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英国アイウェアクラシックの原点

こんにちはロンドンでFrame makerをしている新井です。突然ですが皆さん、明日からオーダーメイドの眼鏡が無料です!と言われたらどうしますか?もちろん欲しいですよね。

ここイギリスでは1950年代〜1980年代までにそんな夢のような時代がありました。1948年から現代まで続き、ロンドン在住の僕も強制加入の保険制度NHS(National health service)がその役割を担い、当時イングランド内にあった50以上のファクトリーにそのフレームの生産を委託していました。

当時のNHSのフレーム見本

そしてそのフレームを現代まで作り続け続けていたのが、ブリンクベースでもお馴染みのSavilerowを生産していた工房Algha Worksでした。しかし、NHSが眼鏡の無料支給を終了した80年代以降、それらのファクトリーは急激に閉鎖が相次ぎそして遂にAlgha Worksもコロナ禍にその長い歴史に幕を下ろしました。

Algha works

遡ること6年前、僕も一目Algha Worksを見たいと単身で初めてロンドンを訪れました。学生の勢いだけで突撃しましたが門前払いをくらい、Smeed Roadに面する入口で座り込んでいたときに工房から出てきた1人の初老に突然声を掛けられました。その彼こそ現在僕の師にあたるLawrence Jenkinだったのです。

2017年に偶然出会ったときのLawrenceと僕

という話はここまでで、今回僕がデザインしたSMEEDを紹介します。

英国ファッションがお好きな方や眼鏡通の方は、イギリスのクラシックな眼鏡というとウェリントンシェイプを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。SMEEDのフロントデザインは英国クラシックを継承するベーシックな玉型と、少しエッジの効いた外形が特徴です。

イギリスのアイウェア全盛期と言える1950年代〜1980年代に富裕層がフォーマルな装いに好んでかけたアイウェアをイメージしました。

こちらのフレームが気になる方は5月19日よりブリンクベースで開催するCUBITTSのポップアップストア限定でビスポークオーダーすることができますので是非お立ち寄りください。オーダーいただきましたフレームは僕たちFrame makerがロンドンの工房で一本一本丁寧に製作いたします。

そして5月27、28日は僕とCUBITTSの創業者Tom Broughtonが店頭でお待ちしています。眼鏡のことは勿論、イギリスやロンドンのことなど皆様と直接お話しできるこの機会を、心より楽しみにしています。

Text: Keito Arai
2021年にBlincを退社。現在ロンドンでアイウェアブランドCUBITTSにFrame makerとして勤務しながら、デザイナーLawrence Jenkinの元でフレームデザインと製作を学ぶ。