SF小説「ジャングル・ニップス」 第2章、1
第二章 オン・ザ・ロード
エピソード1 ロンピー
「アイツ、オレが顔見ているのに、一言も言葉投げてよこさなかったよ。」
ダッシュボードに乗せた足をユラユラと揺らしながら、エースケがヤスオに話しかけた。
「ああ、あのオトコ、曲者かもね。」
「ロンピー頼んだらロンピー出してきたもん。」
ヤスオは片手でハンドルを握りエースケに貰ったアイスコーヒーを飲んでいる。
「曲者ですか?」
「食わせ者じゃねえことは間違いないよ。心配すんなショーネン。」
エースケが頭を掻きなが