11月にクトゥルフ神話TRPGのシナリオを4本書いたので1月になっても直し続けている

 2018年は主にクトゥルフ神話TRPGのシナリオを書いていました。

 5月に書いた2本のシナリオはもう公開しました。8月に書いたシナリオも公開しました。問題はそのあとからで、8月から9月にかけてキャンペーンシナリオを書き(つまりシナリオを3本書き)、10月はおとなしく小説などを書いていたのですが(これも書き終わってないのでシナリオが直し終わったら手を加えなくてはならない)、11月に急に気が狂ってしまい、シナリオを4本書いたので、そしてそれを全部、全部というのは未公開の計7本ですが、有料シナリオにしたらいいんじゃないの?という話になったので……ので……。

有料シナリオにするメリット
・お金がもらえる(売れれば)
・天才デザイナーが全部きれいにしてくれる
・天才イラストレーターが表紙を描いてくれる
有料シナリオにするデメリット
・なんとなくできたような気がする状態で売るわけにはさすがにいかない
・天才デザイナーのチェック後、直すところがめちゃめちゃ返ってくる(デメリットではないのでは?)

 というわけで、シナリオを直しても直しても直しても直しても直しても終わっていない地獄に落ちました。でも5本終わったので、いや、終わってない、終わってないけどもう一回見返してあとがきっぽいことを書くかどうか考える段階で放置してあり、デザイナーさんに出す直前の最後のあがきをしているところなので、一瞬、一瞬でいいから別のことがやりて~~~~と思ってこの文章を書いています。なお、のこりの2本はテストプレイの段階で「死ぬほど直してください」という赤ランプがぐるぐる点滅した状態で手元にあり、つまりほとんど書き直しなので、締切は2/10なので、ので、ので、ので……。

 なんとかなると思います!


 クトゥルフ神話TRPGのシナリオは去年の5/29に書き始めてから18本になりました。すぐ数字が出るのはEvernoteにナンバリングしてあるからです。pixivに放り投げてあるのが7本、シナリオ集に載せたのが1本、今ぶつぶつ言いながら直してるのが7本、計算が合いませんがクソすぎて公開していないのがあるので……そのうちなおします……。

 18本も書いたらいいかげんシナリオの書き方がわかったのではないか? と思うわけです。

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■個人的なシナリオの書き方2019new year

①シナリオのテーマを固める

(1-1)やりたいことを決める
漠然とやりたいことはいっぱいあり、いつもなんとなくそのへんに転がしてあるし、これに関しては小説も絵も全部同じ箱に入っていて、なんなら過去書いた作品を引っ張り出してつついても出てくるので、いつも箱があふれている。

・うちの死んだ探索者が出てくるシナリオを書こう、死んだので
・せっかくモンスターもステータスが決まってるんだからモンスターvsモンスターでクソデカダイスが振りたい、そのために人間はやめてもらう
・セックスしないと出られない部屋の出られない理由をめちゃめちゃ壮大にしたいしセックスしないと世界が滅んでほしい
・探索者同士に完全に無の感情から友人知人になってほしいので嫌でもバカスカ関係を発生させる

(1-2)テーマを決める
箱から一個出してきたものをながめて「今回はこういう側面をクローズアップしておこう」する。別の側面のクローズアップもできるので一度出したネタでも箱に戻す。永遠に片付かない箱が残る。

・小説家が関わるので「生み出す」をテーマにする
・人間をやめてもらうので「人間の境界」をテーマにする
・セックスに伴う「感情」をテーマにする
・人間関係の話になるので「社会」をテーマにする

(1-3)テーマからモチーフを広げる
好きな作業。連想ゲームで延々と広げていく。関係ありそうな資料を読んでふむふむしてまた広げる。これだけ無限にやっていたいのですが、人間と人間がわかり合うためには共通言語という整理された思考にまとめる必要があり……。

・「生み出す」創作、ファン意識、豊穣神、親、産婦人科、落とし子……
・「人間の境界」可能性、神との違い、理性、人間との関係……
・「感情」善意と悪意、執着、好意、快楽……
・「社会」世界、都市、家庭、集団、組織、人と人、かかわり……

②神格と神話生物を決める

(2-1)使いたい神格と神話生物を決める
・テーマと関係を作れそうなクリーチャーを『マレウス・モンストロルム』の頭から最後まで読み返してピックアップする(関係ありそうなのがすぐに思い出せればそれでいいですけど……)
・メジャーどころはひととおり書きたいという欲望があるので地道にコツコツ消化していきたい
・テーマがあんまり固まってないときは『マレウス・モンストロルム』をとりあえず開いたところのクリーチャーをピックアップしてそこからテーマを広げる→①に戻る

