フィクションを描く際、キャラクターを物語の都合に合わせて動かしてしまうことについて

2019/05/19 21:00~回の萩ゼミ用レジュメです。終わってから加筆修正するかもしれません。

萩ゼミは1時間の相談と歓談のお時間です。主に生活と創作について伺っています。

萩ゼミ 相談と歓談 │  ドーナツ革命党事務局 https://yrnfe.thebase.in/items/3335236

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「キャラクターと物語の都合」

■01.キャラクターとプロット

◎今回の議題
今回の議題は「フィクションを描く際、キャラクターを物語の都合に合わせて動かしてしまうことについて」です。

◎物語とキャラクター
●物語=プロット
物語、お話、ストーリーといった言葉はいろいろに定義できると思いますが、今回は、議題の都合上、【キャラクター】と対比するために、【プロット】を示すものとします。
【プロット】は、[どこで][誰が][なにを][どうするか]といった内容を持つ、物語のおおまかな流れのことであるとします。
【プロット】は[テーマ]によってまとめられた[シーン]の連続です。
[テーマ]は難しく考える必要はなく、「春っぽい話が書きたい」「悲しい話が書きたい」というくらいで大丈夫です。

●キャラクター
ここでは、架空の人物のこと。物語に登場しない=プロットを持っていない場合も【キャラクター】は存在します。
【キャラクター】は[特徴]を持っています。
特に「書き手が最も重要だと思う特徴」を書き手がはっきり認識しておくことが大切です。

◎プロットとキャラクター、どちらを優先させるか
「どちらを優先させるべきである」というルールは存在しません。
自分が一番書きたいのは何かによって書くべきものが決まります。

●書きたいものは何か
まず「何が書きたいのか」を決めるのが大事で、それに応じて【キャラクター】を優先すべきか【プロット】を優先すべきかが決まります。
自分は今、フィクション(漫画/小説等)を、何を描くことを目的にしているのか、まず整理しましょう。

●書きたいものの例
A.キャラクターの○○な[特徴]を伝えたい(かっこいい、かわいい、好ましい、etc)
→キャラクターに合わせてプロットを用意する
B.キャラクターが○○しているシーンを描きたい(かっこいいシーン、かわいいシーン、セクシーなシーン、etc)
→描きたいシーンに合わせてプロットおよびキャラクターを調整する
C.いろいろなシーンや展開の組み合わせでテーマを伝えたい(かっこいいけどかわいいところもある、喧嘩ののちの和解、etc)
→テーマを表現できるプロットを用意し、それに合わせてキャラクターを調整する

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■02.二次創作におけるキャラクターの解釈と運用

二次創作におけるキャラクターの解釈を「完全に」行おうとするのは非常に難しいことです。
もちろん、自分の中で「固まった」とわかるまでキャラクターについて思索を重ねるのが楽しいことであればたくさん考えましょう。

しかし、それが難しいと感じる場合、以下の方法を参考にしてください。
・まず、「自分にとってそのキャラクターが特別になった瞬間」をまずひとつ(複数あってもよいです)選んでください。
・ひとまずそのシーンを解釈し、キャラクターの[特徴]を考えてください。
・その解釈に沿っていったんプロットを考えてみましょう。

あなたにとって特別なそのシーンが、物語全体を通して重要ではないシーンである可能性は十分にありますし、重要ではないシーンを解釈の重点に置いた結果物語の全体像がつかめなくなる可能性もあります。
しかし、大事なのは、「なにもわからない」から「自分はこのシーンの重要さは理解している」状態になることです。
まず「自分にとっての【キャラクター】像」を明確にすることです。
自分の解釈がずれていると感じたら、そのように感じた時に柔軟に修正していけばよいのです。

大事なのは「正解」を見出すことではなく、「自分はどう感じたか、自分にとっては何が大切か」を明確にすることです。

「自分にとって何が大切か」がそのまま「描きたいこと」になります。描きたいことと自分の目指しているフィクションの形をまず整理しましょう。

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■03.キャラクターを都合よく動かしてしまうと感じる

前提として、【プロット】に合わせて【キャラクター】が動くこと自体に問題があるわけではありません。
しかし、おもしろみに欠ける、もしくはキャラクター造形が損なわれていると感じることはあるでしょう。

【プロット】と【キャラクター】は、どちらかを優先することはあっても、どちらかだけで成り立つものではありません。
【プロット】の[テーマ]と【キャラクター】の[特徴]を改めて考え、相互に反映させましょう。

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