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ぽとんぽとん

なかなか、心の中、頭の中に渦巻く考えを文章にできないでいる。

noteもコンスタントにはなかなか読めないという状態。

それでも今は月末。

とりあえず走る。
目標の距離を走るために。

今日は距離は短め。
ゆっくりゆっくり、高い空と秋の景色を楽しみながら。


そうしたら、走る道沿いから、

ぽとん、ぽとん、

地面に叩きつけるようで、吸い込まれるような音が、幾つも幾つも。

今まさに着地した、というのか。
何かをノックしている、というのか。

私の走る足音の合間に、ぽとんぽとん。


...正体はすぐに分かった。

ふと見下ろすと、足元には沢山のどんぐりが。これでもか?というくらいに敷き詰められている。


ただそれだけのことなのだけど、
どんぐりが落ちる音を、こんなに立て続けに、シャワーのように聞いたことがないなぁと気づいた。
走っていて、目が釘付け、ならぬ、耳が釘付けになった。
そればかりを耳が追った。


ぽとん、ぽとん。

ぽとんぽとん。


春には若い葉を生い茂らせ、それから黄緑の硬い実をつけて、それが秋に茶色くなって。

季節を一生懸命に生きた結果、その結晶となるものを地面に落とす。
その重みを伝えながら。


耳から入ったその音は、私の心も打ち続けた。

励まされているような、諭されているような。
寄り添われているような、背中を押されているような。

何のメッセージか、はっきりと言葉に表すことはできない。
でもきっとどんぐりは、地面に、地球に、そして私に振動を与えながら、なにかを伝えようとしている。

受け取った私も、心がほのかに温かくなる。
何かのメッセージが確実に伝わっている。

それが何かはまだはっきりわからないけれど、道を見つけては見失ってばかりの私を後押ししてくれるちからになるような気がしている。


日々の生活の中で、思うようにいかないこと、制約があってできないこと、どうしたって他と差が開いてしまうこと、比べてしまうこと、答えが一つにビシッと決まらないことばかりであること、支えとなるものを見失うこと、自分の向かう先が何だかよくわからなくなること。

それでも季節がめぐれば実をつけて、ちゃんと地面をぽとんぽとんと叩くどんぐりがいる。

私も、こんなに重たく湿った音は鳴らせないが、幾つかは実をつけて熟すことができているのかな。

#秋 #実 #どんぐり #薬剤師 #つぶやき #音  

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