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初めての歩き旅 山口県萩往還をゆく

萩往還って?

山口県、日本海側の萩市と瀬戸内海側の防府市を結ぶ街道で、江戸時代に萩城からの参勤交代のために作られました。廃れていた箇所も整備され、当時のまま残された石畳に歴史を感じることができる53kmほどの道です。
城も建てた上に道まで作るって、どんだけお金かかるとよ~!と軽くツッコミつつ、2015年の大河ドラマ「花燃ゆ」のラッピング電車で東萩駅に降り立ちました。

1日目 萩の町でぜいたくランチ

私の中では「萩といえば甘鯛!」
なので観光協会に電話して食べられそうなお店を教えてもらい、その中から『割烹千代』に電話して「このコースでしたら甘鯛をお出しできます」というコースを予約。万全の態勢で臨んだのです・・

「?」とは思いつつなかなか言い出せず・・

満腹になったので吉田松陰が祀られる松陰神社や萩藩主、毛利家の菩提寺である東光寺などを見て歩き、夕方海辺の民宿へ。あんなに食べたのにお腹は空くもんですね。

「萩往還を歩く」と言ったら幕末好きと勘違いされ、歴史好きのご主人の繰り出す質問にアワアワしてしまう

2日目 いよいよ歩き旅スタート!

40代の私は「嬢ちゃん」に聞こえないふり

民宿からほど近い萩城跡に立ち、心の中でスタートの号砲を鳴らしました。
町なかを抜けると萩駅に向かって2kmほど一直線の道があり、その先にはこれから超えていくであろう山々が横たわっています。それを見て「私、やれるのか!?」と早くも心が折れかけました。

ひと山超えて明木という町に入ったところで膝に痛みが!河原で靴を脱ぎ足を冷やしてひと休み。「ダメだったら国道まで出てバスに乗ろうかな・・」と再び心が折れそうになりながら先に進みます。

待っていたのは『一升谷』と呼ばれる延々と続く上り坂。ふもとで一升の豆を買って歩きながら食べたら頂上でちょうどなくなる・・というのが名前の由来だそう。水筒のお茶もなくなり「暑くてキツくて死にそう!豆やら食べてられんやろ!」とヤケ気味に石畳の坂を上っていたら、いつのまにか膝の痛みもどこへやら。坂に沿って流れる沢の水で喉を潤し、なんとか宿がある佐々並の町にたどりつきました。

3日目 今日も山越え山口市へ

快晴の空の下、風情のある建物をスケッチ。佐々並はこじんまりした町ながらもちゃんと酒蔵がある!この旅で山口が酒どころということを知りました。

板堂峠あたりで県道を横切るはずが、先の道を見つけられずウロウロ。道路の向こう側のコンクリートの斜面にちっちゃい階段あるけど、あれのわけないよね~・・と、しばらく県道を進んでいくと歩くべき道と合流しました。方向からして「やっぱりさっきの階段やったったい!」と思いましたがあとの祭り。なかったことにして『四十二の曲がり』へと向かいます。
その名の通り曲がりの続く急坂ですが、下りなので余裕。大名行列がひしめき合って上っていく様子を想像すると楽しくなってきました。難所を抜けて県道を下っていくと木々の間から瑠璃光寺五重塔が現れます。あと少し!

渋く輝く五重塔を見物してから萩往還に戻り、山口市中心部に向かう途中で『ワインと地酒のムラタ』という酒屋さんを見つけ入ってみると・・そこは山口の地酒がズラリと並んだ夢の国!キャプションを見て悩みながら3本に絞り込み、自宅に配送してもらうことにしました。思いがけず幸せな買い物ができて、足取り軽く今日の宿『国際ホテル山口』にチェックイン。

4日目 旅の終着点へ

最終日、帰りの新幹線の時間に合わせて早朝に出発しました。順調に歩き『佐波川』という大きな川を渡ると防府の町も近づいて・・というところでトイレ問題発生!!どうしよう、どうしよう!?とあせっていると、民家の庭先で何やら作業中の方を見つけました。ワラにもすがる思いで「トイレを貸していただけませんか~?」とお願いしてみたら、渋々(当然です)貸してくだっさたのです!まさに地獄で仏、このご恩は一生忘れません!

ついに萩往還終点にゴールインしました!お抹茶で一服し、新幹線で帰路につきます・・が!改札で引っかかり駅員さんに切符を見せると「これは昨日の切符ですねー」と言われて呆然。予約の日付を間違っていたのです。そう言えば航空券の日付間違って、名古屋で急遽1泊したことあったっけ・・予約の際の日付には要注意!という教訓を胸に、旅を締めくくりました。

歩いてみたら・・

『歴史の道』というだけあって、ほんとに向こうから大名行列がやってきそうな気配がする素敵な道でした。この記事でその魅力が伝わったとは思えませんが、歴史が好きな方も、私のように歩くのが好きな方も、タイムスリップ気分を味わいに足を運んでみてはいかがでしょうか?


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