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ヴィラ=ロボス研究家Iのつぶやきその1

 こんばんは。みなさま新年あけまして、わたしたちは隔離生活あけまして。。。お久しぶりの二羽の黒鳥です。さあ、隔離も終わってこれからいろいろと、と一歩踏み出したところで緊急事態宣言となりましたが、欧州の経験を生かして、できる限りの対策をとりながら進んでいこうと思います。1月29日のコンサートも前向きに進めています。感染状況により変更が生じる可能性がありますので、最新情報は上記ウェブサイトでご確認ください。

(夜間の外出に配慮して、ご希望の方にはオープンリハーサルに振り替えご入場もできるようにしたいと思っています。決定次第詳細をお知らせいたします)


さて、年末にお知らせしましたように、新年から白寿ホールコンサートまでの間、ミラノ特派員黒田亜樹の大学時代の同級生、ヴィラ=ロボス研究家の市村由布子さんによるコラムをお届けします!本日より全五回!お楽しみください!!!!            

                     ベルリン&ミラノ特派員

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はじめまして。
この度“黒鳥たち“を応援することになりました、横浜特派員の市村由布子です。旧姓は奥藤です。

〜世界各国を飛び回り活動してきた“自称旅烏“の私たちが、今こそ二人で奏でたい音楽がヴィラ=ロボスでした。これまで旅烏だった2人がヴィラ=ロボスの巨大な力を借りて黒鳥に変身しました。黒鳥は「予期せぬことを運ぶ」象徴と言われています。私たちのCDが世界各国の皆様にサプライズ!を運びますように!
まずはベルリンとミラノから皆様にごあいさつです。優子&亜樹〜



このように「黒鳥ジャーナル創刊号」(2020.09.29)にミラノ特派員の黒田亜樹さんがまとめています。

ヴィラ=ロボスのことを愛し続けてきた “自称ヴィラ=ロボス研究家“の私に、黒鳥たちが嬉しいサプライズを届けてくれました。

「ブラック・スワン」 ヴィラ=ロボス チェロとピアノのための作品集のCD!!皆様、もうお聴きになりましたか?

延期〜延期〜中止〜の末、CD発売記念の東京公演が開催決定となりました。

2021年1月29日(金)19:00より 
東京・ハクジュホールにて
「BLACK SWAN 〜ヴィラ=ロボスへの讃歌〜」

二羽の旅烏のCDは世界中を飛び回って幸せを運び続けてくれていますが、
旅烏ご本人たちが生の演奏を日本に届けてくれることになりました。
なんと嬉しい!ありがたいことです!

黒田亜樹さんと私は東京藝術大学時代の同級生。亜樹さんはピアノ科。私は楽理科。
亜樹さんが「カイピラの小さな汽車」(2020.10.01)の投稿で書いていた通り、藝大名物のサンバ・パーティに私も入っていたことがあります。そこでの共通の友人も多くいます。亜樹さんのお友達には楽理科のお友達も多く、明るくてパワフルでどこにいても目立つ存在だった彼女のことは私もよく知っていました。

そんな亜樹さんがかつてピアソラのCDを出したちょうどその頃に、共通の友人である“ジャワ舞踊の名手“のライブ会場で亜樹さんに再会。まだ赤ちゃんだった息子さんを連れてミラノと日本を行き来している話に驚きつつ、ピアソラの話をちょっとさせてもらいました。
「私もピアソラ好き〜。ヴィラ=ロボスのことを勉強しているの。
亜樹ちゃん、いつかヴィラ=ロボスも弾いてよ〜♪」
…とお願いしたことを、ついこの間思い出しました。
私もずっと忘れていたくらいですから、きっと亜樹さんも覚えていないでしょう。口に出すと夢が叶うとよく言われますが、本当なんですね。

そして、亜樹さんは水谷川優子さんと意気投合して「オール・ヴィラ=ロボス」のCDをこの世に生み出してくれました。しつこいですが「オール」です。ヴィラ=ロボス以外の作品は1曲も入っていません。直球勝負です⚾️

海外ではたくさんのヴィラ=ロボスのCDが発売されていますが、
この先は“日本人の演奏家によるCD”に限ってのお話になります。

ヴィラ=ロボスの作品の中でも、昔から神様扱いされているギターの作品、魅力的な小品が多いピアノの作品のCDはわりとたくさん出ています。ヴィラ=ロボスの作品が1曲だけ含まれているCDならそれなりにあります。日本ヴィラ=ロボス協会初代会長、故・村方千之氏指揮のCD(これもオール・ヴィラ=ロボス)も貴重な録音ですが、こちらはオーケストラ作品のみです。

そう、“チェロとピアノのための作品”だけを日本人の演奏家が収録したCDは “初物“なのです。しかも超一流の日本人演奏家のお二人が取り上げてくれたことは、私にとって涙が出るほど嬉しいこと。


~ ここで少し、簡単な自己紹介を…👩


5歳から12歳までブラジル(リオに半年、サンパウロに7年間)で過ごす。5歳からピアノを習い始める。日本人のピアノの先生に習うのをやめ、ブラジル人やアルゼンチン人のピアニストに師事。12歳半で帰国。1987年に東京藝術大学楽理科入学。1991年卒業論文『エイトール・ヴィラ=ロボスの弦楽四重奏曲〜民族主義的考察を通して〜』を提出。広告会社に就職。結婚退職後、ヴィラ=ロボスの勉強を細々と継続。2020年、子育てが一段落をしたのを機に研究をスタート。

私がヴィラ=ロボスをテーマにした卒論を書くことに決めた1990年頃、今から30年ぐらい前の話ですが、ヴィラ=ロボスのCDはごくわずかしか手に入りませんでした。彼の《弦楽四重奏曲》(全17曲)をテーマにしたのにも関わらず、楽譜のコピーを入手するのがやっとで、肝心の音源全てはそろいませんでした。CD屋さんに行くと、まず「VIVALDI」のコーナーを探しました。あるとしたら、「VILLAーLOBOS」はたいていその左側にあるはずなのですが、申し訳程度に数枚あるだけでした。新譜を見つけると嬉しくて買って帰るのが私の楽しみでした。あの頃、(何度も言いますが)日本人の演奏家によるチェロとピアノによる「オール・ヴィラ=ロボスのCD」が発売されるとは夢にも思いませんでしたし、それがまさか、同級生の黒田亜樹さんと、彼女の盟友の水谷川優子さんによるものだとは…。

水谷川優子さんとはまだ直接お会いしたことはないのですが、CDのブックレット内に優子さんが書かれたメッセージを読んで、どんな方なのか、このように想像しています。

感受性が豊かで、好奇心旺盛。意外と大胆。お姫様のような容貌からは想像できないような情熱家。常に真っ直ぐに前を向き、こうと決めると突き進む勇気がある。飾らない性格で、おおらか。

書かれた文章からも、演奏からも、そういう印象を受けました。結構当たっていますか?
そして、ヴィラ=ロボスの魅力を十分に理解し、虜になっている。「心がざわざわ時にうきうき。…新しいのか懐かしいのか?」という優子さんの言葉が大変気に入りました。

このCDについて書きたいことはたくさんあります。ヴィラ=ロボスについても…。
次回以降は、「BLACK SWAN」のCDに収録されている作品についての簡単な紹介など、思いつくところから投稿していきたいと思っておりますので、どうぞお付き合いください。

まずはご挨拶ということで、今日はこのぐらいで。

横浜特派員の市村由布子でした。

(2020年12月25日金曜日)

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