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レザーの仮面

年に一度、店頭実演販売を行うイベントがある。 店舗に立ち、商品を説明して販促を行うアレである。 普段から会話は「ドュフフww」もしくは「ゲフヌポゥww」などでどうにか構成している喪女であるため、人前に出ればどうなるかはお察しである。 まして商品を説明して買ってもらおうだなどと思い上がりも甚だしい。 毎年この時期は一気に2世紀ほどワープするか宇宙が消滅することだけを願って生きている。 今年は特に散々だった。 予想外のトラブルに見舞われ、例年以上に時間を避けなかったばかりか、ス

    • 牡丹とひじき

      とんでもなく美人の同僚がいる。 100人いたら100%全員振り返り、うち78人は失神している。さらに2人は果敢にも連絡先を聞き出そうとして断られ、既に失意の旅に出ている。 立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花、彼女は少しハーフぽい顔立ちをしているので、まさに大輪の薔薇のような出で立ちだ。 我が部署には女性が2人しかいないので、立てばワカメ 座ればひじき 歩く姿は切り干し大根(水戻し前)のこちらとしてはたまらない。 恐らく陰で「あの部署のひじきの方」とか言われている。い

      • 若妻力

        電子レンジが壊れた。 思い返せば学生時代からの付き合いだ。病める時も健やかなる時(こちらは通算5分くらいだが)も長く共に過ごした仲である。 電子レンジ側としても「アタシもそろそろこの人と離れてのんびりと余生を過ごしたい」と思い始めても良い頃なのかもしれない。行き先は海外になってしまうのかもしれないが。 などと感傷に浸る暇もなく、我が家には死活問題である。新しいレンジの購入を検討せねばならない。 新しい家電を購入するときというのは、自分の中のユーザーニーズ、即ち「その家電

      レザーの仮面