見出し画像

「自分の何がいけないか」を聞く勇気

『31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる』という爆笑婚活体験コミックエッセイがあります。
彼女は1年以内に結婚することを決め、婚活に励み、見事目標を達成します。そのお相手は、ヲタク嫁にふさわしいヲタク男性。
彼の婚活体験記は、続編の『31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる』で語られます。そしてこの彼がすごい。

婚活サイトに登録するも、しかし1通もメールが来ないまま1か月が経過。
写真をどうにか加工したりと小汚い手を使ったことはともかく、自分をブラッシュアップさせようと努力を重ねていきます。
ようやく、いいね! がもらえるようになり、実際に女性と会えるようになります。しかし待ち合わせ場所で無視されて会えなかったり、会ったあとに音信不通になったりと、不遇が続くのです。

そのため彼は、サイトで出会った女性から教えを乞うことにしました。
さまざまな人に「許せないポイント」を聞きました。
「それ、プロフで判断できるじゃん」っていうような、いらない情報もたくさんありましたが、そのうちに、彼が師匠と呼ぶ女性と出会います。
彼女は、「あんたの服装、ないわー」と、ビシバシファッションチェックを入れてくれるのでした。
「ジーパンに紐のベルトとか……そんなんどこで買ったの?」
「デートにランニングシューズが場違いって発想はないんだ?」
「財布もボロボロのを使ってたよね」
などと厳しくも、本人は気にも留めていなかったことをズバズバ言われて、彼は精進していきます。
結果的に、すごく気の合うステキな女性(マンガの筆者)と結婚するわけです。

彼のすごくいいのは、いろんな人に意見を聞いて自分で弱点を修正していったところ。
これ、あまりできる人がいないような気がします。

みなさん、就活がうまくいかないとき、人間関係でうまくいかないとき、会社で活躍できないとき、
「自分の何がいけないか」
をちゃんと人に聞けます?
いろんな人に意見をもらって、自分なりの答えを出して前に進むことができますか?
和久井は全然できませんでした。

相手が何を求めているのか、まったくわからずに勘違いしたまま、自分を否定されたとか、怒られたと思って仕事を辞めてました。
「辞めるのかよ、そうじゃねえから!」って思われてただろうな。

そういう経験を踏まえて、和久井がスタッフに言うことはいつも同じ(はず)です。
「わからないことは人に聞こう」
「入ったばかりの会社で、仕事ができない・分からないのは当たり前」
「誰でも失敗はする。大事なのは、失敗をどうカバーして、どう活かすか」
「自分の意見をちゃんと言おう」

だけど、自己否定に苛まれて辞めちゃう人は、これらの重要性がわからないように見えます。
プライドを守って努力をせずに自分のスキルの足りなさを嘆いているように見えるんです。

スタートが同じでも、ちゃんと自分の足りないところを理解して修正できる人は、スクスク仕事のできる人になっていきます。
だから、必要なのは才能とかスキルとかよりも、前進しようという意思、ちゃんと人に聞ける姿勢です。

仕事って、自分のプライドと戦うことだと思います。
人を怒らせて落ち込んで、スキルのなさにハンカチを噛む。自尊心が削られることなんて日常茶飯事です。
これに耐えて、石にかじりついていると、たまーにご褒美がある。
それが仕事。基本辛い。

目に見えて前進することなんてないけど、努力を続けていると、いつか振り返ったときに裾野が広がっていることに気づいたりする。

めっちゃ仕事ができる人、バリバリ稼いでいる人、第一線で働いている人は、みんな死ぬほど悔しい思いをして努力しているんだと思います。

人とうまくいかない、仕事ができないと嘆く前に、やれることは山ほどあります。
その第一歩が「自分に何が足りないのか」を人に聞く勇気です。
それに気づけるかどうか。


この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?