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高齢者の食事で最も重要なこと

糖尿病患者さん向け、歯の悪い人向けのレシピやお弁当はかなり一般的ですね。
母が週4回、昼食のお弁当を届けてもらっていますが、こんな田舎でもチェーン店のようでいろんなコースが選べます。しかも市から補助が出るので1食当たり170円で助かっています。
添加物も使っていないと言う触れ込みだったので(おそらく調味料レベルで)、もう1年ぐらい利用しています。

母のコースは普通食。
量が少ない以外は市販されているお弁当と変わりありません。
欲を言えば、メインのおかずが小さい。

タンパク質を手の平に乗る分ぐらい、重さでいえば毎食100gほしいのですが、そうそうワガママは言えません。

分子栄養学では体重1kg当たり、1gのタンパク質を毎日摂ることが理想とされています。

体重50kgであれば50g。
ならば1日100gのステーキ半分でいいのね。

と言うわけでもないのです。
ステーキ肉の大半は水分で、脂肪もあります。
純粋なタンパク質量は20gだったりします。

火を通せば、タンパク質の構造が壊れ半減します。
下手をすると100gのステーキから10gのタンパク質しか摂れないのです。

単純計算すると1日にステーキ5枚でやっと追いつくという計算です。
おそらくそんな食生活をしている人はがっつり系肉好き男子ぐらいでしょう。

がっつり系男子の体重が50kgとは考えづらいので、それでも足りないと言うことになりますが。

タンパク質の重要性はメディアでも頻繁に取り上げられているので、ここであえて披露することもないでしょうが、いかにタンパク質を維持して、細胞を減らさないかが老化の進行を遅らせる鍵となります。

高齢者がタンパク質不足になる理由は、食べる量が単純に少ないと言うだけでなく、消化吸収能力が衰えるためです。

消化器が弱ると、肉を食べたくない、食べた後に胃がもたれる、下痢をしやすい、など不快な症状を感じます。

そして、さらに食べなくなると、消化液も出なくなり余計に食べたくなくなり、タンパク質不足が深刻になっていきます。

タンパク質が切れた時が寿命だと私は思っています。

テレビで長寿の方が朝ご飯にステーキを食べているシーンを見たことはありませんか?
朝からステーキを薦めているわけではありませんが、合点のいく行動と結果ですね。

また、よくガン患者さんが痩せていきますが、それは体中のタンパク質を分解して糖を作りガン細胞に渡しているためです。

ガン細胞の増殖が免れないとしても、適度なタンパク質と糖質(甘いものではなく)を摂ることで、タンパク質の分解のスピードを遅らせることはできるはずです。

では、どうやって高齢者、もしくはガン患者さんにより多くのタンパク質を摂ってもらえるか?

それはすべてのおかずにタンパク質を入れることです。

この記事の写真は数日前に母と食べた朝ごはんです。

全ての皿にタンパク質を入れています。

スクランブルエッグは卵はもちろん、牛乳とバターが入っています。
ナスの煮浸しには豚肉、筍ご飯にも小さく刻んだ鶏肉。
味噌汁も味噌、油揚げ、そして出汁は煮干しで取ったので、タンパク質の他ミネラルも豊富です。
うどの醤油がけときゅうりの糠漬けにも鰯ぶし(地元では一般的)をかけています。

逆に、タンパク質メインのおかずには野菜を添えるようにします。
スクランブルエッグに添えたスナップエンドウとミニトマトのポジションですね。

そうすると自然と水溶性食物繊維を多く摂るので、高齢者にありがちな便秘対策にも繋がります。
水溶性食物繊維は野菜や果物だけでなく、キノコ類や海藻にも多く含まれています。干したもの、塩漬けなど保存性が良いものが多いので家に常備したいですね。

そして、おかずに入れるもののタンパク質に戻ります。

鰹節、桜エビ、卵、ナッツ、海苔、シラス、ジャコ、などなど。

タンパク質だけでなく、不足しがちなマグネシウムやビタミンDまで摂れるものばかりです。

栄養ばかりでなく、味にもコクが出るし、色鮮やかで美味しそうになります。

タンパク質の摂取を増やしていくと、体もそれに合わせ消化吸収能力を伸ばしていきますから、うまくいけば「ちょっとお肉食べてみようかな」と言い出すかもしれません。

それから肉など消化が大変なメニューの時は酢の物も合わせてください。胃酸の手助けをしてくれます。
デザートならパイナップル、キウイの消化酵素が活躍してくれます。

「何にでもちょっとだけタンパク質」

おすすめです!ぜひ試してみてください。

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