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『人生論ノート』 世間の期待に背を向けて

みなさん、だれかの期待に応えたいと思ったことはありますか?人生論ノートでは期待についてこのように書かれています。

我々の生活は期待の上に成り立っている。
                 人生論ノート ー利己主義についてー

われわれの生活はギブ・アンド・テイクの原則に成り立っていると三木は言います。そしてその原則は他者に対して見返りを期待することによって成り立っています。そこで三木はわれわれの生活は期待の上に成り立っていると言っているのです。

さて、われわれは人に期待する一方で、他人からかけられる期待は魔術的な力であなたの行為を拘束すると三木は言います。

期待は他人の行為を拘束する魔術的な力を持っている。我々の行為は絶えずその呪縛のもとにある。道徳の拘束力もそこに基礎を持っている。他人の期待に反して行為するということは考えられるよりも遥かに困難である。時には人々の期待に全く反して行動する勇気を持たねばならぬ。世間が期待するとおりになろうとするものは遂に自分を発見しないでしまうことが多い。秀才と呼ばれた者が平凡な人間で終わるのは一つの例である。
                 人生論ノート ー利己主義についてー

さて、秀才が世間の期待に応えるとなぜ平凡な人間になるのか。世間の期待とはなんなのか。それは世間の期待の中に人間の嫉妬の力によってひきおこされた平均化を望む気持ちが多く含まれているからだと思います。散々引用している言葉ですが、

嫉妬とはすべての人間が神の前においては平等であることを知らぬ者の人間の世界において平均化を求める傾向である。
                   人生論ノート ー嫉妬についてー

嫉妬心が深い人たちがあなたに期待すること、それは、自分と同じように不幸で自信がなく、自分と同じように嫉妬深い平凡な人間にあなたを陥れること。そしてあなたがその期待に沿って人生を歩んだとするのであれば、この世にまた嫉妬深い人が創出され、また新たな人が嫉妬のターゲットとなります。

では、どのようにすればそのような期待から逃れることが出来るのでしょうか、孤独になることだと三木は言います。

孤独であるとき、我々はものから滅ぼされることはない。我々がものにおいて滅ぶのは孤独を知らない時である。
                   人生論ノート ー孤独についてー

これも繰り返しになりますが、孤独であるということは自己に向かい合うことができるということです。そして孤独になることで初めて、自己を表現すること、人生でたった一つの仮説を立てることができます。そのことがあなたの希望になると三木は人生論ノートにおいて説いています。

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