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詐欺からあなたのお金を守る10

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詐欺の手口をしることが あなたのお金を守る


第10話 仮想通貨詐欺、被害総額650億円の
    「ジュビリーエース」の詐欺事件



被害総額650億円の詐欺事件


「ジュビリーエース」とは?その仕組みについて
②低リスクで月利20%が狙える?
➂ジュビリーエースという会社の正体?
④まとめ

 
 
今回は、「ジュビリーエース」の詐欺事件についてお話します。

2022年9月に、この事件では騙されて借金を負わされた女子大生が自殺をし、その家族が彼女を勧誘した元同級生などを裁判所に訴えたことで、また注目されました。
 
①この大規模、仮想通貨の投資詐欺は2018年頃から始まった「ジュビリーエース」という会社とその社員、支持者がセミナーや口コミを利用して、多くの人を投資ビジネスに勧誘しました。特に、人に紹介すると紹介報酬が得られるマルチ商法の仕組みを取っており、かなりの被害者を出していました。

 2021年11月、警視庁は、ジュビリーエースやJENCO、GTRへの投資勧誘を無許可で行っていた、セミナー講師「玉井暁」「宮﨑由季子(ゆっこ)」「高橋智道(トム)」「松永風菜(ふうな)」ら計7人を逮捕しました。
 逮捕理由は無登録で金融商品への投資勧誘を行った金融商品取引法違反による逮捕のため、罰則としては5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金刑になるものと思われます
 
その後、
 リーダー格だった「玉井暁」は執行猶予付きの実刑判決を受けています。
推定される被害総額は650億円にものぼると言われています。


 
 
そんな中、2022年9月末に沖縄の現職の市議会議員が「ジュビリーエース」にからんで、出資&勧誘を行っていたことが発覚して、また話題になりました。
 
 
さて、 
この「ジュビリーエース」とはどのようなものだったかというと、
当時、大変に注目されていた、仮想通貨への投資を勧誘するものでした。

  ジュビリーエースとは、理論上ノーリスクと言われている投資法「アービトラージ」を自動で24時間行うシステム「AQUA」の利用権を販売していました。
  
 アクアシステムは世界中のビッグデータをリアルタイム収集。利益が出るアービトラージペアの発見して投資するところまで、24時間休まずに自動で行ってくれるというシステムです。
  
 仮想通貨に限らずスポーツベッティングなどの分野などでもアービトラージが可能とされる「AQUA」は、優れたシステムとして注目を集めました。
  ジュビリーエースのセミナーではアクアシステムによるアービトラージをその場で見せてくれることもあり、アービトラージはちゃんと行えるシステムであることが分かります
 ただ、セミナーで実演や公開されている映像のほとんどが仮想通貨のアービトラージの映像ということから、スポーツやコモディティへの投資は本当に行っているのか?という疑惑の声も上がっていました。 
 
 どうでしょう?

ここまで、私が説明したことがよくわかりますか?
実際にはもっと専門的な用語と、プログラミングの説明をしないといけません。でも、その説明を聞いて、どれだけの人が理解しているでしょうか?
よくわからないけど、専門性の高い情報だと、→難しいけど正しいらしい、、(?)で、投資を決めた人。
 また、逆に知識があるからこそ信じてしまった人(説明の内容は間違ってはいませんから)が多数いました。

 仮想通貨や、ブロックチェーン、などに詳しい人ほど、このシステムは正しいので信じてしまう人が出たのもよくわかります。
 
② 特に、儲け話としては、
 アクアシステムのアービトラージによる利益の配当、さらに+新規会員の紹介料という2つの報酬制度があり、
 ジュビリーエースは低リスクで月利20%が狙える投資として人気を博していました。

 ジュビリーエースはマーケティング方法としてMLMを採用しており、知人や友人を勧誘することで、さらに別途、紹介報酬を受け取ることができるとしていました。
 *(MLMとは、マルチレベルマーケティングの意味で、ネットワークビジネスのことです、一般的に「マルチ商法」と呼ばれています。特定商取引に関する法律により「連鎖販売取引」と定義されている商法のことです)
 
