イノベーションの光と闇、というポエム。

ベンチャーのイノベーション話は、自分達が既存の産業を殺す側の攻める悪戦苦闘話なんで、基本的に前向きで皆が明るく語る。

でも、大企業のイノベーション話は、そもそも成功例も少ないですが、本当に実行すると既存の事業や人材の知見をお払い箱にし、血の雨が大量に降るので、成功の当事者であっても誰も公でドヤ顔で話せない問題。

同時に、大企業は、売上は行き詰まって縮小傾向なのに、社員の平均年齢や平均年収の高まりに耐えられず、守りのために人件費コスト削減もせねばならぬことが多い。

それもまた「誰に報いるか」という明るい話ではなく「誰に報いないか」を決める血の雨が降る系の話なので、守りのテコ入れも、誰も公で話せない問題。(ちなみに「誰に報いないかを決める」は、ある上場企業の経営層の方のセリフからの拝借です)

つまり大企業における昨今の2大経営テーマにおいて、攻めのイノベーションも、守りの人件費削減も、誰も明るく前向きに公に話すことは難しいし、その公の話が明るい話だとしたら、それは基本的に本質の片面なのは否めない。

弊社はクライアントが大手企業が多いので、NDA云々だけでなく、イノベーションというテーマを、明るく楽しいものとしてだけ話すことには、ちょっと心理的な抵抗がある。

それは、大げさに言えば、既存の事業や個人の痛みを伴う話の側面が強いので、イノベーションやコスト削減をやり遂げて業績が好転しても、どこかで罪悪感を背負ったものが残り、すっきり晴れやかなドヤな気分にはならない。

これは、そういうものなのですよね。

インサイトフォースは、ざっくりクライアントの8割は大手企業で、2割はベンチャー企業なのですが、イノベーションというものを語り、推進するときの明るさが違う。

そこに良し悪しはないのですが、本質的に攻め込む側の明るさと、守る側の哀しさを、人間の感情として感じます。私もベンチャー支援の時は、攻める側のカタルシスを感じます、率直に言って。

で、大企業だと色々摩擦起きますが、そこで躊躇したら、全員死ぬので、大手企業でもやるしかないのですよ、断固として。

これは、日本という単位で考えても一緒なんですけどね。膨れ上がるシニアの医療費は、削減しなければ、国の未来は立ち行かないのは明白。もちろん生産性の低い会社は潰し、生産性の高い会社が伸びるのは、マクロでは正しい。

でも、「シニアに報いない」「生産性が低い事業を潰す」という意思決定は誰だって避けたく、当事者になりたくない。

そこを政治家も、その政治家を選ぶ我々も、やりきる覚悟なく、ぬるく放置しとるわけです。誰だって恨まれたくないし、嫌われたくない。でも、次世代に対する責任放棄よなぁ。

とかなんとか言いつつ、こんなしんみりと感傷的な話してるリーダーがイノベーションの旗を振っても人々は動かない。

イノベーションのダークサイドを理解しつつ、それがもたらす果実をビジョンとして明るく語り続ける清濁併せ呑む人が真の変革リーダーなのです。

ダークサイドを理解せず、身内を殺す現実にリアリティなきイノベーション号令は、なんだかな、という話で。

むむむむ。という、深夜ポエム。

P.S
いや、本当は新著のプロモーションになるようなブログ書かなきゃ、と思っていたタイミングなんですよね。何を深夜に書いているんだか・・・

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