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Jupiter in taurus,2023*木星の神話と牡牛座

2023年5月17日に牡牛座に木星が入りました。木星は、2024年5月26日まで牡牛座に滞在します。
9月4日~12月31日まで逆行しますが、牡牛座を出ることはありません。


木星と神話

木星は、太陽系の惑星の中で大きさ、質量ともに最大です。そのため肉眼でも見つけやすく、古代から観測されてきました。
古代バビロニアでは、木星は神マルドゥクと同一視されました。バビロニアの占星術師たちは、木星の約12年にわたる周期をもとに黄道十二星座の各星座を定めていたそうです。

また、多くの文明で神話や信仰の対象になりました。木星=Jupiterは古代ローマ神話の神ユピテルが語源になっています。
ユピテル信仰が盛んだったのは紀元前500年ごろと見られていますが、私が以前に調べたのは、古代ローマの暦をより正確にしたヌマ・ポンピリウス王(Numa Pompilius, 紀元前753年 - 紀元前673年)が、ユピテル信仰をしていたのが始まりだったように記憶しています。

中国では、黄道に沿った公転周期がほぼ12年であることから、十二次を司るもっとも尊い星として「歳星」と呼ばれた。
また、道教においては天形星(天刑星、てんけいせい)の名で神格化され、牛頭天王さえ喰らう凶神として恐れられた。

ギリシャ神話の天空神ゼウスは、ユピテルと同一視されています。
北欧神話のトール(ソー)、スラブ神話のペルーンやリトアニア神話のペルクナスも、ゼウスと同じ起源のようです。

リトアニア神話のペルクナス

ゼウスとエウロパ

占星術では、木星は射手座の守護星ですが、実は牡牛座に深い関係あるということを、5月20日の新月の記事に書きました。

牡牛座=Taurus(ラテン語で「雄牛」の意味)は、ギリシャ神話ではゼウスの化身です。

その昔、フェニキアにエウロパ(エウロペ)という名前の美しい王女がいました。エウロパを見初めたゼウスは、白い牝牛に姿を変えて近づき、そして彼女が牛の背中に跨った瞬間に走り出し、エウロパをギリシャに誘拐してしまったのです。
エウロパが海を渡った西方の地域が、「ヨーロッパ」 (Europa) と呼ばれるようになったと言われています。
ゼウスとエウロパの間には、3人の男子が生まれました。エウロパはクレタ島の王アステリオンと結婚し、3人の子どもはアステリオンの養子になりました。
ゼウスは雄牛に姿を変え、天の牡牛座になったと言われています。

神話には、いろいろなバリエーションがありますが、エウロパはゼウスがかつて愛したイオの子孫だったという説があります。

イオはゼウスの正妻ヘラ(ゼウスの実の姉)の嫉妬によって白い牛に姿を変えられ、ギリシャからエジプトまでさまようことになります。
エジプトで元の姿に戻ることが出来、男の子と女の子を一人ずつ産み、男の子はのちにエジプトの王エパポスになりました。
イオは、エジプトの王テーレゴノス(オシリスという説)と結婚し、イオはエジプトではイシスと呼ばれました。

なんだかややこしい話ですが、イオの子孫だったエウロパ自身も「牛」に繋がりがあったのですね。

エウロパの3人の子のうち、ミノスがクレタ島の王位を受け継ぎました。
ミノス(1世)は、太陽神ヘリオスの娘パシパエと結婚し、子どもが少なくても8人生まれました。

ミノスは、ホメロスの長編叙事詩『イリアス』と『オデュッセイア』に、クノッソスの王としてギリシャ文学に登場します。
ミノスはクノッソスに9年間住み、そこでゼウスから島に与えた法律についての指示を受けました。ミノスはクレタ島憲法の起草者であり、その海軍の覇権の創設者でした。

ミノタウロス

たまたまですが、木星が牡牛座に入ってから「牡牛」に関係するニュースが続きまして、そのひとつにミノタウロスがありました。ミノタウロスは、ミノス1世の妻パシパエが産んだ半人半獣です。

撮影された17日は、木星が牡牛座入りした日でした。

ミノス王は、義父であるアステリオスが死んだとき、クレタ島の王位を要求したが受け入れられなかった。そこでミノスは王国が神々によって授けられた証に、自分の願いは何でもかなえられると言った。
彼は海神ポセイドンに犠牲を捧げ、海から牡牛を出現させることを願い、その牡牛をポセイドンに捧げると誓った。すると願いはかなえられ、海中から1頭の美しい牡牛が現れたので、ミノスは王位を得ることができた。
ところがミノスはその牡牛が気に入って自分のものにしてしまい、ポセイドンには別の牡牛を捧げた。ポセイドンは怒って牡牛を凶暴に変え、さらにパシパエがこの牡牛に強烈な恋心を抱くように仕向けた。

