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おくちの中にメスが入った冬のこと①

はじめての全身麻酔、はじめての長期入院。

不安なんかなくて、冬課外を休めるのがただうれしかった。

7年ほど前になる。高校1年生の冬休みに扁桃腺を切除した。

尋常性乾癬という一生お付き合いする病の治療のためである。医療関係の画像はそろいもそろってグチャグチャだけど、こいつはカサカサしてくるから厄介だ。1000人に1人というこの小さなハンデを背負いながら生きているのだが、レアな存在であることと、皮膚科に定期的に行ってお肌の相談もできることが許してくれている。

医者の言っていることはよくわからなかったが、とにかく扁桃腺を切除するらしく、冬休み中ベッドの上で過ごしていた。

手術を受けたのはおそらく12月27日だ。

日付のあとは当時の天気とか気温が知りたいのだろうが、完全に管理された病室。病院の冬の空調にアルコールのにおいが充満していた。それ以外に言えることなんてない。手術着みたいなあれには自分で着替えたし、たぶん歩いて手術室までいった。全身麻酔をうけてお口のなかにメスを入れられる人間にしては元気だなと思っていた。

この当時の私は全身麻酔をされても、受けてる側が対抗すれば........手術台の上に横になってカポッとされた瞬間に手術は終わっていた。

「うわあああ!全身麻酔を耐えようと思ってたのにやられた!」

ぱたっ

手術室でこんなことを言っている息子を見下ろす母親のきもちなんて知ったことではないが、少しは同情した。

次に目を覚ました時は、病室のベッドの上だった。喉の奥から無限に湧いてくる大量の血液を吐き出しながら、今後のことを再度説明されたのだろう。

数日間の点滴生活、点滴のあとの食事、口から出てくる血液、お風呂。

また気が向いたら続きを書いていこうと思います。

当時の担任の先生へ

手術直後の麻酔が入ってふらふらで頭が回らないときに、数冊の「熱血感あふれる300ページくらいの本」を置いて行ったことを覚えているよ。傷口が開くからやめた方がいいよ。

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