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記事をシェア‟デイサービスでハイヒールを履くイギリス人女性に、長寿社会のビジネスチャンスを見た”

forbes web 2019/08/26 より一部抜粋

イギリスロンドン南東部に広がるケント州、ロイヤル・タンブリッジ・ウェルズ。 内閣府の「青年社会活動コアリーダー育成プログラム」という事業で高齢者分野の派遣団員として「生きがいのある高齢者の生活」をテーマにイギリスを訪問した。

郊外の静かな田舎町のデイサービスで、介護スタッフに支えられて送迎車から降りてくる1人の要介護高齢者。おそらく80代だろう。私は彼女の足元を見て、驚きを隠せなかった。

その人は、「ハイヒール」を履いていた。杖をつきながら、優雅に室内に入っていく高齢者がピカピカのハイヒールを履いている。その姿に見とれていた私に、現地の介護スタッフが「どうしたの?」と声をかけてくれた。そこで私は素直に疑問をぶつけた。

「あの状態でハイヒールは危ないんじゃないの?」

すると、「確かに危ないかもね、日本ではお年寄りはどんな靴を履いているの?」と、屈託のない笑顔で返された。

大きなマジックテープと滑り止めがついた布製の介護シューズを履いている高齢者しか見たことがなかった私は、「そうね、とっても安全で、とってもダサい靴を履いている。というか履かされているわ」と苦笑しながら答えた。

この後も、高齢者施設の視察は、驚きの連続だった。

ほとんどのお年寄りは綺麗にメイクをしており、髪もきちんとブローされていて、鮮やかな口紅をつけて生活をしていた。

入居者たちは陶器の素敵なティーカップ&ソーサーで紅茶を飲んでいる。日本だとほとんどはプラスティックの食器だ。おそらく全員70歳以上で、認知症らしき方々も混ざっていた。しかし彼らは楽しそうにパーティーの相談をしていて、フィッシュ&チップスのケータリングをインターネット検索していた。

ここは、特に高級な有料老人ホームというわけではなく、ごく一般的な施設である。

(中略)

イギリスではniceとか、beautifulとか言った意味で「lovely」を多用する。私は初めての海外研修で出会ったイギリスの高齢者たちから、「lovely」に自分らしく生きることを教えてもらった。

今の日本は、もっと素敵に、年を取ることを楽しめるような成熟した社会に変わっていく過渡期なのかもしれない。高齢化率世界NO1である我が国でこれから開発されるサービスや商品が、世界中の高齢者の笑顔を生み出していくに違いない。それこそが、ものづくり・おもてなしの国、日本ではないか。

高齢化の課題を嘆くことなく、チャンスと捉え、新たな可能性に目を向けていきたい。

先日、認知症介護についての番組を見た。
介護のプロの方々は、いかにその人がその人らしく、その人が今まで歩んできた人生を尊重し、敬って接することができるか?という気持ちを、介護をするにあたっての土台にしていると語っていた。

上記の記事は認知症の方の話ではないけれど、日本の介護施設における状況とは違い、イギリスの高齢者施設では、高齢者だから、危ないから、機能的でないから、などという理由ではなく、いかに高齢者が楽しく、その人らしく生活できるのかということに主眼が置かれていると感じた。

私も高齢者がたくさん入居している施設に薬を届けたり、医師と一緒に診察に回ったりして、その様子をよく拝見させてもらうことがある。
まず決まって、安全第一。
例外は認めない。

勿論、安全に暮らせるということは大切なことなのだが、それが行き過ぎると、一律に締め付けのようになってしまい、高齢者が窮屈な思いをしているのではないか。

それとも、もうそういうものだと高齢者自身が諦めて、自分がこうしたい、こうありたいという気持ちすら押し込めてしまっているのではないか?

そんな風に思うこともある。

これからもっともっと高齢者が増えていく時代。
みんなおんなじ、一律、安全第一。
そればかりが頭でっかちになってゆくのではなく、その人がしたいことを、ほかの入居者の安全が脅かされないような範囲であれば認めていってはどうか。

また、先述の認知症介護の番組では、いかに高齢者とその周辺住民との交流が持てるかということに配慮した施設づくりを行っているところもあった。

囲い込んで、閉じ込めて、危なくないように外から隔離して・・・
では、健康寿命を縮めてしまうことにもなりかねないと思う。

高齢者がもっとイキイキ、のびのびと暮らせて、また高齢者を尊重できるような社会になっていくことを願いながら、この記事を読んだ。

私が高齢者になったときには、どんな社会になっているだろうか・・・。

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