寓話編物「海辺のふたり」

画像1 架空の島、兎蜂島に伝わる物語を、当地ではニットパターンとして残し、語り継いできました。 ジグザグ模様は断崖、あるいは並んで歩く人間多くは恋人たちを示します。この作品のパターンは、海辺を歩く恋人たちが海へ入ってふたりで一匹の海蛇となり、また海から上がって別々に歩き出すようすが編みこまれています。レース模様のように広がる裾の部分は彼らが戻ってゆく大地を表す苔模様、メビウスに繋いだ上に襟として載せられているリブ模様は彼らを取り巻く島民たちを表しています。
画像2 むかしむかし、恋人たちが岸辺を歩いていて、波に飲まれました。
画像3 海に飲み込まれた恋人たちは、海蛇になったあとで、またべつべつの人間に戻りました。
画像4 海蛇だったころの記憶のなかで、恋人たちはいつまでも、ひとつのもののままです。――兎蜂島では近親婚および近隣の漁師との交際が固く禁じられており、恋愛や結婚を許されるのは島外で配偶者を求めることができる資産家の子に限られていました。そのため、悲恋を扱った作品が多くみられます。
画像5 https://ubatitou.handcrafted.jp/items/5090056

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