悩んだパシパエは、木製の牛の張りぼてを製作してもらい、これを使って牡牛への思いを遂げますが、やがて生まれた子供は、人間の体に牛の頭が乗った怪物ミノタウロスでした。
はじめはアステリオス(Asterios)と名づけられましたが、長じて「ミノス王の牛」を意味するミノタウロスと呼ばれるようになりました。

※「アステリオス」は、ゼウスの別号である「アステロペーテース(雷光を投げる者)」と同じ名であるという。

ミノス1世は、9年毎に父ゼウスに相談していたそうです。
ミノタウロスが成長するにしたがい乱暴になったため、王はラビュリントス(迷宮)を建造し彼を閉じ込めました。
そしてミノタウロスの食料として、9年毎(1年毎という説もある)に7人の青年と7人の乙女をアテネから送らせることにします。

アテネから3度目の生贄が送られるとき、アテネの王子テセウスが自ら生け贄を志願し、ラビュリントスに侵入してミノタウロスを倒しました。

ミノタウロスと母パシパエ

このミノタウロスの話には、ミノス1世の殺害された王子と占星術的な意味が隠れています。
ミノス1世にはミノタウロスを除いて8人の子がおり、その中の一人アンドロゲオスが、アテネを訪れていたときに殺害されてしまったのです。

アンドロゲオスは、神パラースの息子たちと親交がありました。
しかし、アテネの王アイゲウスは、それに対して危機感を持っていました。彼は、パラースの息子たちが自分を快く思っていないことを知っていたので、ミノス王がアンドロゲオスを通じて彼らを援助し、自分の王権を奪わせるかもしれないと怖れていたのです。
それで、パンアテナイア祭(7月28日頃に行われていた)に訪れたアンドロゲオスを暗殺しました。

アンドロゲオスの暗殺を知ったミノス1世は復讐を誓い、アテネと戦争を始めますが、アテネを攻落することができなかったので、アテネ人に罰が下るようにと父であるゼウスに願いました。
するとアテネでは飢饉や疫病が起こり、アテネ人は神託に従ってミノス王の賠償要求を受け入れることにしました。ミノス1世は、ミノタウロスの食糧として9年毎に若い男女各7人ずつの生贄を要求したといわれています。

ミノス1世と月のサイクル

生贄は、太陽暦のサイクルに関係していたそうです。9年毎ならノード(月の交点)のサイクルが考えられます。
ノードは約18年サイクルですが、9年でハーフリターンします。
テセウスは3回目を阻止し、サイクルを終わらせたことになります。

古代末期から近世には、月の昇交点をドラゴンヘッド、月の降交点をドラゴンテールと呼んだ。インドでは月の昇交点をラーフ(Rāhu)、月の降交点をケートゥ(Ketu)と呼んだ。これらは漢字圏に移入され、羅睺(らごう)、計都(けいと)となった。

占星術では、月の交点は天体ではないが、天体同様天球上を移動し天体に準ずる占星点として扱われ、日食や月食と関係が深いために神秘視された。
西洋占星術ではしばしばホロスコープ上に特記される。
ゾロアスター教やアラビア占星術では巨大なドラゴン(パフラヴィー語:ゴーチフル(Gōčihr)、アラビア語:ジャウザフル(Djawzahr))であるとされた。

ミノスの名前は「月の神」の意味があり、ミノタウロスは太陽の擬人化という説があります。
生贄が男女7人ずつだったのは、7が神の数字(週のサイクル)だったからじゃないかと思います。
テセウスに倒されるまで28人が消費されたことになりますが、これも月のサイクル28日に関係しています。
14日はその半分で、太陽と月が180度=満月になったときですね。

また生贄の若い男女は、食べられたのではなく奴隷として働かされていたという説もあります。

テセウスによるミノタウロスの殺害の神話は、ミノア文明の終わりを物語化しているという説もあり、興味深いです。

ミノア文明を含むエーゲ文明が滅亡した(前1200年のカタストロフ)原因として他民族による侵略などが考えられていますが、アイスランドの火山噴火による降灰の影響で寒冷化し、飢饉や疫病が発生した理由もあるそうです。

