無為坂百貨店オブザデッドのためのテキスト
「萩の原」というウェブショップは、インスタレーションという「わたしもあなたも参加者である」というアート空間の演出を目的としています。
萩の原は架空の空間であり、架空領域における架空の実在を扱っています。わたしは萩の原の主宰として、萩の原の「受肉」のアプローチのために、いろいろな素材を使って萩の原の実在を探っています。
これは萩の原で「くらげ」と呼ばれる存在です。
よく見ていただければわかるとおり、これは台所用手袋です。マニキュアで彩色しています。
「幼年期」と「思春期」の「実存採取サンプル」です。
お弁当に入れるタレ瓶でできています。
萩の原の目的は「無を無のままに維持すること」です。
どこにでもあるようなくだらないものを作る意義はそこにあります。萩の原は無の土地であり、しかし無の土地にはたしかに無が実在しています。何になることもできないなにかである実在たちのために、萩の原はいつでも開かれています。
さて、無為坂百貨店の話をします。
無為坂百貨店は無為坂を登りきったところにあるショッピングモールの廃墟であり、そこに、萩の原の商売人や、なにかを買いたい実在、そして、なにかを買い続けるためにそこに留まっている実在が存在しています。
無為坂百貨店は萩の原で最もくらげが発生しやすい場所です。くらげは萩の原において、実在の「死」の観測されたものとされています。存在の消滅とともに、くらげが発生します。無為坂百貨店にはくらげが蔓延しています。
くらげは生きています。くらげは生きているのでしょうか? くらげの生とはなんでしょうか?
無為坂の実在から届く、物語の断片が購入できます。
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