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黒い羊と音楽

生まれてこの方
沢山の曲に救われてきたけれど
欅坂46「黒い羊」に私は幾度となく救われている
欅坂46がリリースした中で三本指に入るほど好き

中学生か高校生くらいの時かな
心の中では世間からはみ出ている「自分」に気づくことがあったけど
思春期の私はそれを認めたくなくて、
全く別人の「自分」を作り上げることが多々あった
こうやって自分の気持ちを文章にするのも
恥ずかしいことだと思っていた

人と違う独特の感性や、将来の夢、
声を大きくして好きなものを好きと言えなかったり
やりたいと思うことも周りとは全く違ったので、
そう思う「自分」の気持ちを無理矢理ねじ伏せていたり

加えて
容姿など自分に多くのコンプレックスを持っていた私は
死という極端な選択を選ぶことも考えたくらい。こころは瀕死だった。
学校ではそれを表に出さないよう必死で
常に偽物の「自分」を作り上げてた

「黒い羊」は、
そんな私を、引っ張り上げて救い出してくれた楽曲である。

「白い羊なんて僕は絶対になりたくないんだ
そうなった瞬間に僕は僕じゃなくなってしまうよ
まわりと違うそのことで誰かに迷惑かけたか?」


「自分」で「自分」を否定して傷つけて、
無理矢理人に合わせて、意思を無くして。
それはもう全くの別人になってしまう。
好きなように生きていた自分はどこに行ってしまうのだろう

想像したらすごく怖かったな
中学生なりに歌詞を理解して、
それでも涙が止まらなかった。

大人になった今、はみ出ていればはみ出ているほど
他人の目線なんか気にせず、自分の領域の中で暴れながら、好き勝手に生きることが出来るんだろうな、やったもん勝ちだな、思うことが増えた
法さえ犯さなければ、なんだってしていいと思う

分かってくれる誰かがいる、
寄り添ってくれる誰かがいる

歌詞にそう言った類の言葉はないけれど、
この曲自体が、生活が上手くいかない時や憂鬱な出来事があった日
痛みを一緒に背負ってまるごと理解してくれているような気分。

話はズレたけどこれは私の勝手な解釈で
秋元康さんが伝えたい本意ではないかもしれない
、私なりに咀嚼したつもり

今でこそ乃木坂46を中心に追いかける坂道ファンだけれども
実をいうと当時は坂道アイドルに興味はなくて
母の影響でKPOPが好きだった。

言語の壁はあるが、壁を越えた派手なサウンドで織りなされる楽曲の良さ、
アーティストの完成されたビジュアル、衣装のセンス、ステージセットの色使い、楽曲そのもののコンセプト、すべてが好きだった

そんな私がなぜ坂道アイドルに魅了されたか
一言でいうと
”直接心に語りかけてくる歌詞に惹かれたから”

KPOPはそれなりの良さがあるが、
翻訳アプリを介さなければ歌っている内容が分からなかったので
中学生ながらに必死に翻訳してようやく歌詞の意味を知った。
加えて作詞家がこちら側に伝えたい歌詞の意図や
アーティストが楽曲に乗せて伝えようとしていることを
介しに介しすぎてしまったが故に、汲み取ることは出来なくて
全てを理解することはできなかった。

けれど坂道含め日本の楽曲はストレートに心に語りかけてくる。
全てを理解できているとは思えないけれど
心に直接語りかけてくれるから、自分なりに色々な方向に解釈しやすく
イメージも広がり、自分の脳内でまた新たな世界が広がるし、知らなかった新たな言葉にも出会えるし、色々な受け取り方が出来るので
とにかく、すごく面白い

そんな音楽を作るお仕事に携わることが出来てすごく幸せ。
辛いことがあって気分が落ち込めば光になってくれるし、泣いてもいいよって寄り添ってくれたな
暗い闇に落ちてしまっても、落ちた先で
私の世界をとても綺麗に色付けてくれた

死ぬ前に思い出すのもきっと音楽なのかもしれないね





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