見出し画像

Slack上場をニューヨークで目にして日本人視点で思うこと

皆さん、こんにちは。@satoshi_gfa18です。

先週ニューヨークへ来てバタバタしていましたが、更新を再開したいと思います。

さて、本日(米国時間)6月20日、Slackがニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場しました。

画像1

今年はUber、Lyft、Pinterestと、アメリカのテック企業が相次いで上場するも、投資家の期待に反し、盛り上がりに欠けていましたが、Slackは基準価格26ドル、本日最高で38.5ドルまで上がるなど、順調な滑り出しとなっています。

ちょうどこのタイミングということが各メディアで報道されていたので、朝9時に現地へ行ってみると凄い人の数。

その時の現地の様子やSlackの直近のビジネス規模などは、YouTubeでも纏めたので、よろしければ動画をチェックしてみてください。


さて、お祭り騒ぎになっているNYSE前で、色々な光景を目にしました。多くは観光客と様子を見に来た、近くのウォール街で働く金融マンたち。

画像2


一方で、動画でも少し触れましたが、間近で関係者が見られるのがまさにアメリカ。

画像3


こういった企業関係者や投資家は喜びに満ち溢れ、その感情を大いにむき出しにしていました。みんなで写真を撮ろう、と道で集まる人たちに向けて話しかける主要投資家も。

画像4


Slack社員が集まって写真撮影をしていましたが、もう周辺にいる人たちもどんどん集まれとみんなで記念撮影をなどする光景もあり、どういうわけにか私も一緒に写らせていただきました。

画像5

※しかもその場で写真を送ってくれたw

現地では、Slackの提供でアイスやらコーヒーやら配られていました。観光客も巻き込んだ盛大なお祝いであるという点がポイントかと。

画像6


今回の上場は通常のIPOとは異なり、直接上場(Direct Listing)と呼ばれるもので、上場に当たり新株を発行していないものです。これは、新株を発行しないため、資金調達にはならず、株を保有する既存投資家や経営層、社員たちが恩恵を受けやすいものと言われます。

画像7

上場については、新規投資家などを回るロードショーがあるため、上場コストを下げることができる特徴があります。

なお、Spotifyも同様の形を取っています。ドットコムバブルの時代は主要であったやり方となりますが、Slackは上場から6年。早すぎず遅すぎずという形でしょうか。



さて、話をニューヨーク証券取引所に戻します。

ここでは、上場を喜ぶ従業員たちが多く見られましたが、彼らの一人ひとりが強烈にかっこいい。いや、かっこいいとかそういったレベルでなくて、神に見えます。最上級にいけてる。

親をその場に呼ぶ人、彼女をその場に呼ぶ人、色々な人がいたでしょうか。そして皆がそれを祝福している(おそらくSlackとはなにか分かっていないながらも祝福している野次馬も多かったと思われますが、そんなことはおかまいなし)その様は、言葉では表現が難しい。

画像8

↑特に婚約者と思われる人とその場で喜びを分かち合っていたシーンは強烈に印象に残ります。


余談ですが、前職で東京で上場の日を迎えた時は、みんなオフィスにいました。中継が繋がっており、その姿を大きな会議室で見れ、共に祝えたというのはとても素晴らしい会社の粋な計らいであったと思うのですが、その場というのはまた素晴らしいですね。ニューヨークには、Slackの一般社員が100人以上はその場に来ていたかと思います。

人によっては一生に一度あるかないか、自身が株を持っているいないは別として、結構に大きなお祭りです。アメリカらしさがこういうところにも見られます。

画像9


多くの報道陣がいる中、一つのことに気づきました。

それは、日本人がいないことです。


アメリカの各メディアはカメラを回していたその場所で、日本の報道陣は見なかった。近くで働いている金融マンや観光客はいたのかもしれませんが、マスコミ関係は見なかった。

このことに関連することで、先日ニューヨークで働くあるマスコミ関係の方に聞いたのですが、実は日本のキー局でニューヨークに専属でアナウンサーを置いている企業はなくなったとのこと。

取材班はいるようですが、昔よくあった「ニューヨークから中継でお届けします」、といった報道は、経済ニュースであれ、ニーズのなさ・コストカットから現在は一切なくなっているとのこと(レギュラーでなく非定期では一部残っている模様)。

これはビジネス状況の変化を感じますし、また少し残念な気もします。(日本に関連する大きな報道の時は、みんな日本から行って欲しいと思うのですが)



ちなみにSlackのビジネスユーザー(全体の35%いる有料課金の企業ユーザー)の半数以上は北米以外、そして世界の150カ国以上で使われていながら、日本が米国に次いで2番目の大きさなのです。

以下の写真をよく見ると、左下に資生堂、右下に日経のロゴが見えます。

画像10

今回の上場に関しても、日本と無関係ではないでしょう。


あるサイトによれば、日本でNYSEに上場した企業は11社しかないそう。LINEは日本で驚異的なユーザー基盤を持っており、厳密には日本企業でないと思われますが、こちらは記憶に新しい。

画像11

ニューヨーク証券取引所(NYSE)およびNasdaq上場日本企業一覧


大手企業ばかりでありますが、新興の日本発・日本人発の企業で、次にニューヨークでウォールストリートを訪れる人々の目に留まるのは、どの企業でしょうか。そしてその時はぜひ、日本の報道局にも来て現地のレポートを期待したいですね。

ここから先は

0字
「マガジンを購読」していただくと、他にも月に数本の記事を読むことができますので、お得です。マガジンでは、ブログやツイッターで書けない話を投稿していきます。一部の過去記事も読めます。

現在150名の方にご購読いただいております。 ・いま、アメリカで本当に流行っているもの ・海外発信者としてうまく発信するためのコツ ・若い…

noteご購入・サポートいただいたお金はすべて、アメリカ事業を成功させるために使わせていただきます。いつも応援ありがとうございます!