既存の知識をゆらす

「どどいな」という言葉を聞いたことがありますか。これは副詞(句)の順番を述べたものです。「どのように、どこ、いつ、なぜ」のことで、基本的にはこの順番で言葉を並べて行きます。もちろん、話者が強調したい言葉によっては順番が入れ替わりますが、まずは「基本の枠組み」を持つことが大切ではないでしょうか。
どのように.... well, fast, quickly など
どこ..............here, there, home, in....など
いつ..............tomorrow, yesterday, last nightなど
なぜ..............不定詞の副詞的用法(目的)など。
どどいなを教えておくと、次のような文は文節に区切ると一発で分かるようになります。


私は サッカーをするために 公園に 行きました。

1    なぜ4      どこ3   2



最初はこれでいいのですが助詞が「に」の時に文節の区切り方に問題が生じます。



彼は フランスに 行くために フランス語を 勉強しました。
   
 1   どこ4   なぜ5     3     2



「どどいな」が頭にあると、こう分ける生徒もでてきます。ここは、[ フランスに行くために] がワンセットであり、まとめて「なぜ」の部分になるということを指導する必要があります。



ここから分かることは、あるパターンを教える時、そのパターンだけでは生徒がつまづくところを想定して、練習問題の中にしかけておくことが大切だと言うことです。あるパターンを使うとすらすらできるぞ!とまずは思わせておいて、さらに深く理解してもらうため、わざとつまづきそうな問題を潜ませておき、何が問題が考えてもらう。

僕はこれを既存の知識を「ゆらす」と名付けています。

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