 ジュビリーエースは勧誘による紹介報酬が高額だったこともあり、日本全国で勧誘活動やセミナーが開催され、仮想通貨の投資案件としては異例のスピードで会員数を増やしていきます。
 
 
 日本ではマルチと呼ばれるため悪いイメージを持つ方も多いですが、海外では一般的に行われることも多く、特に若い人には悪いイメージも少なく、紹介報酬がちゃんと支払われるという事実から個人によるSNSを使った勧誘なども活発に行われて、特に初期にはそれなりに利益を得る者もいます、そのために、さかんに宣伝されました。
 
 
ジュビリーエースの勧誘することによる紹介報酬は大まかに
・直接スポンサーボーナス・ペアリングボーナス・アービトラージボーナス
・リーダーシップボーナス
 と4種類もありました。
 このように複雑でもっともらしい勧誘は若者を中心、多くの人を巻き込んだわけです。

 
2020年秋に突然の業務停止
 
 
 投資をしていた、ユーザー達から資金が引き出せないという相談が相次ぎ、そして上記にあるように、その後、関係者が逮捕される事件へと発展しています。



 

 
 
➂ ジュビリーエースとは、どのような会社なのでしょうか?
 
 
「ジュビリーエース」が公開している資料によると、運営会社である「Jubilee Ace Limited」は英国領ヴァージン諸島にて設立された企業だと記載されていることが確認できます。
 記載されていた所在地は「Sea Meadow House,Blackburne Highway,(P.O.Box 116),Road Town,Tortola British Virgin Islands」という住所となっていますが、注目すべきは、
所在地にある「(P.O.Box 116)私書箱」という部分です。


この「P.O.BOX」については、物件の所在地ではなく郵便物を受け取るための私書箱であり、ペーパーカンパニーが所在地として登記していることが多い住所となります。 初めからペーパーカンパニーを使った詐欺事件だったわけです。さらに、 後になってから、ジュビリーエース本社は中国の深センにあるという情報も公表されました。
 正確な住所は「深圳市福田区沙头街天安社区泰然四路29号天安创新科技广场一期A座705」
 ここは、中国の賃貸サイトにて月40万円ほどで貸し出されてる物件であることが分かりました。どうやら少なくとも3社以上の企業が同じ住所で登記しているので、後から、ジュビリーエース本社だとされる深センの住所は「レンタルオフィス」である可能性が濃厚です。
また、ジュビリーエースは中国の深セン以外にもマルタにも事務所があると公式サイトに掲載されています。こちらもバーチャルオフィスが見つかりました。
まったく胡散臭いものばかりです。
 
 ただ、誰もヴァージョン諸島や深圳に確かめに行くこともなく、大金を投資してしまったわけです。



④ まとめ
 結論、ここに気をつけてください

①  当時、人気であった仮想通貨を投資対象にしたことで、若い人や、最新の情報に敏感な人たち、人よりも先んじて利益を得られると感じさせたことで人を集めた
② マルチ商法を知らない若者がターゲット
 
➂ 最新のシステムや、仮想通貨取引に詳しいほど、騙される、難しい説明や仕組みが受けた、(←信憑性が増して、信じた)

 ここで、皆さんも気付いてほしいのが

「ジュビリーエースは低リスクで月利20%が狙える」という部分です。
月利20%は年利何%でしょうか?

20%×12か月=240%
 年利240%の金融商品は世界中どこを探しても存在しません。
リスクの高い後進国の国債でも年利11%くらいです。(つまり、月利0.9%)ちなみに日本の国債は年利0.25%、アメリカは年利4.16%です。

 このことからも、すぐにインチキであると気づかないことが金融リテラシーの低さ、つまり、だまされやすさになります。
 年利ではなく、月利で勧誘してくる場合には少し気を付けましょう。

 ちょうど、2022年秋に、アメリカの大手、仮想通貨取引所FTXが破綻しました。こちらもお金が引き出せず大きな被害が見込まれています。同時に仮想通貨の価格も暴落しています。
 私個人的には「仮想通貨」はこれからも有力な貨幣価値、投資手段の一つだと認識しています。
 これからくる「メタバース」に有効だからです。
 しかし、よくわからずに「儲かるらしい」で手を出して火傷をする人がたくさんいます。気を付けましょう

STOP よく考えてください


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