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<ブルックリン文化風俗アーカイブ記事>ジェイZやバスタの高校生当時を知る元カウンセラーのおばあちゃんは今もリムジンを待っている

(注:あちこちに書き散らかしてきたものをnoteにまとめる作業をしています。記事内の出来事と投稿とのタイミングがズレているものも多々ありますのでご了承ください。)

自分は90年代半ばにリアルタイムで世界に台頭しはじめていたNYヒップホップに出会ってしまったことで、その後の生活の方向性が決定づけられた幸せな人々のひとりであるということは否めないわけだが、その延長上でブルックリンで子どもを産み育てるとなると、当然だがヒップホップとはまったく関係のない日々の生活を地味に重ねていくことになる。

そんなブルックリンのなにげない日常の一コマの中、たまにびっくりするほどヒップホップ濃度の濃いエピソードが斜め上のところからやってくることがあったりして、そういう瞬間にこそ「ああ、やはりここはNYヒップホップのお膝元だったのだ」と感慨深くなる。

このエピソードもまさにそれ。ブルックリンの瀟洒なエリアにある、地産地消を目指すオーガニック食品の生協的組織(Food Co-op)のメンバーだった頃、持ち回りで担当する労働提供のシフトが一緒だったおばあちゃんと、搬入されたばかりのじゃがいもを仕分けしながら世間話をしていた時の話。


パークスロープのフードコープのシフトがたまにカブるおばあちゃんがいるのだが、話を聞けば何とジェイZやバスタ、ビギーやDMXを輩出したダウンタウンBKの職業訓練校=ジョージ・ウェスティングハウスの元カウンセラーだったことが発覚!

学校案内によると「電気回路の配線、コンピューターの修理、食事の準備などを学ぶことができる」らしい。フリースタイルのラップスキルは履修科目ではない。

じゃがいもの検品どころじゃないよ!的な鼻息の荒さでお上品そうな白人のおばあちゃんにアレコレ質問したところ、彼らはそれぞれに個性的な生徒で(そりゃそうだろうよ!)、カウンセリングと称して授業をサボりに来てたのでよく覚えてるらしいのだが、中でもジェイZは図書館でボキャブラリー増強に努めつつ、先生たちに「ラップかハスリングのどちらかで大成するから、そしたらリムジン送迎してやるよ」とのたまっていたらしい。

で、先生たちはまだリムジン送迎を待ってるらしいですよ。おばあちゃんはもう引退しちゃったけど。

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