飛行機予約の際、電動車いすの事前確認って何の意味があるの?
どうも、ハシロウです。
今日はまあまあタイムラグのない、ちょっとまじめな話をします。
先日見つけた新聞記事にまつわる話。
まずはこちらの引用文をご覧ください。
ハシロウも以前、この記事とほぼ同じ経験をしたことがあります。
ハシロウは結果として搭乗できたのですが、車いすのバッテリーを巡るやりとりが本当によく似ていて。
まずはその時の話をします。
電動車いすの搭乗予約には事前確認が必要
初めて飛行機を使って移動をすることになった時、電話で搭乗予約をした際に車いすのバッテリーの仕様を聞かれました。
これは車いすを購入した時に業者さんからあらかじめ聞いていた話だったので、空港の事務所か航空会社にかは忘れましたが、バッテリーの仕様について書かれた書類を送りました。
海外製で英語の説明書だったので内容は詳しく知りませんが、
「これを見せれば大丈夫です」
と業者さんから言われていたので問題ないと思っていたら、当日空港で車いすを預ける段になって、
「バッテリーを外してください」
と言われました。
ハシロウの車いすも引用記事と同様、外からバッテリーが見えないタイプです。
バッテリーを外すにはまず外側のカバーを外し、それから専用の工具でバッテリー本体を外す必要があります。
工具などそもそも持ってきていませんし、仮に持っていたところで、この手の電気系統はうかつに素人にはいじれません。
(業者さんにも割としっかりめに「手を出すな」と言われていました)
事前に送った書類を持ってきていたのでそれを見せたところ、何やら一悶着あった末に現場で一番偉いっぽい人がやってきて、
「車いすの会社に確認が取れました、このまま預けて問題ありません」
ということになり、無事に搭乗に至ったわけですが。
このやりとりだけで30分近く使いました。なんのために事前確認をしたんだろう……?
ピーチエアの対応に疑問を感じる点
今回のピーチ社の対応について不思議だな、と思うのは、
「工具がないとバッテリーを外せない車椅子は預けられない場合があると断っている」
のであれば、メールでメーカーの説明書を受け取った時点で、ある程度リサーチした上で、
「搭乗をお断りする」
という選択も含めて、今回とは別の対応ができたのではないか、という点。
ハシロウが使っている車いすメーカーのサイトには、飛行機搭乗の際のバッテリーの扱いについてきちんと書かれています。
この記事の方がどこのメーカーの車いすを使っているか存じませんので、電動車いすを扱っている全てのメーカーがサイトに情報を載せているかどうかは分かりませんが、
搭乗を受け入れるか否かの判断は問い合わせの時点でできた可能性があった、ということです。
記事の方は、事前にメールで書類を送っています。
その上で、搭乗時にも書類を持ってきています。
本人からしたらこの時点ですでに二度手間なわけです。
提示されたことを滞りなくやってきたにもかかわらず現地で断られて、急きょ別の飛行機の手配をしなくちゃいけなくなってしまった。
この別の飛行機に乗るために、記事の方はもう1泊しています。
最初のメールの時点で「ちょっと無理です」って言ってくれれば、使わなくて済んだ時間です。
幸い航空会社は数多くあるのですから、よりスムーズに話が進むほうを選べば良いだけの話。
合理的配慮とはどういうことか
先日、イオンシネマの一件について別の方と話をしていて思ったのですが、
民間の会社は、
「なんでもかんでも全部断っちゃだめ」
と思っているフシが少なからずあるようなのです。
4月に改正された障害者差別解消法が言っているのは、
「障害だけを理由にして断ってはいけない」
ということであり、
「対応する側が現状のキャパを超えてでも受け入れなくてはいけない」
ということではありません。
それは内閣府のリーフレットにも明記されています。
以下引用。
その上で、
「現時点でキャパが足りない部分について、これからどのように対処していけば良いか」
というところまで話し合いを進めていければ理想ですし、法の趣旨にも沿っています。
それはこれからの話なんだろうと思いますが。
「日本の合理的配慮には大きな穴がある」という記事を書きました。
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