキー)の反応も絶妙だったなぁ。こういう、好きな人と好きな人の交わり、何とも言えない嬉しい瞬間だよね。
 変わらず楽しむ。その裏には絶え間ない努力があるのだけれども。「続けること」の尊さをあらためて。

 そんなこんなで51歳の誕生日が終わる。「51」って何だか好きな数字だな。何てったってイチロー、そして前田智徳&鈴木誠也が最初に背負っていた番号だ。オレもルーキーになったつもりで、この1年を頑張ろう。乗り切ろう。乗り越えよう。

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