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「眼鏡に人が宿る?」ローレンス・ジェンキン氏が手掛ける眼鏡について、師の元で眼鏡作りを学ぶ新井慧斗氏に聞いてみた。〈Lawrence Jenkin Spectacle Maker〉

どうもこんにちは、ブリンクベースの田代です。

眼鏡界のレジェンドと呼ばれる、ローレンス・ジェンキン氏による英国発のアイウエアブランド〈Lawrence Jenkin Spectacle Maker〉が入荷しまして、

ここで改めてローレンス・ジェンキン氏による同ブランドは、何が人を魅了させているのか?について、現在CUBITTSのフレームメーカーでありながら、ローレンス・ジェンキン氏の元で研鑽を積んでいる新井慧斗氏に話を聞いてみました。

田代:新井くんが日本にいる間にたまたま〈Lawrence Jenkin Spectacle Maker〉の入荷がありまして、せっかくなのでローレンスの弟子として眼鏡作りを学ぶ新井くんにローレンス・ジェンキンの凄さとは何なのか?(以下LJ)という話を聞きたいと思いましてお呼びしました。

新井:良いタイミングでしたね!

田代:ブリンクのスタッフもLJにはとても影響を受けてますし、デザインの素晴らしさは肌で感じていると思いますが、実際にLJの元にいるのは新井くんだけなので、新井くんにしかわからないLJの凄さってあると思うんだけど、LJの「これはみんなに伝えたい!」みたいなのある?


【イギリスの伝統的な眼鏡作りを守り抜いている】

新井:そうですね、沢山ありますけど、一つ目は今ではほとんど残っていない「イギリスの伝統的な作り方を守り抜いている。」ということですかね。

田代:イギリスの伝統的な作り方って、具体的に日本の作り方と比べてどういう差があるの?

新井:日本の眼鏡作りと異なる点をあげるときりがないですが、最も異なる点はフレーム作りの核となるマスター(型)を切削機を使わずに製作する点じゃないでしょうか。

田代:今となっては切削機によるマスターによって仕上げられた眼鏡って当たり前だけど、LJのフレームを見てからこんなにも差が出るのかというくらい、手作業によって仕上げられた眼鏡に血が通って、温もりに近いものを感じられる眼鏡だと感じたね。このポイントはLJの大きな肝の一つなのは間違いないよね。

新井:そうなんですよね〜、、この工程を機械を使わずに"手"で行うことで大量生産品にはないローレンスらしい手作りの風合いが生まれていると思います。

【フレームメイキングをしているからこそ生まれるデザイン】

新井:二つ目は、「フレームメイキングをしているからこそ生まれるデザイン」ですかね。

田代:どういうところが分業の眼鏡作りでは成し得ないポイントなの?

新井:日本の眼鏡作りは工程ごとの分業制で作られることが殆どですが、イギリスではローレンスのようにデザインから完成までを全て一人で行います。そうすることで時には削っている最中にデザインを少し修正することもあって、その偶然が生むデザインというのはあると思います。

田代:ある意味一個一個がそれぞれ同じではない、それぞれが違う仕上がりになるってことか。手作業ならではだね。

新井:そこがハンドメイドの面白いところでもありますからね。

【Anglo American Opticalを正統に継承するブリティッシュデザイン】

新井:あとは「Anglo American Opticalを正統としたブリティッシュデザインを継承している」ところですかね。

田代:元々ローレンスはAngro American Opticalのデザイナーをやっていたよね?

新井:そうですね、彼がレジェンドと言われる所以の一つに彼が1970年代から約30年間デザイナーを勤めたAnglo American Opticalの存在があります。彼の父親が創業した同ブランドは、イギリスのトップブランドとしてイギリスフレームデザインのアイデンティティを築き、正にローレンスはその立役者でした。

新井:LJのフレームデザインを見ていくと、Anglo American Opticalを引退した彼がデザインしたものですので、少なからずAnglo American Opticalの面影を感じることができます。

田代:彼の培ってきてものがLJには勝手に滲み出ているよね。LJファンにはたまらないデザインだと思う。

【ローレンス・ジェンキンの人柄を体現したような仕上がり】

田代:語りすぎちゃうとブログ長くなっちゃうから、あと一つだけ教えて!笑

新井:あと一つですか!?笑。そうですね、、、「ローレンス・ジェンキンという人物を体現している」ところですかね。

田代:人物を眼鏡で体現しているってどういうこと??

新井:これは結構僕がローレンスと一緒に作業していて感じたことなのでかなり抽象的ですが、とにかくローレンスって誰にでも優しいんですよ(笑)

新井:全てのことを惜しみなく教えてくれますし、ご飯を食べながら昔の話をしてくれたり。年齢差もあって僕にとっては優しい第二の祖父のような存在です。
LJの誰がかけても顔に馴染む優しいデザインは、そんなローレンスの人柄が反映されていないとあのデザインや仕上がりにはならないと思うんですよね。

田代:なるほどね〜、さっきの「血が通っている」もそうだし、少し精神的な話になっちゃうけど、物に人が宿るっていうのは僕もあると思う。

新井:でも色々眼鏡見てきましたけど、そういう精神的な部分にも影響を与える眼鏡っていうのは今までにない感覚ですね。本当に不思議だと思ってます。

田代:奥深いね〜、この辺にしとこうか?笑

新井:そうですね!笑 またイギリス戻って色々な物事を吸収したら、その時に話させてください!

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〈Lawrence Jenkin Spectacle Maker過去記事〉

Text: Junichi Tashiro

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