人への浸透力

私が作家の
吉本ばななさんを
好きになったきっかけは


高校生の時に
図書室で見つけた、
『キッチン』やったと思う。


そのあと、
どれかは忘れたけど、
吉本ばななさんの
エッセイを初めて読んだ時、

ゾクゾクしたのを覚えてる。

ばななさんが
身近に関わる人について
どんな人なのかを
よく書かれているんやけど、

その描写が、

なんていうか、、

そのお相手の陰も陽も含め

一度ヒタヒタに浸透しきってから

紙の上でそのお相手を

描写しているようなところが


自分のその時、
女子にも男子にも
しゃべるだけで
その中に吸い込まれ
浸透してしまう自分の感覚と
限りなく近くて
とにかくゾクゾクとした。


それが、
ばななさんの場合は、
植物にも動物にも
そのようで、

それがたまたま
悪い質のものだった時、
ばななさんは
熱を出す。

体調をすぐに崩す。

それもそっくりだった。


この人は危険とかいう
嗅覚よりも、
若い頃は好奇心が勝って
どう見てもイビツな
精神状態の人に
入って感じきっていた。
(今はない。むしろ入らないように心がけている)


ばななさんは、
私よりももっと
ピュアで繊細で鋭く、
感覚が剥き出しで、

そうやって
産まれてきた、
ばななさんの小説の
登場人物は
とにかく
温度を感じるくらい
描写がリアルだ。


若い頃の私にとって
何よりのお薬だった。


入りたい。。

入りたい。。。

誰かに、景色に、
葉っぱの中に、
海の中に、
深く深く浸透したい
欲求が止められなかった。

よく誰もいない森の中に入って
ある木の幹に抱きついていた。


鼻をくっつけて匂いをかいで、
触れたまま下に降りて
根っこを触って、
涙をポロポロ流していた。

そんな感覚を
持っていてもいいと
ばななさんの小説やエッセイで
救ってもらっていた。


誰にも話せなくても。

おしまい。


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今日も遊びに来てくれて
ありがとうございます(^^)


私、宮藤官九郎さんも好きで、

あの方は、逆に

たぶん、中に入らないように

心がけて書いてる気がする。

描写がとにかくドライ。


あと、どんな個性がきついお役も、

その物語の、

隅っっっから、隅っっっまで、

人を責めない。


敵がいない。

そして、ほぼ全員どこか
イタイ。


そして愛しい。

人間の滑稽で愛しくて
カッコ悪い

その生き物ぶりを、

存分に味わえる。


このお2人の作品には
かなり長い年月助けてもらってます(^^)


それではまた♡


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