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越前海岸に浮かぶ島 雄島


春の北陸旅行


恒例の北陸旅行。石川県の親戚を訪ねる傍らで、毎回観光や登山を楽しんでいる。能登半島の美味しい海鮮料理が楽しみのひとつでもあるが、能登半島地震以降、被災地方面への旅行はしばらくの間自粛することを決めている。今回は富山県高岡市美術館で行われている「竹久夢二」の展覧会を計画に組み入れた。夢二式美人と言われる、手足の長い振り向き美人を堪能した後は同館にある「藤子・F・不二雄ふるさとギャラリー」にも立ち寄って、高岡市出身の藤子・F・不二雄氏の漫画家としての足跡の一端を学んだ。

高岡市美術館

翌日は家に戻る以外は特に予定はなく、宿泊先のビジネスホテルでGoogleマップを眺めていると福井県の景勝、東尋坊の近くに「雄島」という文字を見つけた。レビューや画像を見るとなかなか面白そうだ。

雄島

雄島は、「東尋坊」の北西約2キロに位置する周囲約2キロの小島。大湊神社の神域で、地元の人から「神の島」と崇められている。

雄島橋と雄島

ホテルから小一時間ほど車を走らせて現地着。赤い橋の手前に15台ほど停められる駐車場とトイレあり。駐車場の南隣にも10台ほど停められる。向かいの商店に飲料の自動販売機あり。但し、このエリア、携帯電話の電波状況は極めて悪い(当方Softbank)。

雄島橋(赤い橋)を渡る。欄干に竹竿が並んでいるが何だろう。島内にある大湊神社に関係があるのではと推測してみたが、どうやらそのようである。4月20日に行われる祭礼(雄島祭り)に合わせて、この竿に、この日限りの鯉のぼりがかけられる。

柱状節理

雄島の柱状節理は、約1300万年前に噴出した溶岩が冷え固まった流紋岩(安山岩)。この記事の後半にも出てくるが、溶岩が動きながら冷却・固化したものだ。溶岩(マグマ)が垂直方向に冷えて固化すれば柱状節理になるし、水平方向に動いて固化すれば板状節理ということになる(らしい)。雄島には柱状節理と板状節理の両方が形成されている。柱状節理が顕著な島の南海岸は雄島橋の正面に見ることが出来る。

大湊神社

全長224ḿの赤い雄島橋を渡り終えると鬱蒼とした樹林に石段が見える。この石段の先に大湊神社がある。石段はしっかりとしたもので、手すりもあるので安心して歩けそうだ。ペットボトルの水を持って来なかったが、直ぐに下りるから大丈夫だろう。ということでイザ、入山。

階段

登り口には神籤所(みくじどころ)ある。誰かいるのかと思って中を覗いてみたら無人だった。石段は傾斜も段数も紀伊東照宮の石段と比べれば大したことない(本人基準)。

大湊神社

石段の途中に分岐あり。右か左か迷うが、神社の慣例に倣い左へ進む。その先石段は数段で終わり、代わってやや高さがある敷石(飛石)が続く。左に古い建物(社務所)と手水舎があった。手水舎の竹の筒からは水がちょろちょろと流れ落ちている。

拝殿

右手に拝殿現る。1621年の創建だという。敷石から落ちないように慎重に進んでお参りした。近くに本殿があるらしいが、気に留めることなく先へ進んでしまった。

大湊神社の展望所から

拝殿の正面に赤い鳥居、その向こうに展望所がある。東尋坊と東尋坊タワーが見えた。遊覧船の周遊コースらしく、雄島に近づいて減速した後、方向転換して東尋坊へ戻って行った。おそらく、柱状節理を見るためだろう。

大木

椨の木(タブノキ)林。椨の木は古くから樹霊信仰の対象とされ、日本各地に巨木が残っており神社の鎮守の森で大木として育っているようだ。雄島の椨の木は大きいものでは幹周が130cmを越えるものがあるらしい。雄島は島全体が神域なので、手つかずの原生林という感じがしないでもない。

板状節理の岸壁と雄島灯台


板状節理

樹林帯を抜け開けた先には板状節理の海岸。「雄島の流紋岩」と呼ばれている。溶岩が水平方向に動きながら冷却・固化したもの。ここから少し北に進んだところに「瓜割の水」というポイントがあるが、近くまで行って案内板を見たものの、下りるのが億劫になり確認せず。樹林の大木を含む雄島の自然についてはこちらを参照ください。

灯台

海上保安庁の「雄島灯台」。白亜塔型の小型灯台だが、設備はナウい。初照は1954年だが、2010年の改修で灯器は高光度のLED化。おまけに蓄電池を電源にして夜間点灯、ソーラーパネルで充電している。

分岐

この日は4月中旬としては気温も上昇し、水分が足りない中で板状節理の岸壁沿いを右往左往した(携帯電話は圏外)。その後、灯台の横から樹林に舞い戻る。

雄島から内陸部を見る

帰宅のための制限時間があり、せかせかと歩いたが天気も良く、なかなか楽しい雄島だった。狭いエリアでもペットボトルの水1本ぐらいは常備して歩かないといけないと反省した。 

旅行日:2024年4月14日
雄島:福井県坂井市三国町安島



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