ギリシャの洪水神話と日食

『ノアの箱舟』伝説によく似ているギリシャ神話「デウカリオンの洪水」の歴史的根拠として、ミノア噴火(紀元前1628年頃)によって引き起こされた地中海の大津波説があります。
津波は南エーゲ海とクレタ島を襲いましたが、ミケーネ、アテネ、テーベなどのギリシャ本土の都市には影響がなく、局所的な影響だったそうです。

神話においてデウカリオンの洪水の原因は、アルカディアのリュカオン王がゼウスの怒りを買ったことに端を発します。
古代ギリシャで、5月のはじめにリュカイオン山(狼の山の意味)で秘密の儀式を伴う祭りが開かれ、人身御供と共食いが行われていると噂が広まりました。プラトンによると、特定の氏族が山に集まり、9年毎にゼウスリカイオス(狼ゼウス)に犠牲を捧げ、人間の内臓と動物の内臓と混ぜたものを食べた人は狼に変身したとか。
狼人間のモデルでしょうね。

リュカイオン山にあるゼウスの祭壇跡

その噂がゼウスの耳に届き、ゼウスは貧しい身なりの旅人に変身してリュカオンの家に行きます。リュカオンはもてなしに人間の子どもの腸を混ぜた料理を出し、怒ったゼウスはリュカオン王と彼の家族を雷で滅ぼしました。
しかしガイアの取りなしで、リュカオン王の末の男子の命は助けられ、後にその子はアルカディアの王位を継ぎましたが、ゼウスは人間に嫌気がさし、絶滅させてしまおうと地上に大洪水を起こしたと言われています。

リュカイオン山の秘密の儀式での9年毎の人間の生贄と、ミノタウロスの9年毎の生贄がシンクロしますね。そのどちらにもゼウスが関係しています。

共食い説はちょっと置いといて、食べる=力を得る、食べられる=同化することなので、9年毎に同化すると考えると、やはりノード(日食月食)が関係していそうです。
文明を滅ぼすような大洪水や津波は、小惑星や彗星が衝突したと言われていますが、蝕が影響していたと考えられなくもないです。

古代ギリシャでは、日食は太陽が人類を放棄したとみなされていました。
アルキロコスの詩によれば、「オリンポスのゼウスは、たとえ太陽が輝いていたとしても、真昼に夜になるように光を覆いました。そのため、恐怖が人々を襲いました」と彼は書いています。

太陽の息子の墜落

太陽神というとアポロンが思い浮かびますが、もともとギリシャでは太陽神の名前はヘリオスでした。ミノタウロスを産んだパシパエの父です。
ヘリオスは、古代ギリシャではマイナーな神様でしたが、西暦4世紀頃にアポロンと同一視されたことによりメジャーになったと言われています。
ギリシャ神話や文学作品では、ヘリオスは女神セレーネ(月)とエオス(夜明け)の兄弟として描写されています。彼の象徴となる聖鳥は雄鶏です。

ヘリオスには、ファエトン(パエトン)という息子がいましたが、地上に大災害をもたらしたため、ゼウスの雷によって撃ち落とされたと言われています。

ファエトンは、友人のエパポス(イオがエジプトで産んだゼウスの子)から、ヘリオスの嫡子であることを疑われたため、自分が太陽神の息子であることを証明しようと、父に懇願して一日だけの約束で太陽の戦車を操縦しました。
ヘリオスは、太陽の戦車は自分にしか制御できないので大変危険だと警告しますがファエトンは聞き入れず、ヘリオスは根負けして許可しました。

しかし御すのが難しい太陽の戦車はたちまち暴走し、戦車を地球に近づけすぎると地球が燃え、遠すぎると地球は凍ってしまい、大災害を引き起こしました。リビュア(マグリブ)は干上がって砂漠となり、エチオピア人の肌は焼かれて黒くなり、世界の川はことごとく干上がってしまったのです。

ユピテルは暴走する太陽を止めるために、やむなく雷でファエトンを撃ち殺しました。ファエトンは、流れ星のようにエリダヌス川に落ちていったそうです。

ファエトンの陥落、ヨハン・ミヒャエル・フランツ作

別の神話では、ゼウスがファエトンを撃ち落としたために、大洪水が起きたとも言われています。デウカリオンの洪水と繋がっているのですね。
ファエトンが墜落したため、地上に大火事が起き、これを消し止めるためにゼウスが川の水を氾濫させたことによって、大洪水が起きたという説です。

ファエトンは、古代ギリシャ語で「光り輝くもの」を意味し、いくつかの説では、この名前で呼ばれる惑星は土星だそうです。
現在の土星は、冷えて固めるエネルギーですが、洪水で冷やされた?

