何者?
「わたくし、こういう者です。」
名刺に書ける肩書きが欲しかった。
本の著者の略歴に書かれるような、立派で見応えのある略歴が欲しかった。
無理やり何かのエキスパートになろうと頑張ったこともあった。
SNSが日常にあまりにも溶け込んでいる今、自分というものを商品にしたり、自分が何者であるかが大切という風潮が強く感じられる。
だからこそ、自分が見つけられないと、延々と自分探しの旅が続いてしまう。
その果てには何が見えるのか。
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分かりやすい明確な理念を掲げ、わたくしはこういうことをしております、とはっきり説明できるような活動をされている方々。
自分に課せられたものを受け取り、それを全うされているようでとてもかっこいいし、素敵だ。
それはそれで良いのだけれど、でも、みんながみんなそんな生き方でなくてもいいんじゃないか。
みんながそう在るべきということはないんじゃないか。
...いや、少なくとも私は、だ。
わたくしはこういう者です、と最終的な大きなゴールを明確に示して生きていくのは向いていないのかなと。
ふと最近そう思ったのだ。
人生はわからないことだらけ。
きっと今での人生の経験の中で、曲がった価値観やモノの見方もしている。
今やっと、色んな世界が見え始めているところ。
目の前にあることをコツコツとこなし、他の方に自分ができることを提供する代わりに、私ができないことやモノをいただく。
大きなゴールではなく、小さな目標や、目指したい姿をひとまず目指して進み、また考えては少しずつ軌道修正していく。
だから、きっと人生が終盤にかかる頃になってやっと、わたくしはこういう者です、って言えるようになるんじゃないか。
自分ってなんだ?何者だ?
探し続けても、きっとA=Bみたいな明確な答えは見つからない気がする。
いや、答えはないのかもしれない。
そしてウンウンと考えて分かるものでもないのかもしれない。
だったら、目立たなくても、こういう者ですって言えるようなことをできなくても、自分が出来ることを出来る範囲でやって小さく動いていくしかないんじゃないか。
インフルエンサーに誰もがなれる訳でもないのだし、その役は誰かに任せて。
私は私に出来ることをやろう。
世界の中で私が担えるほんのひとかけらを。
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