オリジナルでやればいいのに
昔々あるところに、腐女子がいました。
腐女子はパラレル設定が好きでした。パラレル設定とは、二次創作をするとき二次創作元の設定を使わずに自分で考えた、もしくは他の人が考えた設定を共有することを指します。
彼女の考えたパラレル設定は、とても手が込んでいて、おもしろいものでした。それを読んだ人が言った言葉が、善意だったのか悪意だったのか、今となっては判別ができません。
「二次創作である意味ないんじゃない? オリジナルでやればいいのに」
彼女はそれを聞いて長い間考え込み、結局、一次創作を書いてみることにしました。自然、彼女が愛していたキャラクターと似たようなキャラクターが登場することは避けられませんでした。そういうキャラクタが―が好きなのだから、仕方がありません。彼女の一次創作は、それなりに好評を博しました。
そして今度は多分、はっきりと悪意でした。
「あのキャラのまんまだよね? 二次創作でやればいいのに」
ここから先は
108字
¥ 100
気に入っていただけたらサポートいただけるとうれしいです。