地球の歳差運動と666

ちなみにミノタウロスminotaurは、英語のゲマトリアでは666です。
聖書の666を悪魔の数字と思っていますか?
6×6×6 = 216
地球の歳差運動は、約25920年。これを「大年」あるいは「プラトン年」と呼びます。ゾディアック(黄道十二宮の獣帯)の1星座を通過するのに、2160年かかります。

また地球の自転軸は、公転軸に対して約23.4度傾いており、公転面に対する角度は約66.6度です。

地軸は、公転の影響を受けないため、常に一定の方向を指しています。
GPSが発達する以前、数百年にわたって北極星が航海などに役立ってきたのは、こうした地軸の性質によります。
ただし、非常に長い期間では地軸自体の指す方向は変化します。これを歳差運動と呼びます。地軸の歳差運動の周期は約2万5,920年です。

地球の歳差運動により、春分点・秋分点は黄道に沿って少しずつ西向きに移動します。21世紀現在の北極星はこぐま座α星(ポラリス)ですが、西暦13,000年頃には、天の北極はベガ(こと座α星)の5度以内に位置するそうです。古代エジプトの記録によると、今から約4800年前(紀元前2800年頃)には、天の北極はりゅう座α星のあたりでした。

ところで現在は「みずがめ座時代」なのか、まだ「うお座時代」なのかを考えると、天文学的にはまだ春分点はうお座の範囲のため、「うお座時代」ということになると思います。

※春分点は、地球から見て十二宮を右回りに移動するので、うお座→みずがめ座→やぎ座というふうに、各宮を約25920年かけて動いていきます。

春分点の移動

スピリチュアルでは、アクエリアンエイジに特別な思い入れがあるので、「もうみずがめ座の時代に入っている」ことになっていますが、天文学的な「みずがめ座時代」はまだ数百年先のようです。
私は、現在はうお座時代とみずがめ座時代の狭間の狭間と考えています。

木星の占星術的意味

木星が及ぼす重力は、太陽系に大きな影響を及ぼします。木星は、数多くの彗星衝突を引き受け内惑星を保護していると考えられ、「太陽系の掃除屋」とも呼ばれているそうですが、木星の重力によって地球への小惑星の衝突が回避されていると見られているようです。
このように木星の重力が地球に影響しているのであれば、地球に暮らす私たちにも影響があると考えるべきでしょう。

雑誌の星占いなどで「木星は幸運の星」とよく書かれていますが、実際のところ、そんなに単純なものではないです。
棚ボタ式に成功がもたらされることが少ないように、木星が自分の生まれたときの星座(今回は牡牛座)に入ってきたからと言って、何もしないでは幸運を手にすることはありません。
しかも、木星はゼウスのようなエネルギーを持っているので、ゼウスのように善いことも悪いことも増やします。

木星の牡牛座期間は、牡牛座のテーマである「I have」に関係した展開があると思います。財産が増えたり、家族が増えたり、体重が増えたりするかもしれません。逆に、財産が減ったり、家族の誰かが引っ越したりというようなこともあるかもしれません。

牡牛座と木星ノード合

木星と北ノードは、日本時間6月2日に牡牛座3度37分でぴったり重なります。(これについては、6月の星の動きに書きます)
前回、牡牛座で木星と北ノードが重なったのは1929年5月でした。

木星の公転周期は約12年、ノードは約18年ですが、ノードは常に逆回りです。
現在のノードは北ノード(ヘッド)が牡牛座、南ノード(テイル)が蠍座。
7月から2024年12月までは、北ノードは牡羊座、南ノードは天秤座に移動します。木星は2024年は双子座に入っています。
次に木星とノードがぴったり重なるのは、2037年9月23日頃に「蟹座」で重なります。

牡牛座に木星が入ったので好景気が期待されていると思いますが、1929年といえば秋にウォール街で株価大暴落が起き、それが世界恐慌のきっかけとなったと言われています。
現在、アメリカはデフォルト危機があり(いったん回避された)、ドイツもイギリスも景気後退しています。

1929年と今回は、ほかの天体の位置が違うのでまったく同じ状況ではありませんが、もしかすると今回も秋ぐらいにそんな流れになるかもしれません。
念のため気をつけておいてください。
預金や財産がたくさんある方は、何が起きても慌てず対応できるように財産管理を明確にしておかれるといいかもです。

長くなりましたので今日はこのへんで。最後までお読みくださりありがとうございました。

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