なんであんなに迷いたかったんだろう

私が小学生くらいのとき、流行ったアトラクションがある。




なぜだか日本各地にできた、「巨大迷路」。

どこもかしこも、巨大迷路。
何か遊園地などのほかのアトラクションを併設しているわけでもなく、ただただその“迷路”だけを運営しているというもの。

お客さんの目的はただ一つ、巨大迷路に入って、ゴールから無事に出てくること。
入り口でタイムカードを押して、出口でも押して。
いかに早くゴールにたどり着けたか、がポイントになるんだった。


でも一方で、迷うことに疲れた人、小さな子どもが飽きてしまったり緊急事態?のとき用に、

根性なしの出口

というのもあったっけ。
私の妹は、すぐにそこから出たがったなぁ。

途中には高台に登れるルートがあり、そこから下にくねる道をひたすら見下ろして、出口までのルートを確認したものだ。



あれ、なんで流行ったのだろう。
そしていつの間にやら、なくなった。

みんな、色んな場所にできた巨大迷路にこぞって出かけていた。

なんであんなにみんな、迷いたかったんだろう。


きっと流行った時代には、あまり迷うことなんてなかったのかもしれないなあとふと思う。

決められた安定した道をひたすら進む。
何も迷わなくていい。
脇目も振らず、真っ直ぐに。
そうすれば必ずたどり着くところがある。

だから、敢えて迷いたかったのかな。


今の時代、迷うことばかり。
迷わない人なんていない。
みんな迷子なんだと思う。

そして決められたゴールになんてつく人は、前よりも少なくなったんじゃないか。

ゴールだと思っていなかったところに着いたり、
道をひたすら迷っていたら、なんとこんなところに抜け道があった、なんて新たな道を見つけたり。

みんな、道なんて最初から決められてないって、ゴールなんて決められてないってわかったんじゃないか。

もし、今巨大迷路を作るのならば...
昔と同じようなコンセプトなら誰も行きたがらないはずだ。

ゴールは決められてなくて、
そしてきっと、最後の最後に高台に登れるようになっていて、

今まで辿ってきたルートを見ながら、
ああ、なんて私らしい進み方なんだ!
寄り道しまくったけど楽しかった!

なんて思える迷路ならば、
私は行ってみたい。

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