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誘拐されそうになった話

今回は
【人生で1番怖かった記憶】の話をします

※あの日はこの写真ののどかな風景が地獄に見えました

ここ1年くらい失踪/行方不明系などのYouTubeを見まくった

非常に興味深いと感じた

「何故だろう?」と自分に問いかけたら
中学1年の時に誘拐されそうになった記憶が蘇ってきた

昔はこんな話をしても「はぁ〜?」って笑われたり
「思い込みだよ」と諭されるばかりで
100人に1人くらいしか信じてくれなかった
(その1人さえ本当に信じていたか怪しい)

どれだけ色々な人に話しても
ほんの数人しか興味すらも持ってくれず
親や友達も俺が狂ったとしか思っていなかったから
身近に理解者は誰もいなかった

今はネットで情報をあさっている人もいるから
100人中5人位は信じてくれるかもな…

中学に入ってすぐ不登校になった私は
毎晩終電近くまでフラフラしていて
帰りの方面の電車はいつも
ひとつの車両にゼロから数人しか乗車している人はいなかった

ある日いつものように終電間際のガラガラの電車に乗った

いかにも怪しそうな風貌の中年男性が連結部分にいる

何か変だと思い
小さい頃から得意だった《目頭》と言うんだろうか?
目の眉間に近い端の部分から
目を閉じていても周りが見える特技を使い
寝たふりをしながら逆の連結部分を見たら
もう一人の中年男性が反対側にいる連結部分にいる男に手でサインを送っている

その数秒後、2人の男はハサミ打ちするような形で車両に入って来た

私が目を開けて周りを見る動作をすると
さっきまでサインを送り合っていた2人は
いきなりお互いを知らないフリをする

そして別々に近くの座席に座った

これは本当におかしいと思い心臓が飛び出しそうになった

片方のハンチング帽にメガネの男は右隣

ポマードべったりの七三分けの小太りで長身の男は
11時の方向にいて
私が目を閉じると(目頭から見えている)と
再びハンチング帽男に向けて「行け行け」みたいに顔をフリながら目配せをしている

そして私がまた目を開けると
その度に2人は知らない者同士のフリをするのだ

更に奇妙な事に
小太りの長身男は革ジャンポケットから両手を絶対に出さないのだが
その革ジャンのお腹部分は不自然に大きく膨らんでいて、中に絶対に何かが入っているのだ

いよいよ小太り長身男が席をたち
「すみません」と言いながら隣に座ってこようとした

いま思い出しても本当に悪寒がする

その瞬間私は全力で逃げた

隣の車両に逃げたのが先か
1回停車して扉が開いたので
某駅のホームに出たが
どっちが先だったかは動転していて
ちょっと曖昧である

乗客数人がいる車両に移動すると
男2人は追ってこなかったが
まだ恐怖は醒めなくて
足は子鹿のように震えて歯もガタガタ鳴っていた

家がある駅について扉が開くとすぐに飛び降り
ベンチの影に隠れて降りてくる人間を確認すると
あの2人が降りてきた

私が降りる駅を知っていたのだ

彼らはJR(まだ国鉄だったかな?)の方に行ったので
私は逆の口から降り
舗装道路を避けて木々の中を進んだ

いつもバッタやカマキリを捕まえていた場所なので
暗闇でも歩けたのだ

家に帰る橋を渡る時にJRのホームが見下ろせるのだが
なんとそこを2人はウロウロしながら何かを話していた

帰って親に何度話しても
「あなたが深夜までいつもウロついてるから警察の人が注意しようとしたのよ」と呆れられたり

「被害妄想とか疑心暗鬼っていう言葉があってね〜」などと言われるばかりで全く信じてもらえず

それから1ヶ月くらいは恐怖でほぼ外出出来ず

その後も怪しい尾行は人間が変わりましたが
半年から1年続きました

毎晩夜中に1人でいた私は
確実に狙われていたのです

思えばあの時から
早く大人になりたい
強くなりたい

そう切に願うようになったのです

目頭から外が見えなければ
僕は今も家に帰っていなかったかも知れません

あれから35年
もう生きていないかも知れませんが
あの2人の顔は今も鮮明に
昔の恋人よりもしっかり覚えています

#失踪
#行方不明
#誘拐
#人身売買
#不登校

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