地雷という概念のある世界

 昔々あるところに、「みんな地雷なんて持たなければみんな幸せになれるのに」と言った腐女子がいました。

 昔々あるところに、「好きとか嫌いとか思った通りに言えるようになればみんな幸せになれるのに」と言った腐女子がいました。

 昔々あるところに、仲間や仲間ではない人たちが存在することさえ知らなかった腐女子がいました。

 みんな別々の世界にいます。

 まるでマインスイーパというゲームをやっているように、世界を眺めます。どこに埋まっているのかわからないものを、でもこのゲームでは、誰かが誰かに向かって投げつけます。誰かが誰かに向かって爆弾なんてなければいいのにと言います。それ自体も爆弾です。もう隠してあるのか隠してないのか、わかりません。

 みんな別々の世界にいるから、ぶつかったときに爆発しても、しかたがないのです。

 ひとりめの腐女子は言いました。「好きとか嫌いとか言わなければ戦争は始まらなかった」

 ふたりめの腐女子は言いました。「好きとか嫌いとかのない世界はとても苦しかった」

 三人目の腐女子は言いました。

「わたしの好きとあなたの嫌いは、全然、関係がないのに」

ここから先は

59字

¥ 100

気に入っていただけたらサポートいただけるとうれしいです。