(2-2)関係ある神格と神話生物をピックアップする
・わたしはシナリオにクリーチャーがいっぱい出てくるとすごくうれしいので、ピックアップしたクリーチャーに関係しているクリーチャーを書き出せるだけ書き出しておく
・地名とか魔導書とか関連書籍とかも書き出せるだけ書き出すけどきりがないので適当なところで切り上げる
・ていうかまじで資料の収集を始めると永遠に終わらない

③あらすじとバッドエンドを決める

(3-1)漠然としたあらすじを決める
ここから先あんまり詳細に書くとネタバレなので適当に伏せますが、
・導入ではものすごくひどい目に合ってほしい
・探索中には途方に暮れてほしい
・エンディングではあっけにとられてほしい
という三つのシンプルな欲望に沿って、これまでピックアップしたテーマやクリーチャーに関連しているイベントを漠然と配置しておきます。いつもこれをめちゃめちゃ漠然としたままにしてしまってあとで後悔するので今度からこのへんちゃんと固めるようにしてください。
あと、「達成感」とか「やった感」みたいなのをもうちょっとこう……したい……ですね。ゲームだからね……。

(3-2)漠然としたバッドエンドを決める
 バッドエンドが好きなのでバッドエンドから決めます。別に探索者がいたら救われたはずの世界だったみたいなことを言うつもりはなく、単にバッドエンドが好きだからバッドエンドから考えています。どちらかというと「探索者が頑張ればバッドエンドが回避できる可能性がないわけではないので頑張ってほしい」という気持ちで書いているのですが、重めのバッドエンドを書いてから生還エンドをひねり出した方がかっこいい生還エンドが発生しがちなので、まあいいかなって……。
・1D10/1D100を踏む
・誰かもしくは全員が死ぬ
・世界が終わる
 クトゥルフ神話TRPGのバッドエンドはたいていこの3つなので(クリーチャーによってもっといろいろあるっちゃあるけどそれはピックアップしたクリーチャーに依存します、もっととんでもないバッドエンドを考えたいですね)ここまで考えたあらすじのなかでそうなりそうなエンディングを想定しておきます。
 基本的にはとんでもないことに次ぐとんでもないことがとんでもないことを呼んでとりかえしがつかなくなってほしいという欲望があるので、欲望に忠実にバッドエンドへの道を丁寧に舗装しておきます。

④シナリオ本文を書く

ここまでは全てが漠然としていましたがここからは真面目にやりましょう。というかここからが「シナリオを書く」という作業のような気がする。これ以前は何なのかと言われると……ぼんやりしている……あいだに……行われていること……。
1)シナリオ開始時点で謎とされる部分を全部書き出す
2)舞台を設定(できればマップを描く)、探索個所を決める
3)探索個所に手がかりを配置し、関連資料の情報も配置し、手がかりや情報をドロップするNPCが必要なら配置する
4)技能ロールで出す情報と技能ロールなしで出す情報を分ける(重要な情報は技能ロールなしで出せるように気を付ける)
5)できればみんなが生還できるようにバッドエンドの隙をつく方法を模索し、想定できる全てのエンディングを書く
6)ベストエンドにたどり着くための手がかりを配置し直す
7)導線を調整し、手掛かりが出てくる順番をああだこうだ動かしているうちに何もかもわからなくなっていく
8)描写を足したり引いたり、情報を足したり引いたり、手がかりを足したり引いたりしているうちにすべてわからなくなっていく
9)テストプレイの日程を決め、テストプレイまでに足したり引いたりを繰り返してすべてが曖昧になる
10)テストプレイの最中に「その資料は用意してないけど今書くから2分待って」と言う
11)不完全なシナリオを手掛かりにKPをやってくださる神のような方々の脳内に直接すべてが伝わるように祈る
12)完成したということにする

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 わたしは本当にシナリオが書けているのだろうか。どうなんでしょうか。完全に不安になってきましたが、謎があって謎解きがあって更なる謎が発生してそれに対する謎解きがあって最後に大きな結論が導き出せればシナリオっぽくなると思う……思うので……それ以上欲をかかなければそれでいい……と思う……。

 2019年も懲りずにおもしろいシナリオをいっぱい書き、もっとちゃんとこう……漠然としていないシナリオの書き方を考えたいですね……。

 まとめているうちにいろいろな反省点や課題などが見えてきたような気がしますが(技能ロールに関する考察をわりと放置している点など)長くなったので切り上げます。精進したいと思います。

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