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Mars in Cancer 2023*火星が蟹座へ

7か月に及ぶ双子座世界の旅を終えて、3月25日に火星が蟹座の国へやってきました。5月20日まで蟹座に滞在します。

火星はについては「10月の馬」という記事にも書きましたが、勇敢な戦士、理想的な青年像のイメージです。

火星の惑星記号「♂」は、マルスを象徴する盾と槍を図案化したものです。
男性を「♂」と表記されることがありますが、本来はマルスを意味する惑星記号で、生殖器を表しているのではありません。

蟹座火星の雰囲気

火星にとって蟹座の場所は相性が良くないと言われています。単純に考えても、火と水(水星座)ですね。また外向的なエネルギーの火星と、内向的なエネルギーの蟹座は反りが合わないでしょう。

蟹座は、蟹(ほんとうはザリガニ)の固い殻が象徴するように、自己防衛が働く星座です。安心安全に注意が向かいます。

蟹座火星のポジティブな面は、安心できて居心地よい場所作りに熱心になります。家庭や家族、仲間を守りたい気持ちも強くなります。家族の為に何でもするという感じです。
ネガティブな面は、責任感が強くなり過ぎ、感情のアップダウンが激しくなるということ。

蟹座火星のイメージを人物で例えると、私世代の人には通じると思いますが『大草原の小さな家』のインガルス一家です。

このドラマは、1870~1880年代の西部開拓期のアメリカが舞台になっており、自らの手で土地を開拓し、家族が支え合って生きて行く様子が描かれています。
アメリカでは、1974年から1982年まで全9シーズンにわたって放送され、日本では1975年から1982年にかけてNHKで放送されました。

『大草原の小さな家』は、作者のローラ・インガルス・ワイルダーの子どもの時代を回想した自伝『この楽しき日々』(1943年)が元になっています。
お父さんは山羊座生まれ、お母さんは射手座生まれで、父と母は蟹座に火星はなかったですが、実は作者自身が蟹座に火星を持っており、それが物語に反映されていると思います。

1974年~1982年は冥王星が天秤座にいた頃で、日本は昭和50年代、テレビアニメ『アルプスの少女ハイジ』も大人気でした。

歴史的に見る蟹座火星

蟹座にいる時の火星は、ナショナリズムを強めます。蟹座火星の動きを全部追えていませんが、例としてアメリカの南北戦争・ビックスバーグの包囲戦(
1863年5月18日 - 7月4日)は、蟹座火星の真っただ中でした。

以下のホロスコープは、ビックスバーグ包囲戦の前日1863年5月17日の日食図(牡牛座26度)です。

1863年5月17日日食図

ビックスバーグの戦いは、火星と木星がスクエア、冥王星(まだ発見されていない)とはセキスタイルで、戦況が過熱しているのが感じられます。
この戦闘による北軍の損失は4,835名、南軍は32,967名(29,495名は降伏)でした。

アメリカの建国チャートでは、太陽が蟹座13度にあり、「アメリカは蟹座の国」です。ビックスバーグの戦いは、火星が蟹座12度にありました。
7月1日~7月3日のゲティスバーグの戦いは、南北戦争史上最大の激戦であったと言われています。戦闘が終わった7月4日、太陽は蟹座12度、火星は獅子11度に移動していました。

日本の例

第一次、第二次世界大戦は除外して見てみますと、火星が蟹座0度にあった1936年6月26日、日本では時局新聞の編集者が検挙されました。
そこからコム・アカデミーという組織の存在が明るみになり(しかし捏造だったそう)、治安維持法により文化人が一斉逮捕されるコム・アカデミー事件に発展しました。
そのときの逮捕者は、学者・研究者32名、左翼文化団体関係者29名。

治安維持法の設立(1925年~1945年)は、共産主義運動を弾圧するためだったそうで、「国体の変革」という新たな罪名が制定され、革命、変革、改造、社会主義などを説く者は過酷な弾圧を受けたそうです。

火星のトランシット

現在、火星は魚座土星とトライン、牡羊座太陽、魚座海王星とスクエア、水瓶座冥王星とクインカンクスです。

◆4月6日(満月)
魚座土星とトライン、牡牛座の水星とセキスタイル。
◆4月20日(新月・日食)~
牡牛座水星、天王星とセキスタイル。
◆5月6日(満月・月食)~
牡牛座天王星とセキスタイル、魚座海王星とトライン、牡羊座木星とスクエア、魚座土星とセキスコードレート。
◆5月20日(新月)~
牡牛座太陽とセキスタイル、魚座海王星とトライン、牡羊座木星とスクエア、水瓶座冥王星とオポジション。

蟹座火星は、後半の5月からが荒れやすい感じですね。土星とのセスキコードレート、冥王星とのオポジションが気になります。

また4月20日の日食では、火星の親分の冥王星が牡羊座最後の太陽とスクエアになるため、火星は天王星と調和しているものの、火星はまだアウトオブバウンズしている期間なので注意は必要そうです。

火星のアウトオブバウンズ(OOB)
バスケットボールなどの球技で、ボールがコートの外に出ることをアウトオブバウンズ(OOB)と言いますが、天体もOOBになる時があります。
占星術では、天体が赤緯23.27度を超えることをOOBと言っています。
OOBになっている天体は、自由で制限のない状態と言われますが、OOBのときは通常と違う動きをするので、その影響力(火星の場合は破壊力)も想像の範囲を超えるかも知れません。
火星は、2022年10月18日~2023年5月7日までOOBです。

蟹座火星期の過ごし方

蟹座火星期は、私たちの関心は家族や家庭に向かい、安心安全を求めます。争いは避けたいのに、自分や家族、仲間の安全が脅かされると本能的に反撃に出ることがあります。不安を刺激されることも起きやすいです。

蟹座火星の時期は、『大草原の小さな家』の一家のように、自分や家族が過ごしやすいように家を整えたり、日曜大工や家庭菜園を楽しむことや、家族や仲間と食事をする機会を増やすなど、この場所は安全だ、この人たちといると安心だ、と思えることを大事にされるといいと思います。

また火星の公転周期は約2年ですので、ネイタルで蟹座に火星がある方は火星回帰(マーズリターン)になります。
2年サイクルは、中期的な計画を立て実行するのにちょうどいいです。
たとえば、十年後に自分はこういう風になっていたいという目標があるなら、そのなりたい姿に近づけるために2年毎に実現しやすい計画(資格を取るなど)を立てるといいと思います。

今日はこのへんで。

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