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出しきる、までが検診です。

先日、職場の検診を受けた。
イイ歳ですので、色々とヤられます。

さらに今年は、腹部超音波と腫瘍マーカーの検査を自費で追加しました。
向こう5年間、倒れられない仕事を抱えているからです。と言っても「221Bさんが居ないと困る~」とかじゃなく、倒れたら屍を踏まれる強行軍だから。
踏まれたくないンで、「新生物にだけは気を付けよう」と主要な内蔵の検査を増やしました(成人病は大丈夫?とか、言わないで下さい)。

さてさて・・・
ルーティーンである恐怖の採血や屈辱の腹囲計測、検査技師が小雪似でちょっと得した♥腹部エコーを終えて、ラストを飾るのは胃透視検査です。バリウムです。

バリウムです!

今年で2度目。
去年はビビりまくってた。
「あの白いのを全部飲み干せるだろうか?」「実はアレルギー体質で、心停止起こしたらどうしよう?(蘇生は綺麗なナースにお願いしたいなぁ)」とかいう不安は、もうありません(^-^)
経験者としてゆったりと、アラフィフの威厳を損なわないように、検診車に乗り込みました。

ちなみに、胃透視検査に挑む221Bさんの、脳内に流れるBGMはこちらです。

検診車での検査を受けた方は分かると思いますが、気分は宇宙飛行士です。
狭いカプセルの中で、Ground control(地上管制)の指示にしたがい、数々のアクロバティックな体勢を強いられるのです。

宇宙服(検査着)に着替えている時から、ボウイさんの声が聴こえてきます。

Ground control to major Tom♪
Take your protein pills and put your helmet on♪

着装が整うと、サポートメンバーにご挨拶です。

今年の Ground control は・・・・・・

巷で巻き毛のロン毛男に遇う確率は低い。だのに何故?よりによって此処に居るのだ?

まてまてまて、ヒトは見かけじゃない。失礼だぞ!もの凄い手練れかもしれないじゃないか!

嫌な予感がする・・いや、気のせいだ。気の、せ・い・だっ!

思いっきり不信感が顔に出ていたと思う・・・
「ぁ・・・あの、緊張しますね」
「初めてですか?」
「いえ・・・」
「最近、胃の調子がよくないとか?」
「・・・・・まぁ、そんなとこです」
「なるほど、なるほど~」
というやり取りをしていると、私の心を透視したであろうお姉さんに、クスクス笑われる。

お姉さんは食料の配給係です。
曖気(ゲップ)をもよおす発泡剤は、宇宙酔いを防ぐ粉薬だと思って飲み下します。飲み方が「上手ですよ」と誉められて、軽く照れます。

そして、コップ一杯の白い宇宙食を片手に、ロケットに乗り込みます。

「コップを左手、ティッシュを1枚右手に持ってください。右手は下ろして、バーをしっかり内側から掴んでください」
スピーカーからの指示に従っている間に扉がゆっくりと閉まり、お姉さんの笑顔が見えなくなりました。

Commencing countdown(Five),
engines on (Four)
(Three, two) Check ignition
(One) and may gods
(Blastoff) love be with you

ここからは重要なミッションですので、余程の事がない限りGround controlの指示通りに動かないとけません。
たとえ、油断ならない相手であっても、ここは信頼して全権を委ねるしかないのです。

Planet Earth is blue and there’s nothing I can do なのです!

「コップの半分をゆっくり、ふたくちで飲んでください」
「次は、残りを一気に飲んで、口を拭いたら、右手のカップホルダーに、持っているものを全て置いて、左右のバーをしっかり掴んでください」
「右回りで3周してください」

ミッション前半は順調でした・・・・・・

後半戦。

「少しだけ右を向いてください。息を吸って~・・・あれ?・・・ゆっくり吐いて~・・・あれ?う~ん」

ぇ・・・なに?

「もう一度、息を大きく吸って~吐いて~・・・(小声)おかしいな・・・う~ん、困った」

困った?なに?どしたの?

「すいません!(小声)おかしいな・・・もうちょっと・・・・あーすいません!もう一度、右を向いて、大きく息を吸って~吐いて吐いて~止めて!そこで胸を張って、お腹に力を入れて、両手を頭の上、動かないで、そのまま~・・・・・・う~ん。ぁ、楽にしてください」

やめて。
Sは打たれ弱いの。沖田君もそう言ってるよ。
自分のことになると、とことんヘタレなの。

結局、スピーカーからの独り言の垂れ流しに怯え、しかし無事に検査を終えました(T▽T)

今思へば、恐らくバリウムが早く胃を通過したのだと思います(言いつけを守らず、朝の一服をしたからです)。

悪いのは、ワタシです。
ごめんなさい。

お姉さんに下剤の飲み方を確認していると、うら若い男性職員がやって来て「便秘気味なので、もう2粒ください」と要求した。

「出しきるまでが検査ですからね🎵」と、お姉さんが明るく返す。
「はい!」と青年。
「今日一日、頑張りましょう」と私。

連帯感のうちに、検診は終わったのでした。
めでたし、めでたし。

(24H以内に無事出しきりましたよ(^ー^;A)エヘヘ

おしまい

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